SIGMA 85mm F1.4 EX DG HSM

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

日常のあらゆる光景を一本だけで描けるという便利さでいえば、ズームレンズは単焦点の上をいきます。しかし、大口径の絞り開放F1.4は、ズームレンズでは得がたいスペック。クリアで抜けのよい撮像の中で、フォーカスアウトしたエリアが柔らかく霞んでいくようなボケ味を添えることができます。フォーカシングは当然シビアになりますが、ビシッと決まれば解像感はたっぷり。ボケとも相まって奥行きのある画に仕上げることができます。若干周辺光量が落ちる傾向はありますが、これはこれで画作りにぜひ活かして欲しいところ。もし気になるようなら絞り込めば解消します。APS-Cセンサーカメラに装着すると127.5mm相当の画角になるレンズとしても使用可能。いつかはフルサイズをとお考えの方も要チェックです。

( Photography : T.Nakanishi / Text : T.Nakanishi & KIMURAX )

F2.0での撮影です。なかなかすっきりとしてくれない空でしたが、明るいレンズは重宝します。そんなシチュエーションも絞り込む余裕があるのですから。光の届いている場所と届いていない場所との明暗さを、絶妙に写し出してくれました。

古ぼけた建物、使われていないテーブル、窓の外にある花々。わずかな光を頼りに、その場の空気感をそっと拾い上げるようなシチュエーションでこそ、大口径レンズの威力を享受することができます。

滑らかに仕上げられた木工作品の質感の良さが伝わるでしょうか。建物内での撮影ですが、こんな場面でも使い出のあるレンズです。この写りを持ちながら、そのコストパフォーマンスの高さにも注目ですね。