Voigtländer ブース概況どこまでマニア心をくすぐれば気が済むんですか

リングフォトブースに併設された、こぢんまりとしたフォクトレンダーブース。しっかりインタビューもしてきたので、詳細は後日公開するそちらの記事でお伝えしますが、日本のみならず海外にも熱心なユーザーが多いブランドです。展示はフォトキナ開催時もしくは至近に発表された製品が中心。ではさっそく見てみましょう。


まずは参考出品されていたEマウント「MACRO APO-LANTHAR 65mm F2」から。はい、ちゃんと3色のラインも入ってますね。まず、なぜ65mmなのか?という問いには、「ワーキングディスタンスと、使い勝手の良い焦点距離を検討した結果の兼ね合い」という答えが返ってきました。「65mmのマクロレンズ」と聞いて真っ先に思い出すのはライカのElmar 65mm F3.5(ヴィゾフレックス用)ですが、そのあたりのオマージュも多少は入っているのでは・・・というのは勝手な邪推です。1:2のマクロ撮影が可能で最短撮影距離は31cm。とにかく、現代の技術の粋を注ぎ込んで世界最高の画質を目指す、とのことなので、これは大いに期待して続報を待ちたいと思います。


次はニコン用の「NOKTON 58mm F1.4 SLIIS」です。生産終了となった「NOKTON 58mm F1.4 SL II N」の置き換えで、光学系を踏襲しつつ外観を一新とのことですが、これがまた!古いニッコールをご存知の方なら「うふふ」となりますね。本当にお上手なメーカーです。鏡胴の先は白(ここは「シルバー」ではなく、敢えてこう言います)と黒が選べるようですが、特に白い方なんてもう、これだけでふりかけ無しでご飯が食べられます。スラントした面にレンズ銘が入っているピントリングの造形とか、カニ爪とCPU接点同時についてるとか、何なんでしょう一体。ホント分かってるよなあ。買っちゃうよなあ。10月発売で、すでにヨドバシカメラにて予約受付中ですので(下にカートボタンがあります)、みなさまお買い忘れのないようご注意ください。


最後は、先日発表されたVMマウント交換レンズ「HELIAR Vintage Line 50mm F3.5」です。フォクトレンダーのヘリアー50mm(ついでに40mmも)は沈胴レンズとして出ていましたが、これは固定鏡胴。光学系も50mm F3.5のそれをリファインし、新たに「Vintage Line」として再登場したものです。ちょっと写真を見てください。かっこいい。マウンテンエルマーの先っちょだけ切り落としたような。これはもう、デジタルカメラじゃなくて黒塗りのバルナックあたりにつけたくなります(実際にはつきませんが)。しかしこのメッキの質感なんかは、かつてまだドイツのブラウンシュヴァイクにあったころのフォクトレンダーそのもの。もうそれだけでいい写真が撮れるような気がしますよね。そういうのって大事です。こちらは11月発売。ヨドバシカメラではこちらも予約受付中。


立ち寄る人々がひっきりなしにやってきて、長い時間スタッフと話し込んでいるのが印象的なブースでした。みなしげしげとレンズを向けてじっくりと眺めていましたね。みんなレンズが大好きなんでしょうね。そして、そういうマニアの心を捉えて離さない、そんなフォクトレンダーにこれからも期待。

( 2016.09.24 )