PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

SONY RX0 / SHOOTING REPORT

新しいスタイルのデジタルカメラが登場しました。その名も「Cyber-shot DSC-RX0」。ソニーのハイエンドコンパクトカメラのブランド、“RXシリーズ”の新しいモデルです。高い人気のRX100 Mark Vや先日登場しましたRX10 Mark IVと同様に、メモリーを内蔵した1型の積層型のExmor RS CMOSセンサーを搭載し、16コマ/秒の連写に1/32000秒までのアンチディストーションシャッター、960fpsでのハイスピード動画など、ソニーが放つデジタルカメラのトレンドをしっかりと踏襲しています。つまりRX0とは、最新のRX100M5やRX10M4と同じ1型の大型センサーと映像エンジン「BIONZ X」を、まるでミニチュアのような極めてコンパクトなボディにぎゅっと詰め込んだカメラということ。絶好調のソニー、冒険してます、攻めてます。

RX0の大きさやボディ形状がGoProに似ているということもあり、初めて目にした時は「新しいアクションカム?」とも思いましたが、ソニー曰く「アクションカメラではない」とのこと。確かにアクションカムほどの超広角レンズや手ブレ補正機能は採用していません。しかし、小型ながらも安定感のあるボディ形状や防水性能・落下耐性を有し、動画撮影はフルHD、HDMIケーブルを介して外部レコーダーを使えば4Kにも対応していますから、激しい動きの中での撮影はできないものの、アウトドアフィールドで活躍する仕様はアクションカムにも共通しているといえます。加えてこのカメラならではの特長は、画質をアクションカメラとは別次元にまで高めているところ。写っていればいいのはなく、しっかり写すことが目的のカメラと言えばいいでしょうか。

メーカーサイトによれば、複数のRX0をリンクさせるなど業務レベルでの特殊な撮影にも使えるとのことですが、今回のレビューでは、フィールドに持ち出して画質重視で使える動画カメラとしての実力と、フォトヨドバシらしく写真機としての実力を探るべく、二部構成にて作例をご覧いただければと思います。


SONY Cyber-shot DSC-RX0, 1/50, F4, ISO 200, Photo by TAK

見せてもらおうか、スチルカメラとしての描写力を。

SONY Cyber-shot DSC-RX0, 1/1000, F4, ISO 125, Photo by TAK

SONY Cyber-shot DSC-RX0, 1/125, F4, ISO 125, Photo by TAK

SONY Cyber-shot DSC-RX0, 1/50, F4, ISO 3200, Photo by TAK

SONY Cyber-shot DSC-RX0, 1/160, F4, ISO 125, Photo by TAK

SONY Cyber-shot DSC-RX0, 1/2500, F4, ISO 125, Photo by TAK

あの「RX画質」がポケットに。

まず、スチルカメラとしてどれだけ写るのか。有効画素数で言えば1型センサーの約3/4を使用してのアウトプットになるわけですが、それでも1/2.3型や1/1.7型センサーなどを搭載した一般的なコンパクトデジタルカメラや高画質が売りのアクションカメラよりも数段上の高画質が手に入ります。出来上がりを見た瞬間「あ、これはRXの絵だ」と素直に納得させられましたし、RX100シリーズと比べても遜色なく感じました。もしかしたらRX100以上にキレを感じさせる単焦点レンズが、有効画素数的に下回る部分を補ってくれているのかもしれません。

ボケも寄ればなかなかのものが得られますし、引けば開放からパンフォーカスのように目の前の光景をシャープに切り取ることができます。ディストーションの少なさも嬉しいポイント。広角で直線が直線に写るというのはやはり気持ちがいいですものね。色やトーンの再現力や高感度耐性も、この小さなボディからは想像もつかないほどの堂々のRXクオリティで、自信を持って作品作りに没頭できます。

ということで、このRX0、立派な一台の高画質スチルカメラであることが分かりました。ちょっとしたポケットに何個も入るほど小さなカメラなのに、なんという痛快さでしょう。(TAK)


SONY Cyber-shot DSC-RX0, 1/200, F4, ISO 125, Photo by TAK

使い勝手、防水性能、動画を試す

SONY Cyber-shot DSC-RX0, 1/50, F4, ISO 1000, Photo by TAK

撮影者の果てしなき宿願を受け止めた小さな器。

使い勝手に関しては、なにせこのサイズなので持ちにくそうに見えたのですが、上底面、側面を取り囲む溝加工(これがまたカッコいい!)のおかげで滑りにくくなっています。またアルミ削り出しのボディは良い意味でずっしりした塊感があるので安心して保持できます。防水性能もご覧の通り。水深10m以内であれば単体でも躊躇せず被写体を追うことができます。暗い水中でも高感度耐性が高いのでノイズがうるさくなることはありません。感心したのは水中から上げた後も前面ガラスが曇らず、ボディ全体から水がサッと落ちてくれることです。撥水性が高いのでしょうね。

