PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

SONY α7, SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by KIMURAX

SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art(EF/F/SAマウント)が発売されたのは2016年11月。もちろん、当時PYでもレビューをしました(キヤノンEFマウント)

そして本レンズを含む、既存のフルサイズ用単焦点Artレンズ7本をEマウント化するアナウンスがあったのは、CP+開幕直前の2018年2月のことでした。これは純粋に「Eマウント版の追加」であり、光学系に変更はありません。その意味では、従来からマウントコンバーターMC-11を介してEマウントボディに取り付けることはできましたが(EF/SAマウントの場合)、ごくわずかとは言え機能/性能上の制限があったのも事実。この「正真正銘の」Eマウント版を、諸手を挙げて歓迎したαユーザーはきっと多いはずです。

光学系に変更がないとは言え、これはれっきとした新製品。しかも、注目度も期待度もかなり高い新製品です。PYが再レビューしない理由はどこにも見当たりません。どうぞ、とくとご覧いただきたいと思います。


SONY α7, SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by KIMURAX

表情を探して

SONY α7, SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by KIMURAX

SONY α7, SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by KIMURAX

SONY α7, SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by KIMURAX

SONY α7, SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by KIMURAX

“究極のポートレート用レンズ”と銘打つ大口径レンズとあって、見た目はもちろんのことズッシリとした手応えはかなりのもの。1245gですからね。綿密に計算されたライティング環境の下、ポージングしたモデルさんをプロの視点で射抜くための確かな道具、ということがひしひしと伝わってきます。「究極」という言葉をメーカーに言わしめる本レンズのハイエンドな描写力・表現力を、我々カメラ好きの日常使いにも活かしてみたいと思い、スナップ的な撮影に連れ出してみました。梅雨がそろそろ訪れようとしている少々汗ばむ陽気の道すがら、目に留まった“草花の表情”にフォーカス。絞り開放でのその立体感に思わずゾクゾクッとしてしまいました。とても柔らかなボケ味、そこからすっと立ち上がってくるようなピント面は極薄。そして極めてシャープでクリア。いずれのカットも85cm(最短撮影距離)から90cmあたりで撮っていることもあり、それなりに絞り込んでいってもボリューミーなボケは衰えず。となると、ふとマクロっぽい画も…とさらに主役に近づきたくなる衝動に駆られるのですが、もうそれ以上寄ったらフォーカスできません(笑)。最短が短いほど便利という考えもありますが、この禁欲的な距離感というか間合いこそが、フォーカスするたびにどんどん前のめりになってしまう撮り手の気持ちを静めてくれました。AFは爆速とまではいきませんがストレスはなく、開放F1.4の魔法がかかる合焦の瞬間を見るたびに気分は盛り上がってしまうのです。(KIMURAX)


SONY α7, SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by KIMURAX

SONY α7, SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by KIMURAX

SONY α7, SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by KIMURAX

風景を撮ると考えると、そもそも85mmという焦点距離は窮屈かもしれませんね。しかし、風景の一部を潔くスパッと切り取ることで、フレームの外側に広がる“街の表情”をイメージさせてくれる画を得ることはできます。お店の様子だったり、ガラスに映り込む人の往来だったり。スマホを片手に操作する姿すらも、今時の風景と言ってもいいのではないでしょうか。そんなことを思いながら撮影していたのですが、緻密な解像力はもとより、被写体の質感表現が実に見事なのです。リアルそのもの。例えば、艶やかなガラスだったり、肌のキメだったり。写り込むそれぞれの質感を忠実に再現し、そのディテールひとつひとつを丁寧に積み上げているという印象です。(KIMURAX)


SONY α7, SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by KIMURAX

SONY α7, SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by KIMURAX

SONY α7, SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by KIMURAX

この情緒ある写り、いかがでしょうか。明治時代の旧家ですが、外からの自然光が縁側から柔らかく回り込む室内。それぞれのカットでフォーカスしているのは電球や金箔の襖、そして女性の横顔ですが、どことなく柔らかさを感じさせる写り。ゆるいということではなく、丁寧にキャプチャしつつも周りのデフォーカスエリアから目立ちすぎないとでも申しましょうか。主役を大げさに立たせるようなことのない自然な仕上がり。見たままの雰囲気を、写真的な表現で巧く再現してくれているのです。コントラストはもちろんのこと、ハイライトからシャドーへの連なりも秀逸。撮影に当たり、それぞれに主役を据えてはいるものの、そこに漂う空気までもが写っているというのは言いすぎでしょうか? こういった画を見てしまうと“空間にも表情”があるのだなとふと感じてしまうのです。やはりさすがはSIGMAのArtラインレンズ。ポートレート撮影だけに止まらない、さまざまなシーンを情緒たっぷりに切り取ることができるその底力を見せられたような気がします。(KIMURAX)


SONY α7, SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by KIMURAX

SONY α7, SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by KIMURAX

SONY α7, SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by KIMURAX

表情といえばやっぱり顔ですよね。わかりきったモチーフに辿り着くまで少々遠回りしたような気もしますが、それもすべては本レンズが紡ぎだす表現力をお見せしたいがため。さて、目は口ほどにものを言うといいますが、まさしくそのとおりで。あ、カラスのカットは、どうやら高層マンションの住人たちに何か文句を言っているようですがね(笑)。ちょっぴり退屈そうなチカラの無い目だったり、ナニ勝手に撮っとんじゃワレ? とでも言いたげな眼差しだったり。瞳にビシッとフォーカスできているからこそ、主役の心の声が聞こえてきそうな気がするのではないでしょうか。開放付近でのピント面はめちゃめちゃ薄々。再生チェックしている暇はありませんから、主役の気分が変わらないうちにじゃんじゃんシャッターを切っていきましょう。(KIMURAX)


PHOTO YODOBASHI

この弩級レンズをαのボディで使う快感

実は去る5月17日に発売された「ソニーEマウントレンズ 完全レビューブック」には、今回発表された一連のシグマ製Eマウントレンズは掲載されていません。手は尽くしたのですが、完全レビューブックの制作スケジュールとの兼ね合いで、苦渋の決断と相成りました。そのぶん、今回のレビューでは掲載点数を多くし、じっくりご覧いただけるようにしました。レンズの性能については今さら申し上げるまでもありません。ご覧いただいた通りです。

ラインナップの中でも特に大きなこのSIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Artですが、小さなαボディに装着するとこの通り、もはやアンバランスを通り越して、カッコよくさえあります。いかにも「プロフェッショナルの道具」という感じがいたしませんか? いや、道具と言うか、これはもう、兵器です。85mm迫撃砲です。ドッカーン!大地を揺るがし、空を雷鳴させるその破壊力で木っ端微塵となったあなたの理性も、下にある「カートに入れる」のボタンをそっとクリックすることで、やがて平和を取り戻すでしょう。どうかご無事で。

( 2018.05.31 )

Loading..
Loading..

ただ眺めているだけではいけません。目を瞑って、想像するのです。このレンズで写真を撮っている自分を。「こんなにきれいに撮ってくれて、わたし嬉しいわ」とお褒めの言葉をいただく瞬間を。イマジンですよ。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

このレンズには、保護フィルターもこのぐらいのものを奢りたいですな。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

手にとってページをめくる喜び。こちらは紙版(電子書籍版も無料セット)。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

いつでもどこでも、お好きな時に。こちらは電子書籍版。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..