PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

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山岳写真に憧れて
vol.13 2025年6月・再びの蝶ヶ岳編

PHOTO YODOBASHIいきなりですが登山用の撮影機材として「GFX100RF」を導入しました。102MPのラージフォーマットを小型・軽量なボディに組み込んだ富士フイルムの意欲作。小型のフルサイズミラーレスカメラと遜色ない取り回しのよさからこれ以上ない高画質が手に入るとなれば手を出さずにはいられません。レンズ交換もできず、手ブレ補正もありませんが、そのあたりは撮り手がカバーしたいところです。今回の山行は、そのGFX100RFを初めて山へ持ち出したときの記録です。行き先は北アルプスの蝶ヶ岳。以前もこのコラムで記事にした山です。目的は「残雪期の北アルプスの美しい山容を撮影したい」ということで、初めての山ではなく撮れる画をイメージできる山をチョイス。また残雪期の高所登山は初めてなことから、行程や勝手がわかる山であることも重視しました。6月初旬の夜に東京を発ち、中央道〜上信越道で上高地の玄関口となる沢渡駐車場を目指します。
※カメラ画像をクリックすると「FUJIFILM GFX100RF」の実写レビューをご覧いただけます。


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PHOTO YODOBASHI早朝の上高地。沢渡駐車場で仮眠を取り、5時30分発の上高地バスターミナル行きの始発バスで辿り着きました。日中は賑わう河童橋もまだ観光客の姿はなく、登山客がわずかにいるのみ。晴天なら空気も澄んでいますし、写真を撮るなら早朝に限ります。山肌に残る残雪は期待したより少なかったものの、ご覧の通り夏山と異なる美しさはこの時期ならでは。今回も前回と同様に徳沢のテント場をベースキャンプとして、蝶ヶ岳に日帰りでアタックする予定です。ただ前回と異なり、2日目でなく1日目に行うことにしました。(画像のクリックで原寸画像をご覧いただけます)

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上高地から徳沢までの1.5時間のフラットな散策路は、丁度いいウォーミングアップ。6時15分、明神館前の広場もこの時間はまだとても静かです。6月上旬といえども朝日で映える新緑の美しいこと!

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スカッと晴れました。最高の天気です。穂高連峰を左に見ながら、梓川の左岸を歩きます。同じ山でも河童橋〜明神〜徳沢と見える角度が変わるので、眺めていて飽きません。これは徳沢手前の梓川越しに撮影したもの。

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7時00分、徳澤園へ。1泊分の利用料を払いテントを設営します。その場で簡単に朝食を済ませて休憩。8時15分、徳澤園にある登山口から登山を開始します。

PHOTO YODOBASHIいきなり斜度の高い登山道が続きますが、一度登っている山だと覚悟もでき、気分はずいぶん違います。ペース配分もしやすいですね。

PHOTO YODOBASHIこういった光景は写真で撮るのが難しい被写体ですね。ダイナミックレンジが広いカメラでないとなかなかうまく写せません。

PHOTO YODOBASHI徳沢から3kmの中間地点。蝶ヶ岳まであと3kmです。

PHOTO YODOBASHI標高2,300mぐらいから残雪が目立ち始め、2,400mからは登山道の上にも残雪が増えてきました。軽アイゼンを靴に嵌めて登っていきますが、残雪は踏み固められたものではなく、下が溶けて空洞になっているところが多数あり、踏み抜いてしまうと足が落ちてしまうため、トレッキングポールで確認して歩みを進めます。

PHOTO YODOBASHI標高がさらに上がり森林限界が近くなると、木々の間隔が広がり残雪が一面に。こうなるとどこがルートなのかがわからなくなります。雪上に残る足跡や樹木の幹にくくりつけられたピンクのテープをひとつひとつ探しながら登っていきます。この写真にも写り込んでいる2つのテープ、わかりますか?

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展望がなく、そこが山頂なのかもわかりにくい長壁山(2,564m)を越えると、所々に記憶にある開けた場所が出てきました。

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ドラゴンアイのようにはなっていませんが、凍っていた池が溶け、雪と混ざり合っていました。

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蝶ヶ岳の山頂が見えてきます、あと少し。最後の残雪は雪渓の上を歩くかのようでなかなかのボリュームです。夏までに全部溶けるのか?と考えてしまうほどですが、「vol.5 2023年8月・蝶ヶ岳編」にあるほぼ同じアングルからの写真を見ると、8月には完全になくなっていますね。

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素晴らしい! 谷底から見上げたよりもはるかに多くの残雪が見えました。山肌の緑もまだなく、白と黒の山肌が見事なコントラスト! ここまでの厳しい道のりを忘れてしまう絶景に言葉を失います。「登ってよかった!」と本当に思える瞬間でした。単焦点レンズですし撮れるアングルは限られますが、無心になって多くのシャッターを切りました。(画像のクリックで原寸画像をご覧いただけます)

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振り返ると、登ってきたルートを下山していく人が見えます。その奥に見えるのは霞沢岳(2,646m)、その右側の谷越しに見えるのが焼岳(2,455m)、霞沢岳のすぐ左奥に乗鞍岳(3,026m)、さらに左奥は御嶽山(3,067m)です。

