LEICA TL2, Vario-Elmar 1:3.5-5.6 / 18-56 ASPH., 1/125, F5.2, ISO 800, Photo by K

LEICA TL2 | SHOOTING REPORT

ライカのAPS-Cサイズセンサー搭載ミラーレスカメラが2世代目に。LEICA TL2の登場です。実にライカらしいデザインで、背面にボタンは一切無し。このあたり初代と変わりがありません。フィルム時代のカメラとはイメージャーが違うわけで、なにもフィルムカメラ時代のようなカッコをしてなくてもよいわけで、そんな意味で割り切って自由、そして尖っています。センサーが先代より画素数積み増しとなり、有効2,424万画素となりました。なお高感度側も最高ISO 50000まで上がりました。その他、4K動画撮影と120fpsハイスピード撮影に新規に対応し、起動時間短縮やAF速度の向上、ボディ全体のレスポンス向上と、全方位に手が入ったアップデートとなりました。うれしいのが、USB(Type-C)端子が搭載されたことで、USB充電に対応したことです。これ、出先で重宝するんですよね。車で移動中に充電したり、スマホやタブレット類と充電系をまとめられます。

やはりデザインの持つ力というものは絶大なるものがあって、手にすると顔がほころびます。無性に手のひらで転がしたくなります。ライカといえば、コンパクトなシステムに無尽蔵といってよいほどの交換レンズ群。LEICA TL2のLマウント純正レンズのみならず、ライカMマウント、それ以前の古(いにしえ)のLマウント、挙げ句の果てにはRマウントと、このフランジバック長だからこそ取り付けられるレンズは山盛りです。

135フォーマットをライカ判と呼ぶように歴史の長いメーカーで、これまで数多くの撮り手がライカで名作を残してきています。そんなレジェンダリな話が、本当に高価なカメラですが心にひっかかる。このカメラを手にすれば自分を新たな世界に連れて行ってくれるのではないかと。割り切ったデザインコンシャスなボディを手にすると、ちょっと旅にでも出てみようかと。2名のレビューアーが旅撮りのインプレッションをお届けします。


LEICA TL2, Vario-Elmar 1:3.5-5.6 / 18-56 ASPH., 1/640, F3.5, ISO 100, Photo by TA

人と海と山と

LEICA TL2, Vario-Elmar 1:3.5-5.6 / 18-56 ASPH., 1/125, F5.6, ISO 100, Photo by TA

LEICA TL2, Vario-Elmar 1:3.5-5.6 / 18-56 ASPH., 1/125, F4, ISO 100, Photo by TA

LEICA TL2, Vario-Elmar 1:3.5-5.6 / 18-56 ASPH., 1/50, F5.6, ISO 100, Photo by TA

LEICA TL2, Vario-Elmar 1:3.5-5.6 / 18-56 ASPH., 1/60, F5.6, ISO 100, Photo by TA

旅ライカ、だから「TL」

「これのインプレッションをやる?」と言われ、返事をする前に、もうライカのTL2を手渡されていました。ライカといえば、好きだけれどやはり簡単には手が届かないブランドです。M8を持っているので、まだまだこのM8とともに歩もうと思っているのに、TL2を撮影に連れて行ったら欲しくなりそうで、実に悩ましいところです。嬉しい悩みかもしれませんが。
ライカTL2は、APS-Cサイズのセンサーを搭載した、ファインダーレスのミラーレス一眼(外付けEVF装着可)。コンパクトで軽量なカメラなので、移動しながらの長時間撮影でもまったく苦になりませんでした。でも手にすると不思議にもズシリとしたカタマリ感があり、ああライカなのだなと。

