プライベートでモロッコに。さて、何のカメラを持って行くかと手にしたのは「α99」と「RX1」でした。一眼の方に超広角・標準・超望遠の3本のズームレンズに、メディナと呼ばれる狭い旧市街での撮影や、現地の人々を撮影するのに威圧感を与えないことを考えてRX1をバッグに。α99同様、ともかく階調豊かでよく粘る画は、この季節の光と最小限の光しか灯さない彼の地のコントラストを上手く捉えてくれましたし、旧市街のような狭い場所でα99も構えてみたのですが、RX1のほうが断然ライブ感のある画が捉えられました。やはり手の平に載るコンパクトなボディはこんなシーンで抜群に効きます。しかも、センサーに対して専用で奢られたレンズですから写りが悪いはずがありません。大きな風景などをガシっと捕まえるのにα99を、小さな風景や振り回して撮るのにRX1を。さらにRX1はα99と35mmレンズの組み合わせよりも素晴らしい画を叩き出してくれる可能性が高いわけです。かなり贅沢な「スーパーサブ」ですよね。・・・結果的にこの構成は大正解でした。ざっと作例を並べてみますので、このカメラのポテンシャルを探るのに役立てていただければ幸いです。

( 写真・文:K )

メディナと呼ばれる旧市街は土作りの建物が密集し、入り込むとさながら迷路。人がすれ違うことも難しいような狭い場所もあります。また、マラケシュで最も有名な広場で開かれるスーク(市場)では、とにかく見渡す限り人・人・人といった状況で、ファインダーを覗いた瞬間に周囲から隔絶されるようで全体像が見渡しづらくなったり。想像通りでしたが、本当にRX1を持ってきてよかったなあと実感した次第です。もちろんα99でも撮れなくも無いのです。実際に色々と撮ってみましたが、冒頭に記した通り、断然RX1のほうがライブ感溢れるカットが多かったように思います。両腕をひょいと伸ばして撮影するのと、ファインダーを覗き込むその動作テンポの違いもあると思いますが、α99にズームレンズ、RX1はご存じの通り35mm単焦点という点も大きいように思います。単焦点だと、私のスキルの問題もありますが、ズームに比べれば「あと少し」というフレームの詰めが難しいですよね。逆にその詰め切れなかった余白が ”糊代” みたいに機能して、撮った本人が何だか余韻を感じて見ていて楽しいのです。もう一つ。背面液晶モニタを見てのフレーミングとなるため、ファインダーを覗き込むことを考えれば、周囲から隔絶されづらいという点も大きいと思います。これはいわゆるコンパクトデジタルカメラ全般に言えるメリットだろうと思いますが、RX1は35mmフルサイズ&専用設計レンズですもんね。「写るぞ!」と思っているから、難しい光に対して露出補正ダイヤルをカリカリとやり、単焦点レンズで詰め切れない部分を「もっともっと・・・」と足で追う。これ以上無い道具を手にしているという実感が、より撮りたいという気持ちにさせてくれます。本当に楽しい撮影でした。

レンズシャッターのおかげだろうと思いますが、シャッター音が大変静かなのです。雑踏の中に居れば、まず聞こえることはありません。向こう側は強烈な光、テントで柔らかく拡散した光がなんとも佳いシーンでした。私のような「なんちゃってカメラマン」はどうしてもシャッター数が増えます。微妙に距離とアングルを変えつつ、一番収まりの佳いところを実際フレームしながら探すのですね。こんなシーンで静かなシャッターは本当にありがたいのです。おじさん、長い間振り向かないでくれてありがとう!5カットは撮りました。・・・正直なところ単焦点もののレビューはツライです。くだらないことを書いて、肝心なことを書き忘れそうになりました。35mmフルサイズでF2だからこその、この雰囲気です。

佳い光です。観光客を数多く招き入れるため、みなさんやたらと愛想よいのです。振り向かないで・・と思いつつパチリ。こんなシーンでは気づかれずに撮って、あとで液晶モニタを見せたいですよね。実際に見せたら喜んでくれました。ちょっと話はそれますが、皆さんは人にレンズを向けるときにどんな風に考えていますか? 向ける方が圧倒的に多い私は、突然向けられると「おお・・」とやっぱり構えてしまいます。カメラの大きさも本能的に働きかけてくるものがあると思うのです。

狭い路地で子供達を追いかけるのにも、RX1は便利。ともかくすばしっこいので、ファインダーで追いかけるよりも、手元をひょいと伸ばす方が撮りやすいのです。カメラを向けた反応は様々。撮って!撮って!と騒ぐ子もいれば、「何かちょうだい」とおねだりをする子、いろいろなのですが、総じて人なつっこいですね。

縦位置の子は、いったん部屋の中に入ろうとして、もう一度出てきてくれました。お礼にポケットに入っていたお菓子を。ニコニコしながら食べてくれましたが、モロッコの子にも「キットカット」は甘かったんじゃないかなあ。※モロッコの人達は糖分の摂取量が凄いのです。

シャッター速度を見ると開放で1/125、もう少し絞れましたが、あえて開放で撮ってみました。これがびっくりするぐらいよく写ります。天窓から差し込む光は結構強烈で、これも可愛げなく(?)スッキリ・クリアに。少し滲んでくれたほうがいいのだけど・・・と、前玉を指でペタっと触ってしまいました。よい塩梅でフレアが出てくれました。流石に開放F2となると、ピント面以外は上下共にアウトフォーカスに。しかしピント面のシャープさは大したものですよね。ポジフィルムだとシャドーは諦めざるを得ないシチュエーションですが、ハイライトからシャドーまでの階調再現も見事です。