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山頂で記念撮影。近くの岩に腰掛け、昼食にします。2,700mに近い標高では沸点が約90度。沸かした湯で作ったドライフードがいつもより早く冷めていくように感じました。

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蝶ヶ岳山荘の前で雷鳥とバッタリ。木曽駒ヶ岳などでも雷鳥を目にしたことはありましたが、手が届く距離はこれが初めて。興奮しますね。そして雷鳥は全然逃げません。稜線上ではもうベストポジションで休む1羽にも出会いました(1枚目の写真)。

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(画像のクリックで原寸画像をご覧いただけます)

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蝶ヶ岳山頂から横尾分岐までわずか30分程の道のりですが、短いながらも素晴らしすぎるボーナスタイムでした。穂高連邦〜槍ヶ岳を見ながら歩くこのルートは「パノラマ銀座」と呼ばれていますが、まさにズバリの素晴らしいネーミングだと思います。

PHOTO YODOBASHI横尾分岐まで来ました。常念岳へと続いていく稜線上、分岐のすぐ先には蝶槍(2,664m)があり、そこへ寄ってから下山する予定でしたが、往復に30分要すると日没後の下山となってしまうため、今回は諦めます。次回は蝶ヶ岳から常念岳へ(もしくは逆方向で)縦走を計画してみたいです。

PHOTO YODOBASHI18時30分、横尾まで降りてきました。ここから徳沢まで1時間程ありますが、登山道も終わりほっと一安心です。休憩しているうちに薄暗くなってきました。途中から持参したヘッドランプを使用し、19時過ぎすっかり暗くなった徳沢のテント場まで戻ってきました。寝不足でかなり疲れたこともあり、着いたら食事もせずにすぐ寝てしまいました。翌朝までぐっすり。


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2日目の朝は軽く食べてから撤収し、河童橋までは梓川右岸をのんびりと散策。まだ混雑する前の昼過ぎのバスを狙い、11時前に徳澤園を出発。明神館でランチを済まし、13時20分にはバスターミナルへ。

PHOTO YODOBASHI上高地で最も出会う野生動物といえば猿。その次は鹿でしょうか。熊とは今のところ遭遇したことがありません。猿は右岸・左岸のどちらを歩いていても高頻度に遭遇します。食べ物をあげないことが徹底されているため、猿も人に興味がありません。

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同じ山でも季節が異なれば植生が異なり、天候や時間が異なれば光も異なります。写真にはそれらの違いがよりはっきりと出る気がします。だからこそ目にする光景は一期一会。残雪期の高所登山は初心者である筆者には難しさもありましたが、この時期ならではの美しい山々を撮ることができ、大満足の山行となりました。残雪が登山道上にも多く残っていましたが、雪解けがかなり進んでいたことでむしろ歩きにくかったことを踏まえると、もう少し早い時期の方が歩きやすいのかもしれません。写真を撮るにも山肌に残る雪がより際立つようになりますしね。またチャンスがあればぜひ狙ってみたいと思います。

そして今回初めて登山に連れ出したGFX100RFは、軽量で扱いやすく、得られた画像のこれ以上ない画質にも満足。山行にはピッタリのカメラでした。少し気になったところとしては、ボディ前面の電源スイッチや背面のアスペクト比変更ダイヤルが、バッグへの出し入れの際に不用意に動いてしまうことが数回あり、想定外の電力消費に注意が必要だと感じました。背面のアスペクト比変更ダイヤルは、変更の予定がなければパーマセルテープで固定すると確実ですね。しっかり構えられることに加え、転倒時や落下時に最もダメージを与えやすいカメラ底面を保護する目的で、登山へ携行するカメラには、グリップのあるボトムプレートを装着するようにしています。プレートの多くはアルカスイス互換のマウントとなっているため、三脚を使う際に素早く固定できるのもよいですね。すっかり気に入ったGFX100RF、また別の山行にも持ち出してみたいと思います。

( 2025.10.09 )

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旅の記録や風景撮影に最適なだけでなく、登山のようなアクティビティとの相性も抜群。最高画質で残すことが可能です。

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ホールド性の向上に加え、カメラ底面の保護にも役立つ軽量なグリップです。

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カメラを収納したポーチをザックのショルダーベルトから吊り下げることで、山行の邪魔にならない位置でカメラを携行でき、大切なカメラを水や埃、転倒などから保護できます。

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オプテックのストラップ。分割式でクッション性の高い肩あての部分を外して短いストラップとして使うこともできます。

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フードコジーがあるとドライフードをお湯で戻す間の温度低下を抑えるだけでなく、断熱性があるため手に持って食べやすくなります。
(こちらの商品は石井スポーツ店頭でご購入いただけます)

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ドライフードを食べるのに最適なロングスプーン。チタン製もありますが、木製は口当たりが柔らかく熱くなりにくいです。スプーンの先が平らな形状で底まできれいに掬いやすいのも優れたポイント。

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山行時の必須アイテム。熊鈴は音色のよいものを選ぶと、鳴らしながら歩いたときに耳障りになりにくいです。

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