このカメラを携えて向かったのは岡山県。夕刻から高梁市の吹屋の村をぶらりとし、翌日は瀬戸内市〜備前市を回った撮影の旅。私がにこにこしながら写真を撮っていたからでしょうか、とにかく地元の方に声をかけられました。みなさんとても人なつっこく、親切。そして雄大な自然。まるで呼吸をしているかのごとく、波は静かな揺れを繰り返し、夏の山々は雄々しく、毅然としてそこにある。それらの自然に寄り添いながら、人々は人生を送る。ゆったりとした時間の流れを感じながら、人の優しさに触れ、ああよいところだなと。今度またゆっくりと訪れたいと思います。
一泊二日の旅というと、とかく慌ただしいものになりがちですが、今回はそうではありませんでした。にこにこのんびりの旅。土地の魅力がそうさせたのもあるでしょう。でも、ともにしたカメラがライカのTL2だったから、というのも大きかったと思います。ひとことで言えば、そういうカメラです。(TA)


LEICA TL2, Vario-Elmar 1:3.5-5.6 / 18-56 ASPH., 1/160, F5, ISO 100, Photo by K

今日も、明日も。

LEICA TL2, Vario-Elmar 1:3.5-5.6 / 18-56 ASPH., 1/1600, F5.6, ISO 100, Photo by K

LEICA TL2, Vario-Elmar 1:3.5-5.6 / 18-56 ASPH., 1/250, F8, ISO 160, Photo by K

LEICA TL2, Vario-Elmar 1:3.5-5.6 / 18-56 ASPH., 1/80, F5.6, ISO 100, Photo by K

LEICA TL2, Vario-Elmar 1:3.5-5.6 / 18-56 ASPH., 1/200, F4.6, ISO 160, Photo by K

旅の一片(ひとひら)を、そっとすくい上げてくれるカメラ

なぜ人は旅をするのでしょう。時間もお金も使えば、慣れ親しんだ環境や物事から離れて、言わば不自由な状況ですらあります。旅を愛する人の数だけ答えがあると思いますが、まさにこの不自由さを自分などは楽しんでいるのだろうと思います。今回の撮影中、ずっとそんなことを考えていました。

PHOTO YODOBASHI昔から画を描くのが大好きで、教科書は落書きだらけ、通信簿は体育と図画工作以外は美しい低空飛行をマーク。あまりに画が好きな自分に、ある日先生が「読んでみろ」と絵本を数冊貸してくれました。その中に「The Missing Piece」という英語で書かれた一冊が。何やら真っ白な背景に水平線、そこに“パックマン”のような一筆書きの主人公が1人、メッセージが数行添えられ、それが最後まで続くというシンプルな絵本。正直、ラクガキのような画で、最初はなんだこれはと思ったのですが、妙に気になって、引き方もロクにわかっていない辞書を持ち出し、読み進めてみました。

あらすじはこうです。主人公は、自分の欠けたところにぴったりはまるピースを探し歩いていきます。見つけたピースを自分にあてがって、少し大きかったり、小さかったり。なかなかぴったりなものは見つかりません。ある日、自分にぴったりなピースを見つけました。喜び勇んで自分にあてがい、完全な「丸」になった主人公は転がる、転がる、勢いよく転がる。速く転がることができるようになった自分を喜びました。しかしあるとき主人公は気づきます。速く転がるようになったことで立ち止まることが難しくなり、話すことも、見ることも、聞くこともしなくなってしまった。そして、せっかく手に入れたピースを主人公は置きます。欠けているからこそ、いろんな物事を見て聞いて、感じて、楽しめるのだと。欠けているからこそ、気づけることがある。欠けていていいんだ、欠けている自分でいいんだ。

そんな物語です。なにせ子供だったうえに誤訳も山ほどあったでしょう。この絵本に込められたメッセージを当時深く感じられることはありませんでしたが、それから随分経って社会人となったときに読み直す機会がありました。なんとも温かい本です。1970年代あたりの皆さんは読んだ経験のある方が多いのではないかと思います。

極論してしまえば人生なんてものも所詮身体1つ、持ち歩けるものなどたかがしれています。思えば旅とは人生の縮図です。見知らぬ場所に自分を置いて歩く。持っている物は最低限、そう我々ならカメラぐらいのものです。不思議にそんなときに撮る画といえば、「何かを収めよう」なんて画ではありません。旅先で出会う物事に自分を重ねる。出会う一片を、そっとすくい上げたい。

