PHOTO YODOBASHI

パナソニックがフルサイズミラーレス2機種を発表!ライカ、パナソニック、シグマの3社による戦略的協業「Lマウントアライアンス」を受けて

ライカのプレスカンファレンスを受けるかたちで始まったパナソニックのプレスカンファレンスの模様をお届けします。冒頭から「A new system camera with a new format(新システムカメラは新しいフォーマットとともに)」というコンセプトが掲げられ、フルサイズのミラーレスカメラ「LUMIX S」シリーズが華々しく発表されました。

PHOTO YODOBASHI

今回のアライアンス3社の中では、もっともカメラの歴史が浅いパナソニックですが、電子技術には強い自信を持っています。

PHOTO YODOBASHI

また、パナソニックはライカブランドのレンズを数多くラインナップしており、デジタルカメラ以前のビデオカメラの時代からライカと協力してきた経緯があります。そこにユニークで高性能なレンズを数多く輩出しているシグマが加わることで、Lマウントの可能性が大きく広がることになるというのが「Lマウントアライアンス」の意義でもあります。

PHOTO YODOBASHI

パナソニックは、デジタルカメラブランド「LUMIX」誕生から10周年を迎え、「新たなLUMIX」シリーズを展開していくことを表明したことになります。

PHOTO YODOBASHI

PHOTO YODOBASHI

PHOTO YODOBASHI

Lマウントとは(もうみなさんご存知でしょうが)もちろんかつてのスクリューマウントのことではなく、ライカによって開発されたマウントのこと。現在はライカSL、ライカCL、ライカTL2で採用されています。これまでのライカとの協業で多くの製品を作ってきたパナソニックは、このマウント径51.6mm、フランジバックは20mmのLマウントを採用したフルサイズのミラーレスカメラ「Sシリーズ」によって、プロフェッショナルのニーズにも応えられる、妥協のない表現力をもったカメラを作る覚悟なのです。

PHOTO YODOBASHI

今回パナソニックが発表したフルサイズのミラーレスカメラは、4,700万画素のセンサーを搭載する「LUMIX S1R」と2,400万画素のセンサーを搭載する「LUMIX S1」の2機種。

PHOTO YODOBASHI

また50mm F1.4の「プレミアム」、24--105mmの「スタンダードズーム」、70--200mmの「テレフォトズーム」の3本のレンズも同時に発表されました。

PHOTO YODOBASHI

カメラ、レンズとも2019年春の発売予定ですが、ライカのLマウントレンズはすでに8本あります。これに加えてパナソニックでは、2020年までに10本以上の交換レンズを発表することを宣言。さらなるラインナップの強化を図るとしています。

PHOTO YODOBASHI

「LUMIX S」シリーズの大きな特徴は、新イメージセンサーと新ヴィーナスエンジンの搭載、Dual image stabilizerの採用による高画質の実現です。またグリップやボタンレイアウトを見直すことにより、さらに高い操作性を備えました。

PHOTO YODOBASHI

防塵防滴・低温などの耐久性も備えたタフなボディとなっています。操作系はG9 Proを彷彿とさせるものがありますが、その理由はG9 Proが様々なジャンルのプロの意見を反映させて作られた、完成されたインターフェースだからなのは想像に難くありません。

PHOTO YODOBASHI

PHOTO YODOBASHI

液晶モニターは3軸のチルトLCD、記録メディアはXQDとSDカードのデュアルスロットを採用しています。

PHOTO YODOBASHI

この協業によって、それぞれのシステム用に作られたレンズが、アダプターを必要とすることなく機能的な制限なしで、すべてのカメラで利用することが可能になるわけです。パナソニックとシグマは、お互いに提供するLマウント互換製品群によってシステムカメラとしての充実が図れるとともに、幅広い写真撮影のニーズに対応できるようになります。

PHOTO YODOBASHI

パナソニック専務執行役員の本間哲朗氏は、「パナソニックは、"デジタル時代の新たな写真文化の創造"をテーマに、最先端のデジタル技術を駆使して革新を起こしてきた。そして、ライカとの長年にわたるパートナーシップを通じて、ライカの優れた光学技術とパナソニックのデジタル技術を融合させ、世界中の写真愛好家がより簡単に、より洗練された、より楽しい体験ができるようになることに注力してきた。今回のライカ、シグマとの Lマウントアライアンスにより、優れたデジタルカメラの開発が一層加速される。それによってデジタルカメラ業界に更なる変革もたらし、新たなビジネスチャンスを創出するとともに、世界中の写真愛好家にさらなる感動を届けられると確信している」と協業の意味と将来性について強く語りました。

PHOTO YODOBASHI

ここで心配になる人も多くいらっしゃると思います。「ところでマイクロフォーサーズはどうなるのか?」と。大丈夫。パナソニックはLマウントに対応したSシリーズの開発を進めつつも、マイクロフォーサーズ規格のGシリーズの開発はやめないことを宣言しています。同時に、35mm判換算20-50mm相当の「LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm F1.7」の開発を発表しました。ズーム全域でF1.7という明るさが特徴の広角系ズームレンズで、2019年度の早い段階に発売を予定しているとのこと(価格は未定)。楽しみですね。

PHOTO YODOBASHI

日本とアメリカに続いてヨーロッパでもプロサポートサービスが開始されることが発表されました。プロフェッショナル向けの情報とは言え、サポート体制が世界規模になるというのは、メーカーとしての本気度が伝わってきます。

PHOTO YODOBASHI

これはプレスカンファレンス後のディスカッションで明らかにされたことですが、協業とは言え、他社のロードマップを共有することはないのだそう。つまりカメラやレンズの開発はそれぞれが独自に進めていくということで、場合によっては競合することもあり得るということです。そして気になるこの協業が実現した経緯については、最初に持ちかけたのはパナソニックからライカへ。これが昨年の初頭。そしてシグマも同時期にフルサイズのカメラ開発を検討していたことから話が進み、3社によるアライアンスへと発展したとのこと。我々としては3社の強みが生かされつつ選択肢が増えることは大歓迎ですし、それぞれの独自規格のユーザーも今までと何ら変わりなく写真が楽しめるのなら、これほど嬉しいことはありません。これからが本当に楽しみです。期待しましょう。

( 2018.09.28 )