「ゴープロ」をご存知でしょうか。アクティビティを楽しむ方にはお馴染みですが、GoProと言えばウェアラブルカメラの世界では事実上のスタンダード。頭や胸に装着しても違和感のない大きさで、サーフィンをはじめとするマリンスポーツや、スキー・スノーボードなどウィンタースポーツ、ロッククライミングや自転車など、多彩なシーンで高画質の写真・ムービー撮影に使われてきました。第三世代になってコンパクト&高機能になっていた "GoPro HERO3" ですが、今回更に "+" がついて、一層のアップグレードを果たしています。簡単に言えば、小さくて、画が良くて、使いやすくなっているのです。これまで「特定の人が手にするカメラ」という印象だったのですが、本モデルなら「はじめての人が手にしても面白く、楽しめる」というのが率直な感想。GoPro HEROをご存知ない方のためにその使い方と面白さを、旧モデルをお持ちの方にはアップグレードされたその実力を、お伝えしたいと思います。
( 写真・動画:Z II, A.Inden, 4 Beats, 48 / 文:48 )
いかがでしょう、この大きさです。GoPro HERO2に比べれば一回りも二回りも小さくなったボディで、HERO3+はハウジングも軽量化。その分防水性能が40m防水となりましたが、深く潜るダイバーでなければ嬉しいアップデートではないでしょうか(60m防水に対応するハウジングもオプションにラインナップされていますのでご安心ください)。インターフェイスはご覧の通りシンプル極まりなく、前面のボタンがメインスイッチ、上部の赤いボタンで録画のオン/オフです。サイドにWi-Fiのスイッチがあり、基本的にはこの3つのスイッチしかありません。電源をオンにしておき、録画のスタートとストップに上部のボタンを押す、というのが基本的な使いかた。撮るだけなら、特に難しいことはありません。
GoProには様々な場所に取り付けを可能にするマウントが用意されています。例えばこんなふうにチェストベルトで固定すれば、胸の位置から見た視点で撮影ができるわけです。この他にもヘルメットへ装着するもの、ハンドルなどのバーに固定するもの、手首につけるもの、サーフボードにつけるもの、など、多彩なオプションが用意されていますから、撮りたい形に応じたマウントを集めていけばいいでしょう。
少し厄介なのは設定変更です。実質2つのボタンで設定するわけですから、一方がメニューの移動、一方が決定、という機能しか果たせないのです。結局どうなるかと言うと、設定したい項目が出るまでボタンを何度も押し、項目を選んだら希望の設定値になるまでボタンを押して決定する。そんなプロセスになります。この設定の面倒さがGoProの弱点という印象はありました・・・が、Wi-Fiで接続してスマートフォンのアプリを使うなら、そんな悩みとはおさらば。GoPro HERO2などを使っていたユーザからすれば、この便利さは画期的です。その操作の具合をご覧いただきましょう。
液晶モニタを持たないボディですが、スマートフォンで確認できるとすればほとんど問題はありません。電源のオンオフすらアプリから操作できて、録画したムービーの確認もできる。そのスピードも高速でストレスなく、いよいよウェアラブルカメラ・アクションカメラが現実的に楽しめるレベルになってきました。これもひとえにカメラだけでなく、スマートフォンの進歩・普及があってこそですよね。Wi-FiのスピードはGoPro HERO3+になって4倍高速化されたということですから、この使い勝手を手に入れるには断然本モデルがいいですね。
楽しいですね。純粋によく写ります。日中のシーンの鮮やかさはご覧の通りですが、光量の少ないシーンで自動的にフレームレートを変更して画質を向上させる機能も搭載し、一層使い勝手がよくなりました。まずは自分に使いやすそうなマウントをいくつか揃え、深く考えずに色々なシーンを録画してみるのがおすすめ。視点をそのまま録画できることの面白さを感じていただけるはずです。
ブラックエディションは高解像度の4Kまでの撮影に対応していますが、解像度によって対応するフレームレートは異なるので、滑らかなムービーやスーパースローで撮影する場合には解像度を調整する必要が出てきます。撮りたい時間や最終的なアウトプットに合わせると、1080pあるいは720pが実際的なところでしょうか。3+になって電池の容量も増していますが、連続撮影はそれでも2時間程度が限度といったところ。たっぷり撮るにはmicroSDもバッテリも予備をお忘れなく。
子供にはどんな世界が見えているのでしょうか。2歳児の胸にGoProをつけて、そのエクストリームなアクティビティの数々を録画してみました。突然の転倒、大胆なジャンプ。好奇心に一直線な気持ちが、見ている側に伝わるムービーになったと思います。年頃のお子さまには是非GoProを。親にとっても、本人にとっても、この映像は宝物になるでしょう。
ムービーを撮るというと運動会やイベントなんていうシーンが浮かぶものですが、こんな面白いデバイスもあるのです。自分自身が身につけて、自分の視点をそのままキャプチャする。オフィシャルムービーにあるような格好いいシーンを撮影できる方は限られていると思いますが、いざカメラを回してみれば日常が面白いものに溢れていることに気づきます。胸や頭にGoProを付けたなら、あとはいつも通り楽しめばOK。子どもとの追いかけっこやキャッチボール、愛犬とのふれあい、週末のドライブ。子供の目線や猫の目線などを撮影してみるのは本当に面白いですし、なんてことのないシーンを撮ってみるのも発見があるはずです。もちろんスポーツなどをダイナミックに収めれば文句なしに格好良く、言葉で伝えにくかった感動をムービーなら簡単にシェアできるでしょう。旧モデルをお持ちの方なら、このWi-Fiの使い勝手だけでも買い替えの意味があります。より使いやすく、コンパクトになって、電池の寿命も増している。ハードに使い倒す人ほどHERO3+が活躍するはずです。
誰もがヒーローになれる、それがGoPro HEROです。さあ、何を撮りましょう。