PHOTO YODOBASHI

aus JENA Pancolar 1.8/50 + KIPON M42NZ M42-NIK Z + Z 7

レンズ沼のひとつにM42沼という沼があります。1950年頃、旧東ドイツで発展をはじめたカールツァイスイエナはM42マウント用レンズを沢山作りました。これらカール・ツァイス・イエナのレンズは、旧共産圏で発展したことからも、一般庶民が購入しやすいレンズを数多く生産しました。でも性能は侮れない。やはりそこはツァイス。

想いを馳せると、いつの時代も技術者には頭の下がる思いがします。レンズ構成もシンプルなものが多く、経年変化にさほど神経質にならなくてよい。これだけの歳月を重ねても、現代のデジタルカメラとマッチングさせても、実用したいと思うレンズが今でも多数存在します。現代の尺度で考えると、M42沼のレンズは柔らかな描写のレンズといえるかもしれない。けれども、それが写真の仕上がりに味方をしてくれることも多い。

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今回はその中でも、人気のあるPancolar 50mm F1,8をZ 7にマウントさせました。理由は簡単。ゼブラ柄のローレットが光るPancolar 50mm F1,8が編集部に転がっていたのです。はい。Z 7にマウントさせずにはいられなくなったのです。こちらの個体、残念なことに絞り連動ピンが抜けてしまっている状態で、開放のみ使用できます。黄変やクモリもあり、あまり状態の良い個体ではなさそうに思えたのですが、なんのなんの。いざ使ってみるとピントピークにキレがあり、あーツァイスだなと随所で感じました。(TA)

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独特の滲みがあり、光に対する感受性がとても豊か。個人的には好みの描写です。構成はガウスタイプ型で、総じてこっくりとした写り。量感たっぷりのボケも得られます。良いでしょう?また、NIKON Z 7がレンズのポテンシャルを引き上げてるなと感じます。中古市場には1万円も出せばお釣りがくるような状態のよいPancolar 50mm F1,8が沢山並んでいます。現代の標準50mmレンズが苦手な方でも、面白いと感じていただけるのではないかと思います。

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( 2019.03.06 )

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M42マウント用レンズを、Nikon Zボディに取り付けるマウントアダプター