Nikon D4S SHOOTING REPORT  

前回のレポートがほぼ1日半程度の強行撮影に、原稿アップまでの時間も殆どありませんでした。そこで今回はゆっくりD4Sを京都で3日間持ち歩いて撮影。第2弾のレポートをお届けしたいと思います。おもに梅を撮りに行ったのですが、予想外に雪に見舞われました。梅と雪が絡んでくれるとおもしろい画が撮れるのですが、梅の撮影中はピーカン。街撮りを始めた途端に冷たい雪が。なかなか上手くいかないものですね。しかし3月半ばとなれば、もう少し暖かくてもよい気がしますが、最近は暑さ寒さがいつまでも続き、そのぶん春・秋を感じる時間が短くなってきています。桜はともかく紅葉などは葉の色が濁ったり。今年は桜も紅葉も絶好の撮影環境になってくれればよいのですが。余談はさておき、各カットで新しいニコンのフラッグシップの魅力についてお届けしたいと思います。

( 写真・文 / K )

3月も半ばになろうかというのに、雪が舞う一日でした。暖簾がよい感じに揺れていたので舞い降りる雪にピンを置きます。D3からの流れを汲むD4Sは、捉えられなかった闇の中を写し出すことを可能にした1台です。ISO AUTOで最高感度とベース感度を設定し、なおかつシャッター速度の下限を設定して、明るいレンズをマウントしている時以外は基本的にISO AUTOで撮影しています。カットはISO1100となっていますが、つくづく凄い時代だなあと感じます。肩にグッと食い込む重さのボディとレンズ。しかしその重さはシャッターを切ったシーンは確実にモノにできるという信頼感でしょう。重いといっても、三脚無しの手持ち撮影ですから、有り難い限りです。

D4と比較して、画によりメリハリが出ましたが、同時にその場の空気を静謐(せいひつ)に写し込めるようになったと感じます。空間に光が拡散しその階調は途切れること無く連なっています。それを写し込むにはその場の階調をトレースする力が高ければ高いほどよいわけで、メリハリと呼ばれるものも階調再現力と比例して高まるものです。デジタルはともかく細かく現場をサンプリングする力を高めてきて現状の画に至るわけですが、いま35mmフィルムでこの同じシーンを撮ったら、ある種別物の魅力を感じるでしょうね。デジタルはより現場を細かくキャプチャすることで生まれる魅力、フィルムはある種デフォルメの魅力とも言えるかもしれません。いずれにせよ昔から写真を撮っていて、フィルムの画が頭にこびりついていても、デジタルカメラを握ることに迷いがなくなりました。これは本当に嬉しいことです。

撮影場所は名神高速・京都南IC近くの城南宮で、それはもう見事な梅園です。当然、人また人の大盛況。実は70-200mm F2.8のレンズも持ち出していたのですが、急遽80-400mmをバッグに突っ込みました。人混みの中だとテレ端200mmではうまく撮影できないことが多いのですね。ボケの大きさなどは敵いませんが、先代の80-400mmと比べるとキレおよびヌケともに見違えるような描写に。重量も持った感じでは殆ど変わりがありません。明確な目的が無い限り、車主体の移動なら旅先の1本にうってつけです。D4Sとの組み合わせであれば、バランスもよくどっしり構えられます。

 

撮影場所は高台寺・圓徳院。豊臣秀吉の正室、北政所(ねね)の終焉の地です。高台寺そのものよりも人は少ないと思われるので、おすすめのスポットです。紅葉の時期はライトアップされ、同じ構図で撮るとなかなか艶やかな画が撮れると思います。夜10時閉館なので、ギリギリまで粘ると人の居ないカットを撮ることができます。外の景色を飛ばさないように、かなり切り詰め気味の露出で撮影していますが、シャドーにも階調は十分残っています。このあたりの懐の深さが進化を感じさせますね。

58mm F1.4を開放・最短で撮影。ピンは極薄で、三脚が欲しいところですが手持ち撮影です。ビシッと構えてるつもりでも身体は僅かに前後しますので、極薄のピントは簡単に外れてしまいます。まずファインダー上でピントピークがきちんと見えるだけでなく、それを目でキチンと捕まえられるファインダーであること。そして像消失時間が短いこと、レリーズタイムラグが僅かであること。なんだかんだとボディの能力の高さが効くシーンは結構あるものです。周辺落ちの補正等、全ての補正項目はOFFにして撮影しています。一昔前なら、周辺落ちの大きなレンズで撮影するとトーンジャンプが目立ったりしたものです。安心して撮ることができるようになりましたね。

フィルムで例えれば、ポジとネガのいいとこ取りといったところでしょうか。実に滑らかでメリハリも感じられる画です。しかし、この58mmは絶品ですね。最短に近い距離ですが、ピントピークのキレはぐうの音も出ません。


 


長い時間使い込んでみて感じるのは、前回お届けした内容に加えて画の方も徹底的にチューニングされているということ。これはRAW現像時に強く感じたことですが、撮影時の露出がそのままベストなのです。もちろん露出過多や不足はこれまでどおり補えることができて、デジタルならではの懐の深さはそのままなのですが、それ以上に撮影時そのままのパラメータでストレートに現像するのが一番佳い気がします(佳い画だと感じる)。よくネガフィルムはオーバーに強く、少々露出を適当にやっても大丈夫と聞きますが、特にモノクロネガなどでベストな露出はピンポイントです。潰すべきシャドー、そして、飛ばすべきハイライト。定めた基準のグレーポイントから、そのフィルムが持つ能力に沿って最大限の画が描かれます。その状態がベストで、後でどうしようということは基本的に考えない方がよいと思います。D4Sを使っていて、それを思い出した次第です。撮影時に意図して選択した露出値がベスト。つまり、後処理で「なんとかしよう」ということも出来てしまいますが、撮りっぱなしの状態がベストに感じるのですね。しかもフィルムと違って後処理の柔軟性を考えればさらに1段階次元の高い話です。デジタルも遂にここまで来たかといった印象です。ボディの出来は云々並べるまでもなく、画も文句の付けがたい領域にあります。さて、あとは撮影者がどうするのか。それに尽きるのだろうと思います。

( 2014.03.13 )




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大きさも重さも値段も、それは次の1枚への投資です。

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3日間のロケでもスペアは不要でした。しかしもう1本はぜひ。

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先代とは別物のキレ。値段も上がってしまいましたが、1本持っておくとこれ以上無い相棒となってくれるでしょう。

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