SIGMAブース概況 / グローバルビジョンの下、確実な進化を見せるシグマ

レンズラインナップをContemporary / Sports / Artというカテゴリに分類していく、という新しいビジョンが示されたのは、まさに前回のフォトキナでした。あれから2年。ブースの構成は基本的には変わっていませんが、そこに並ぶ製品は少しずつ変わってきています。この間に新しく生まれたレンズ群は、デザインも現代的に洗練され、画質にも高い評価が得られているものばかり。ひとつひとつのプロダクトが "SIGMA GLOBAL VISION" を体現していっているということが、今回の展示からしっかりと伺えます。

交換レンズメーカーとして基本的にマウント毎にブースを設けているシグマですが、この2年間で生まれた新しいレンズ群は入り口付近にまとめられ、シグマの「現在」を高らかに示していました。こうしてレンズが並んでくると、自然とユーザにもシグマ製品の世界観が共有されていくものですね。このデザインも今や「シグマらしさ」となり、メーカーとしての個性・アイデンティティを強く意識させるものと感じます。

それぞれのブースには、来場者の質問に答えるスタッフの姿。マウント毎のブース構成というのは、エンドユーザである消費者を向いた形といえるでしょう。熱心なユーザが多いことも垣間見え、シグマのレンズが如何に多くの写真好きに受け入れられているかがわかります。

SIGMA dp1 Quattro / 唯一無二のセンサーが描く世界

レンズメーカーとはいえ、大変にエッジの立ったカメラ製品を持っているのがシグマというメーカーの面白さです。一番の強みは、驚異的な描写性能と息を呑むようなリアリティを生み出すFoveon X3センサー。最新型である"Quattro"を搭載し、標準域の画角をカバーする「dp2 Quattro」につづいて、19mm F2.8レンズとの組み合わせになる「dp1 Quattro」が発表されています。既成概念にとらわれないボディ形状はそのままに、広角側を待ち望んでいた方には待望のリリースですよね。コンパクトカメラに大型センサーを組み込むというコンセプトをはじめて実現したのはDP1でしたが、そのレンズの良さも大きな魅力のひとつでした。今回のモデルはQuattroセンサーに最適化するために新たに設計されたということで、描写にも期待が高まります。

面白いのはこの新しいオプション、LCDビューファインダー「LVF-01」。背面液晶に取り付けて覗くことで外部からの光をカットし、大変ファインダーが見やすいものになります。非常に丁寧で堅牢に作られており、レンズも交換レンズに使用するレベルのものが用いられているとのこと。実物を手にしてみると納得がいくオプションで、新しいdpユーザなら一度試してみるべきものだと思います。

ちょっと失礼して、ビューファインダーを通して山木社長を覗いてみます。実際に覗いてみなければ見え方は伝わらないと思うのですが、くっきり見えるだけでこんなに撮影が気持ちよくなるのだなあと感心してしまいました。こういった製品を本気で作りこんでくれるのが、シグマというメーカーの魅力ですよね。

フルオプションのdp1 Quattroがまるで宇宙ステーションのようだと、手持ちのカメラやレンズを並べて撮影。いっそあらゆるものがドッキングしていくシステムになったら面白いですよね。・・・などと悪ふざけをしている我々を暖かく見つめる山木社長。今後ともよろしくお願いいたします。

さてレンズも元気です。ContemporaryとSports双方で用意された「150-600mm F5-6.3 DG OS HSM」が並んで展示されていました。600mmまで伸びるということで、望遠レンズを必要とするユーザをざわつかせるリリースではないかと思います。同じ焦点距離・開放値のレンズですがレンズ構成は違うものとなっていて、Sportsラインのほうが周辺の描写性能に優れてくるとのこと。ただし大きさも違いますから、用途と画質の必要レベルに応じた選択になってくるでしょう。

並べてみると、このようなイメージです。こうしてみるとContemporaryラインのコンパクトさも捨てがたいですよね。手持ちで行くならこちらでしょうか。・・・手持ちで600mm。胸が熱くなります。

新しいレンズ群に合わせて、テレコンバーターも新設計されました。高画質を追求した贅沢な作りとなっていて、レンズ構成も1.4倍のTC-1401は5群7枚、2倍のTC-2001は5群10枚というもの。是非150-600mmとの組み合わせで、実写を試してみたいものです。

利便性と画質を両立させたという「18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM | Contemporary」も登場。「仕様、性能、サイズ、すべての要素が高い次元で調和する一点を限界まで探索し、ようやくたどり着いた」とまでメーカーが自負する1本ですから、単なる便利ズームレンズに留まるはずはありません。あまりに良く写るとボディにつけっぱなしになりそうで怖いのですが、とにかく期待しましょう。

シグマブースではおなじみの望遠レンズコーナー。大変人気があるのか来場者の方々もファインダーを覗きながら、わいわいと楽しんでいる様子でした。新しい望遠ズームレンズもラインナップされたばかりですが、そのようにユーザの細かいニーズを掬って製品を用意していくサードパーティの存在があってこそ、写真・カメラの世界が盛り上がっていくのだと感じます。

エビフライと称されることでお馴染みの「APO 200-500 F2.8」も健在。PYでもキヤノンマウント用をお借りして作例を撮らせていただいたことがあります。貸出用のサンプルを用意するのも大変なレンズだとは思うのですが・・・ニコンマウント用の作例も撮りたいのです。シグマさん、いかがでしょうか。




ホーム シグマ カメラ レンズ

( 2014.09.20 )