PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

SONY RX100 III / SHOOTING REPORT vol.1 vol.2

ソニーのRX100がいよいよ3世代目になりました。「写りが良くて使いやすいコンパクトカメラ」という極めてシンプルで難しい要求に応え、手にしたユーザからも高い評価を得てきたシリーズです。大きな変化は、ワイド端が広くなったカールツァイス バリオ・ゾナー T* レンズと有機ELビューファインダーの搭載。細かなアップグレードも多々ありますが、いずれもより良く「写真を撮る」ための進化であり、本機が一層実戦的なカメラとして磨き上げられていることを示しています。特にこのサイズにEVFを収めたというのは流石の一言。ビューファインダーを通して被写体と対峙することの意義は、長く写真撮影に取り組んでいる方ならきっと体感されていることでしょう。小さくとも本気で使える1台、しっかりレポートいたします。

( Photography : Z II / Text : 48 )

評判のよかったレンズ性能は、より使いやすく、上質に。

9群10枚のうち9枚が非球面レンズという強烈なレンズ構成。フルサイズ換算で24-72mm相当の3倍ズームレンズは、これまでのモデルに比べてズーム比こそ小さくなりましたが、ワイド端が4mm広がってF1.8-2.8と全域で明るくなりました(RX100/RX100M2は28-100mm相当 F1.8-4.9)。 使い勝手はいわゆる大口径標準ズームであり、定評のある裏面照射型1インチCMOSセンサーと最新の画像処理エンジンを搭載して、画質はこのカテゴリ随一。-3段分相当のNDフィルターを内蔵し、日中でも絞りを大きく開けられるというのもにくい演出です。

わずかな差ではありますが、ワイド端が広がったのは嬉しいポイント。望遠側はクロップして画作りできないことはありませんが、広角側はレンズ次第なのです。シャープな描写は変わらず、伸びやかな撮影ができるようになりました。

チルトアップ可能な液晶パネルにより、ローアングルでの撮影はお手のもの。パネルは180度まで回転しますから、手を伸ばしての自分撮りももちろんできます。加えて、今回初めて内蔵されたポップアップ式の有機ELビューファインダーを用いれば撮影により没入できることでしょう。EVFの倍率はこれまでの別付けのタイプに比べれば小さくなりましたが、コンパクトなボディに内蔵された利便性の高さはこれまでにないもの。Carl ZeissのT*コーティングはファインダーにも施されています。

テレ端は少し短くなったのですが、実際にはあまり不便を感じることはないと思います。ズームが長い分だけぐっと被写体を引き寄せて切り取りたくなるのですが、長いほど手ブレのリスクも上がり、結果的にはうまく撮れなかったりするものです。

通常ならば2〜3段絞って撮るシチュエーションですが、敢えて開放で撮影。こちらはワイド端・F1.8の開放の撮影ですが、画面隅々まで破綻なくしっかりと描かれ、実に気持ちのよい描写ですね。


Carl Zeiss T*コーティングですから、こってりとした色乗りは期待通り。露出を少しだけ切り詰めてあげると、鮮やで厚みある色が現れます。

ワイド端での5cmという最短撮影距離はそのままに、テレ端での最短撮影距離が55cmから30cmへとぐっと寄れるようになりました。開放もF2.8と大口径になっていますから、これまで以上にテーブルフォトが撮りやすくなっています。早くも暑い日が続いていますから、瑞々しいこんな一コマを撮影して、NFCやWi-Fiでスマートフォンへ。現代らしい写真の楽しみ方ですよね。

テレ端・開放・最短付近で写せば、これだけクローズアップして撮影ができます。さすがに描写にはクセも出てくるのですが、使い勝手はぐっと良くなった印象です。日常でふと撮りたいものって、寄りたいことが多いものです。


日没後のマジックタイム。三脚を据えてじっくりと撮ってみました。低照度下の厳しい条件ですが、淡く美しい空のトーンがよく再現されています。また右手前の船から遠景まで実にシャープに描かれています。

高感度にも強いカメラなのですが、レンズが明るいこともあって無理に感度を上げなくても大丈夫。アンダー目のシーンでは特にこのカメラの良さが出てくると感じます。ボケ具合も自然で、いい雰囲気だと思いませんか?


写真を撮るための機能がしっかり詰まった、コンパクトカメラの決定版

ボディは少し厚みを増しましたが、歴代のボディと変わらぬ大きさに機能が凝縮され、モノとしての魅力に溢れています。「T*」の刻印も誇らしいEVFは、決して大きなものではありませんが見えも良く、写真趣味の方には歓迎されるデバイスでしょう。サイドのスイッチでポップアップしてから接眼部を手前に引き出すというツーアクションが必要ですが、慣れると自然な動きになります。EVFをしまうと同時に電源がオフになり、EVFの出し入れで撮影気分もスタンバイという、なんだか気持ちを高ぶらせてくれるギミックです。特にフラッシュ・EVFを閉じたとき、カメラの上部がまっすぐに収まるフォルムが美しいですね。このあたり「わかっている」と思います。

さて様々な選択肢があるレンズ交換式に比べると、実は選択肢が限られてくるのがハイエンドコンパクトのカテゴリです。大きいカメラでは持ち歩けない人にはメインカメラとなりうる使い勝手の良さ・高画質が求められますし、サブカメラを探している方にはスマートフォンで事足りるような半端なモデルは必要ありません。RX100M3はその画質はもちろんのこと、使い勝手やスマートなデザインも含めて実質的にこのカテゴリをリードする1台に成長しました。初代をお持ちの方が買い替えを考えるのも尤もな進化を果たしていますし、従来機に興味を持っていた方がいよいよ手を出すとしても十分な説得力を持っています。

カメラを持っていなければ写真は撮れない。では持ち歩くことができて、あなたの期待に応えることのできるカメラはどんな製品でしょうか。
RX100M3がポケットに入っている日々を、想像してください。

( 2014.06.01 )

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RX100シリーズも3世代目となり完成度も一段と高まりました。本体の大きさはほぼそのままにEVFを内蔵。ワイド側がフルサイズ換算24mm相当へ広がり、テレ端も開放F2.8と大幅にスペックアップ。もうこれはソニーマジックが詰め込まれた玉手箱です。

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弾力性のあるウレタン製のグリップ。純正ですからボディにもしっかりフィット。バリバリ撮影したい方の必須アクセサリーです。

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純正ケースは黒と茶の2色展開。既にRX100シリーズをお持ちの方は、そのままお使いいただけます。

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こちらはよりエレガントな印象の茶色のケース。ストラップも同色です。

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付属のバッテリーはUSBケーブルを用いて本体充電が行えますが、スペアバッテリーをお持ちの場合は充電器もあると何かと便利です。こちらは充電器とバッテリーのセット、旅の前にお忘れなく。

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セミハードタイプの液晶プロテクター。純正ですからサイズぴったり。大切な液晶もしっかりガードしましょう。

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