PHOTO YODOBASHI

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SONY SAL2470Z Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM vol.1 vol.2 vol.3

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

さて待望のフルサイズ、α99が登場しました。ソニーにはCarl Zeiss銘のものもあり、なかなか魅力的なレンズラインアップ。その中でもF2.8通しの本レンズは垂涎の1本に推される方も多いことと思います。というわけで「α99」と「気になるレンズ」のマッチングを探るべく、これからしばらく試し撮りを行い、α99の使い勝手や印象も含めてお伝えしていこうと思います。

( Photography & Text : K )

絞り開放での撮影。まだカメラになれていないためマニュアル露出で撮影しています。絞り開放は若干甘め。しかし嫌な甘さではないのです。最近のレンズはセンサーが求める性能が高いため、総じて硬めで、実にシャープなものが多いのですが、開放では球面収差が少し見受けられ、これが独特の画を作り、絞ればキリっとしてくる。なんというか昔のレンズのような印象です。しかし、甘いと言っても「だらしない」という雰囲気ではありません。むしろ個性と捉えて使いたい、そんな心地よい甘さと申しましょうか。・・・このあたりはセンサー等とのマッチングもあって、α99で開放で使うと「面白いなあ」というのが率直な印象です。

こちらも絞り開放。原寸でみるとピントを置いたポイントは少しふんわり。しかしこのサイズまで縮小してしまうと、甘さは全く感じられません。むしろ若干柔らかさを感じて個人的にはこのぐらいが好みだったりします。仮に写真展を行うのにA0等まで引き伸ばしても、「甘いなあ」というよりは「柔らかい」そんな風に感じるのではないかと想像します。

1段半絞って撮影。手前の方の手の描写は実に緻密で、立体感があります。いや、よい写りですね。奥側の方の描写を見ても「ペタン」とした抜けてしまうようなボケではなく、きわめて量感のあるボケ味。どことなくギミックがそんなに入り込んでいなかった時代のレンズのようです。

ボケ味自体は大変美しく、軽すぎず重すぎず、柔らかすぎず硬すぎず。品のあるボケ味です。こちら開放での撮影ですが、選択した露出のせいもあって実に妖艶な写りですよね。しかしこの色載りは・・・ツァイスは元々コテっと色が載るほうだと思いますが、健在です。

開放で最短付近にて撮影。どんなレンズでも一番粗が出やすい領域ですが、、、う〜ん丸い描写です。このボケ味を上手く活かしてポートレートなんて痺れそうですね。α99はずいぶんとトーンに厚みがあるなあと感じましたが、このあたりのマッチングも影響しているのでしょうか。

こちらも開放・最短付近にて。いかがでしょうか。

ボケ味を見るときに、こんなカットをよく試します。ピントピークからどのようにボケが連なるのかを見るのですが、レンズによってはピント面から外れた葉の塊はうるさくなるものです。角は無い、丸さそして量感だけはある、そんなボケ味が筆者は好みなのですが、さすがにツァイスといったところ。

絞ったときにボケが硬くなるレンズもありますが、2段絞ったこのテストでも良好でした。ロケ撮影ではたいてい開放での撮影を最初のうちに徹底的に行います。レンズの個性が一番よくでる領域だと思います(一部例外はありますが)。ツァイスといえば、ハッセルブラッドなどの中判レンズや、35mmのコンタックス用レンズなどの単焦点レンズ群を思い浮かべてしまいます。なかなか男前な(?)プライスタグをぶら下げて来たレンズで、それを考えればF2.8通しでの現行標準ズームが買えるのは、ななかなそそりますよね。


さて、絞ってみましょう。F11です。α99はNEX-5nでも同じ事を感じましたが、ともかく描かれる1本のラインに雑味を感じません。このあたりが曖昧な描かれ方をするとモサっとした写りになるのですが、実にシャープかつクリアなのがα99。レンズの性能もセンサーに負けることなく、相性バッチリといった感じです。このカットの100%クロップ画像が下のカットとなります。

100%クロップ画像です。フォーカス自体は壁面で、手前の手すりは被写界深度内といった感じですが、壁面にピントを置いたことがわかります。このあたり隔世の感が。母艦のα99の描写力も大したものですが、レンズも素晴らしいですし、レンズの性能を活かし切ることができるボディ、そんな印象です。

強逆光で、”だらしないフレア・ハレーション”が出ないか試してみました。まったく出ないとこれまた味気ないのですが、出過ぎると画が白くなって、これまた使いづらいのですが、素晴らしいですね。この意地悪な状況で、これだけのクリアさが出れば個人的には合格です!

焦点距離は40mm付近。ワイド端で少し樽型、テレ端で若干糸巻き型の歪曲があります。このあたりはズームである以上避けて通れません。厳密な撮影で無い限り、個人的にはさほどきにならないかなといった印象です。

大口径単焦点レンズが「ここぞ一発!」みたいなレンズだとすれば、画角の制約が少ない高品位な標準ズームは、何と申しましょうか、幸せを味わいやすいレンズですよね。ともかく気品溢れる描写といった印象で、良い意味でそつがなく、派手さはありませんが実にしみじみと良さを感じるレンズです。α99とのマッチングもよく、余裕と余裕をかけあわせたような印象。普段使いには少々大きなレンズですが、これ1本、そしてα99と組み合わせれば、大抵の撮影で不満は無いでしょう。「ツァイスか、フルサイズか、いいよなあ」なんて方、この組み合わせで使ってみると真顔で「ほんといいんだって」なんて広めてしまいそう。編集部内で筆者が同じ事をやってしまいましたが。

( 2012.11.01 )

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標準ズーム域には魅力的な大口径単焦点などが結構ありますが、標準ズームに一番良いものを。これまさに贅沢かもしれませんね。

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画素数据え置きで数年経って出てきたフラッグシップ。想像するだけでよさそうですよね。

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