最初のレビューでも書きましたが、開放から画面全体均一にシャープ。深度を考えて絞りを操作するといった感じです。

コンパクトデジタルに属するのでしょう(?)いや、紛れもなくそうなのですが、接写も通常時で30cm程度、マクロ切り替えで20cm程度まで寄れてしまうために、まさにコンパクトデジタルのように、テーブルの上の料理をパチリなんてことも気軽にできてしまいます。高山のレストランで、真っ直ぐ差し込んでくる光が野菜を鮮烈に照らしていて、綺麗だなあと撮った1枚。ほんの少しだけ絞っていますが、”おまけ”の接写というレベルでは全然無いですよね。

観光客がわんさかと押し寄せる、高山にあるレストラン。使い込まれたグラス、そしてナイフ&フォーク。鈍い輝きを上手く捉えてくれました。

慣れない街でスナップ撮影をしていると、どうしても光景に撮らされてしまうことも多くなります。全ての人の動きを把握できるわけではありませんから、フレームに突然人が入り込んできたり。でも、かえってそんなのが面白いですよね。1stレビューの際には気づかなかったことが一つ。最近どのメーカーのカメラでも同じ印象を受けるのですが、画を構成するラインの明瞭度が上がったように思います。つまり、曖昧さが無くなって来たわけですが、これがボケやブレにも大きく影響してきます。フイルム時代から写真に慣れ親しまれている皆さんは、ボケたりブレたりしているけれど、何だか妙にいい、なんて経験をたくさんされていると思います。これまでのデジタルカメラだと、プロの言葉を借りれば「何処にもピントが無い」という、なんだかモヤっとした写り方をするもので、どうしてもキッチリ写したくなるもの。現場で撮影していて、液晶を見ると何だかボケてもブレても佳いんですね。ちゃんと「芯」があるというか。このあたり、面白い発見でした。

たまにエレキギターでサスティンを嫌う変わり者も居ます。わりとピントはキチンと。水平垂直を出して・・・という撮影を好むのですが、液晶であがりを見るとなかなか面白い。日頃滅多にやらないのですが、MFでピント位置固定、とにかくシャッターを切ります。

筆者の中近東・イスラム圏の色はこんな感じ。アクセサリーを眺める女性。一眼レフだとまず気持ち悪くてやらないです。液晶モニタを見ながらMFでピントを追うと、大判センサーとF2という口径もあって、ピント面が動く様が本当に面白いです。・・・と、切ってみたのがこのカット。

どこかの世界遺産を取り上げる番組に出てきそうな(実際に出てると思いますが)、アトラス山脈の急峻な峠道で。バスはかなりの速度で走っていますので、1/400でもブレてしまいます。しかし、人が寄りつくような場所では無い中で、少女は走っているバスに物を売ろうと声をかけてきています。

 

まだまだご紹介したいカットがたんとあるのですが、ひとまずこのあたりで。モロッコで徹底的に使い込んでみて感じたのは、このカメラは高級コンパクトなんだなあという一言に尽きます。なんだ、その月並みな締めくくりは!という感じなのですが、ちょっとだけこんなお話を。いわゆるフイルム高級コンパクトと呼ばれたカメラを皆さん思い出してみてください。たとえば、コンタックスT3。ポジフイルムを詰めて撮影し、現像から上がってルーペで覗くと、何とも言えないクリアな描写に驚いたものです。レンズそのものの優秀さと、少しオーバー目の露出制御がポイントで、いまみたいに撮って直ぐ液晶で確認できるわけではありませんから、現像によるタイムラグで余計にそう感じたのだと思います。たとえば、ミノルタTC-1。何故か絞ると普通のレンズになってしまうのですが(線が太い)、絞り開放の際の、何とも言えない立体感溢れる画と強烈な周辺減光の画にヤられたものです。このような高級コンパクトは総じて面白い、または優秀なレンズを搭載し、カメラボディも実に手の込んだ粋なフィニッシュでした。考えてみれば、RX1は35mmフルサイズ、初めてフイルム高級コンパクトと同じパッケージングで出たカメラかもしれませんね。そう考えると、フイルム代・現像代要らずで、フイルム高級コンパクトの約2倍程度の価格。これは安いのかもしれませんね。いずれにせよ、それこそフイルム高級コンパクトを手に入れてニヤニヤしながら撮影を愉しんでいたような方にとって、これは魅力ある1台だと思うのです。いわゆるコンパクトデジタルカメラのサイズ、使い勝手で、35mmフルサイズ、そして優秀なレンズ。ガッチリ撮っても、振り回しても、テーブルの上の料理をパチリとやっても、いずれにせよ文句の無い写り。使い込んでくると、ちょっと可愛くなってきますよ、このカメラ。できれば「これ1台で旅に出よう!」なんて思い詰めて奮い立って買っていただきたい(笑)そして、その想いに応えてくれるカメラではないでしょうか。

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いやはや、なんてことをしてくれるのでしょう。ソニーらしいと言うか、流石ソニーというか。この間、α99とレンズを買ったばかりなのですが、悩ましい。もう少し早く機会が来ていれば・・・。

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RX100と共通のバッテリー。「え?持つの??」と思いますよね。作例撮影という極めてカット数の多い使い方をして、おおよそ半日ちょっとといったところでしょうか。予備は持っておくに越したことは無い、そんな印象です。

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フードはレンジファインダーカメラ用のような出で立ち。レンズの先端保護にも。

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なかなかしっかりしたケースです。

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