インプレッションなのにカメラのことをころっと忘れてました。「旅」+「写真」+「ライカ」という図式の記事は、みなさんもたくさん目にしてきたと思います。私もM型ライカを手に、随分といろんな旅に出かけてきました。そしてそのライカが作るミラーレスカメラです。やはり手にしていたい、傍におきたい、そして連れ出したい。ライカTL2も、しっかりその図式に当てはまるカメラでした。最後にひとつ、ライカM10を所有していますが、見事に画の方向性が同じでよく写ります。そして、久々に旅先で撮る楽しさを感じました。年がら年中、いろんな機材抱えて旅しているようなものなのですが、それでも楽しかったですね。( K )



PHOTO YODOBASHI

ライカM10に比肩する写り、モノとしての魅力に溢れるカメラ

まず初代に比べて本当にスピードがこのカメラに載ってきた。そんな印象です。AF性能も、ボディ全体のレスポンスもよくなりました。画の方は、実際にライカM10+APO SUMMICRON-M 1:2/50 ASPH.と撮り比べてみたのですが、画作りの方向性そしてクオリティと、同一レベルにあるといって過言ではないと思います。ライカM10とこのレンズの組み合わせの金額を考えてみてください。UIのほうも先代より煮詰められて、より実用的になりました。ドイツというお国柄らしい、背面に一切ボタンがない思い切った意匠ですから、これはありがたいアップデートでした。

ライカTL2より安価なミラーレスカメラは多数存在します。しかし、唯一無二なカメラではあります。純正レンズのラインアップを見て「少ないなあ」と感じるでしょう。しかし、ライカには無尽蔵のL/Mマウントのレンズが存在します。AF/AEは便利ですが、このカメラはMFの単焦点レンズをマウントして撮りたい、そんな趣のあるカメラです。サードパーティまで、そしてL/Mマウントに限らず、ほとんどどんなレンズでもマウント可能でしょう(アダプタ経由なので自己責任でお願いします)。そして、ライカの一家言ある画で光景を紡いでみてください。もし未体験であれば、貴方の引き出しに何らかのものが収まると思います。しかし恰好よいカメラですね。写りには関係ありません、勿論。だけど心は躍ります。

PHOTO YODOBASHI

ライカM10に比べて、あらからさまに小さいというわけではありません。素材の違いから、もちろん軽いのですが。また軍艦の厚みが違いますね。M型がどっしりしているのであれば、TL2は軽やか。二台共にいってみれば「ミラーレス」です。M10にはレンジファインダーが搭載されていますが。

PHOTO YODOBASHI

小さな単焦点レンズなどをマウントしたいところ。純正レンズでAF/AEはラクチンですが。。。手にするとわりに塊感があります。金属が持つマテリアル感をしっかり感じて、余計な装飾は一切無し。重いレンズをつけてもしっかりグリップできるのです、これが。マテリアルの良さを最大限に引き出すのも、デザインなのでしょう。

>> 7月21日に行われたライカTL2・ローンチイベントの様子はこちらからご覧いただけます。

( 2017.07.21 )

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前モデル、ライカTLから大きくブラッシュアップしたニューモデル。アルミニウム削り出しの美しいデザイン、コンパクトなボディは手作業で精巧に作り上げられたもの。個性的なスタイルとともに堅牢性も備えています。こちらはより精悍な外観のブラックモデルです。

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スタイリッシュなシルバーのボディは、優美なデザインとのマッチングもよく、所有欲を満たすクオリティ。動作速度、操作性も大幅に向上。新開発の2,400万画素APS-CサイズのCMOSセンサーを搭載し、「LEICA MAESTRO II(ライカ・マエストロ・ツー) 」との組み合わせで表現力もより磨き上げられています。

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35mm版換算27-84mmの画角をカバーする、ライカTカメラシステム用の標準ズームレンズです。スケール感のある風景写真からドキュメンタリー、中望遠域ではポートレートにも活躍します。ジャンルを問わず多彩なシーンで活躍する1本です。

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35mm判換算で約50mm相当。スタンダードな焦点距離を持つ大口径単焦点レンズです。ズミルックスの名が脈々と受け継いできた非常に高い描写性能を備え、APS-Cフォーマットの新基準となる高い描写性能を持つレンズです。

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