会場で気になった商品・サービス (3) / ポラロイドフィルム「インポシブル」

ポラロイドフィルムの生産が2008年で終了。その終了記念パーティに出席した一人が工場の10%を買い取り、解雇されたスタッフの中の10人を引き受け、小チームでスタートしたのが「インポシブル」。ドイツ・ベルリンをベースにする企業です。SX-70をはじめとしてポラロイドを愛用するユーザは多く、生産打ち切りが決まった頃は日本全国のポラロイド在庫が一気に払拭するという事態に。少し大袈裟かもしれませんが、それほどの混乱を来したのは間違いない話でした。デジタル全盛のこの時代にポラロイドとは、ハイブリッド車が世の中に溢れる中に、古きよき時代のアメ車がガソリンをブチまけながら走っているようなものかもしれませんね(笑)もちろん、リスペクトの意味を込めての話です。ポラロイドの中の薬剤が光に反応して作る画、世界。魅せられた人達が延命を図った気持ちもよくわかります。

ブースにはひっきりなしに人が。既に懐かしさ溢れる視線で見つめる人、「買えるのか!まだ!」と驚きを隠せない人、妙な愛に満ち溢れたブースでした(笑)

ただポラロイドの資産を引き継いだだけでなく、ケミカルは未だに日進月歩で改良中。写真上部の円形の写真は新製品だそうです。インポシブルは、新製品の開発にも積極的なのです。

右側はiPhoneの写真を画面表示して、ポラに転写するアイデア商品。左は開発中のiPad用。たしかにPCに接続同期し、取り込んでプリンターで出力する手間暇を考えれば、断然「インスタント」ですよね。

どうですか。一度は消えかかったポラロイドの灯火。各フォーマットごとにこれだけのポラロイドフィルムを供給中。しかも往時の商品よりも、さらによりよいものにしようという意気込みです。写真右はブース内でポラロイドカメラを修理していたスタッフです。なんと18才からポラロイドカメラの修理を続けてきたという「超」なんて冠がチープに聞こえるほどの大ベテラン!

話を聞かせてくれたのはプレス担当のLucile Le Dozeさん。ぜひ工場も見学して欲しいと逆オファー。「当分ポラ・ユーザは安心してよいと思ってよいですね?」と投げかけると「大丈夫ですよ!」と答えてくれました。なかなか試すのも難しいとは思いますが、8×10のモノクロポラなんてなかなか痺れる画ですよ!




ホーム その他 アクセサリー・サービス

( 2014.09.24 )