PHOTO YODOBASHI

Nikon AI AF DC-Nikkor 105mm f/2D + Mount Adapter FTZ + Z 6

DCとは「Defocus Control」を略したもので、本レンズはボケ味そのものを変化させることが出来る、特殊なレンズです。鏡胴には「DEFOCUS IMAGE CONTROL」と称するリングが備わっており、それを回転させることで球面収差を撮影者がコントロールするのです。ボケには前ボケと後ボケがありますが、一方を立てるともう一方が立たなくなるのはご存知のとおりです。そして何をもって「良いボケ味」とするかはもはや個人の好みの世界です。「それだったら、ボケの味付けを撮影者にコントロールさせよう」という趣旨で開発されたのが、DCレンズなのです。

便宜上、ひとまず「良いボケ=スッキリしたボケ」と定義しておきましょう。この「DEFOCUS IMAGE CONTROL」リングのセッティングですが、基本的には選択した絞り値と同じ値になるまで回します。後ボケをすっきりさせたい場合はR側に、前ボケをすっきりさせたい場合はF側に回します。1枚目の写真はF5.6まで絞り、リングをR側の5.6まで回し、後ボケ優先で撮影しています。通常の中望遠でF5.6まで絞れば、背景はもっとざわついて来るはずですが、ご覧のとおり。なんだか魔法のようです。また、絞り値とは違う値までリングを回すと規定範囲を超えた球面収差が起こります。つまり、「ソフトフォーカス」になるのですが、これもまた面白い。つまり規定通り使うもよし、それを外れてもまた良し。全ては目的次第なのですが、選択肢が拡がるのは歓迎したいですね。

ともかくユニークなレンズですから、新品があるうちに手に入れておいたほうが良いかもしれません。もちろん、DCを使わなければ非常にシャープでボケも美しいので、通常のハイスピード中望遠としても安心してお使いいただけます(今回は敢えて全カットでDCを使用)。また、Zで使えばボディ内手ブレ補正が重宝しますよ。(TAK)

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( 2019.02.20 )

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