PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
OLYMPUS PEN-F / SHOOTING REPORT
高性能ながらコンパクトで気軽に持ち歩けるミラーレスカメラとして高い評価を得ているPENシリーズ。紡ぎ出される高品位な画や使い勝手の良さはもちろん、意匠を凝らしたデザインと絶妙なカラーバリエーションで、男性ばかりか女性にも広く受け入れられ多くのユーザーを獲得していることはご存知の通り。オリンパスのマイクロフォーサーズ機は、EVFを搭載した一眼レフライクなOM-Dと、背面液晶で撮影するスタイルのフレンドリーなPENといった棲み分けがありました。ところが今回登場したPEN-FにはEVFが搭載されているではありませんか。他にも新開発の20M Live MOSセンサーを始め、世界最高クラスの5軸手ブレ補正、ハイレゾショットや高速なレスポンス、カスタマイズ可能なダイヤルなどなど、本機の特長を見渡すとハイエンド機を思わせるものばかり。往年の名機「PEN F」そのままのネーミングを冠したことからもメーカーの自信が伺えます。気になる写りを早速ご覧ください。
( Photography : Z II / Text : 4beats )
まずは街中で逆光気味に。極々普通に、という言い方は誤解を生みそうですがとにかくキチンと写してくれました。ハイライトもシャドウも、トーンを残しつつそれでいて嫌な階調や発色になることもない、簡単そうで実はなかなか難しいことをサラッとやってのける、それがオリンパスのカメラ。画素数が上がってもいままでと変わりなくキチンと写してくれる。そういう意味での"極々普通に"なのです。
ボディ前面に新設された、クラシックカメラを彷彿とさせる"クリエイティブダイヤル"を早速試してみました。まずはすっかりおなじみのアートフィルター。カフェの雰囲気がガラリと変わるのをファインダーで確認しながら「トイフォト」を選択。テレビドラマの主人公が今にも登場して来そうなワンシーンの出来上がりです。
同じ店内を、今度は「MONO」で。プリセットの変更やカラーフィルター、ハイライト&シャドウコントロール、シェーディング効果などまだまだ遊びがいがありますが、ここでは調整せずにカメラ任せに。それでも十分に味のあるモノクローム写真に仕上がりました。
粒状感の設定を変更できる「MONO」ですが、高感度撮影との組み合わせでもまた違った趣になるようです。自分好みの粒子を探しながらの撮影も楽しそうです。
見上げるような構図は、背面液晶ではフレーミングが少々不安定になりがちです。また逆光や暗いシーンなどでは液晶が見えにくくなるようなことも。EVFが搭載されたことによって、構図にも光にも限定されることなく確実にシャッターを切れるようになりました。
錆びついた鉄扉の質感が、これでもかと言わんばかりに緻密に描かれています。
オリンパスのカメラでは初の2000万画素オーバーとなる本機。葉の表面、霜の結晶一つ一つが実に丁寧に描写されていて、じっと見入ってしまいますね。
手軽に遊べる。思いのままに写せる。
ご覧頂いたように、センサーが約1600万画素から2030万画素へとアップしても、トーンや発色などオリンパスらしい豊かな画はこれまで通り。その上リアリティが増したのです。画の説得力が増したと言ってもいいかもしれません。E-M5 Mark IIで採用されたハイレゾショットも本機に搭載されています。センサーを0.5ピクセルずつ移動して8回露光することで得られる画は約5000万画素数相当に。緻密な描写は圧倒的です。またクリエイティブダイヤルが搭載されたことによって、アートフィルターやプロファイルコントロールなどのハンドリングが大変スムーズになり、これまで以上にPENらしさを享受できるようになりました。フィルム時代のボディデザインを受け継ぎつつさりげなく搭載されたEVFは、より柔軟な撮影を実現してくれることでしょう。これだけアップデートされると、もはやOM-Dシリーズさえライバルになってしまうほどですよね。自分の感性を気軽に、緻密に受け止めてくれるPEN-F。手軽に遊べて、感性の向くままに写真を仕上げられる。PEN史上最高のPENです。
( 2016.03.25 )
オリンパス初の2000万画素。使い勝手も、緻密な画もまさにハイエンド機です。
ルックス的にPENらしいのはシルバーでしょうか。中身はスゴいんですけどね。
オリンパスのカメラが初めてという方、心配ありません。レンズキットがあります。
もちろんシルバーボディにもレンズキットがあります。さあ、どれにしましょう。
ホールディングがグッとよくなります。もちろん見栄えにもグッときますよ。
カバーをすれば、ボディを守ってくれるばかりでなく、よりクラシカルな装いを楽しめますよ。