動画撮影に関して。手ブレ補正非搭載、4Kも単体では撮れないというところはサイズや発熱などを考慮してのことでしょう。とはいえ、やはり大型センサーの恩恵でしょうか、フルHDでも十分すぎるほどの高画質動画が手に入ります。トーンに厚みを感じますし、なによりリアルです。これなら外付けレコーダーをつないで4Kの絵も見てみたいですね。広角なこともあり手持ちでもブレが気になることはありませんでした。最大で秒間960コマのハイフレームレート撮影も実に面白い(フレームレートが上がると画素補間による出力となりますので、多少のザラザラ感は出ます)。 撮影後の処理が終わるまで少し待ちますが、十分許容範囲の処理速度だと思います。ただし動画主体の撮影では電池の消耗が速いので、予備の電池は必須です。

最後に触れておきたいのが音の良さ。前面に配されたステレオマイクを見れば、音響製品や社内レコードレーベルを持つソニーがどれほど音にも気を配っているかが分かります。輪郭がありながらも量感も豊かなサウンドとでもいいましょうか。とにかくこの手のカメラにありがちな音の安っぽさは皆無です。こういったところまで含めて、「It’s a SONY」なのでしょうね。(TAK)


  • PHOTO YODOBASHIフルサイズ換算24mm相当、F4固定となるZEISSレンズは、ディストーションがしっかりと抑えられているので、シンメトリカルな構図も思いのまま。石畳などのしっとり感の表現力もRXの名に恥じないものになっています。見かけからは想像もつかないほど、ちゃんと「表現」ができるカメラです。
  • PHOTO YODOBASHI幅の狭いテーブルでしたが、少し引いたらピントが合いました。「50cm」と聞くと確かに長く感じるのですが、意外に寄れるものだなと。ミックスジュースが飲みたくなってふらっと入った喫茶店ですが、女性に大変人気があるようで、男性客は私一人でした。そんな中でも「撮ってます」感を出さずに撮れたのはRX0のおかげです。
  • PHOTO YODOBASHIISO 800での質感表現です。もう「ご立派」というよりほかありません。ハイエストライトの飛び方にも品があります。
  • PHOTO YODOBASHI自撮り棒を使うと視点が上がり、見慣れた光景もちょっと違って見えます。真上に手をピンと伸ばしても、カメラ自体が軽いのでブレずに撮ることができました。

(サムネイル画像のクリックで大きな画像をご覧いただけます)


PHOTO YODOBASHI

カメラの可能性を広げてくれる、これは小さな玉手箱。

いかがでしょうか。今回の作例画像はすべてJPEG撮って出しとなりますが、1型センサーだけにコンパクトカメラの画像と比べても画に余裕を感じますね。また、扱いやすい画角のZEISS銘の単焦点レンズはヌケがよく、「この画質がこの大きさに入ってしまうのか」とスペックをわかっていても驚かされます。同じ1型センサーを搭載しながらも、RX0はRX100やRX10とはまったく異なるコンセプトのカメラ。それぞれの棲み分けもしっかりできていて、「ソニーは実におもしろい横展開をしてくれるなあ」と改めて感心しました。

以前ソニーから「レンズスタイルカメラ(QX)」というカメラが出ていたのをご存知でしょうか。カメラのコントロールは連携したスマートフォンから行うという、まったく新しい撮影スタイルを提案してくれましたが、さっと撮りたい場合にもスマートフォンと接続しないことにはフレーミングができないこともあり、少々煩わしさがありました。RX0ではその点を踏まえ、天地のわかりやすい箱形デザインにフレーミングで悩まない広角単焦点レンズを組み合わせ、本体単独でも撮影可能なよう、極小ながらも背面モニターを装備しています。しかもメニューのユーザーインターフェイスははRXシリーズやαシリーズと共通になっていますから、ソニーのカメラユーザーの方なら扱いも難しくないでしょう。

RX0はご覧の通り35mmフィルムの紙箱とほぼ同じ大きさ。このサイズですから、カメラ単独でも様々な持ち方ができますし、自撮り棒やハンドグリップ、ジンバルなどと組み合わせてみるのも面白いですね。ソニーからも様々なアクセサリーが用意されていますが、それ以外にもサードパーティーからこのカメラを遊び尽くすアクセサリーがいろいろと出てくることを期待しましょう。夢が広がる新しいコンセプトのデジタルカメラ、あなたならどう遊びますか?

( 2017.10.29 )

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ソニーの技術の結晶である高画質、そして防水性と堅牢性の両方を備えた超小型ボディ。まさに新しいコンパクトデジタルカメラです。雨天、水中、そして狭い場所など、本当にあらゆるシーンでの撮影ができ、撮り手の創造力を刺激する一台です。

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フィルターを装着する際には、こちらのアダプターをどうぞ。φ30.5mmの汎用フィルターが装着可能。付属のフードが角形で実にかっこいいです。

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RX0に合わせた新しいバッテリー、タイプJです。薄型で軽量ですから携行にも便利。フィールドでの使用を想定している方は、ぜひ予備バッテリーをお持ちください。フル充電で連続動画撮影約60分、静止画撮影なら240枚の撮影が可能です。

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予備バッテリーの充電には、専用のバッテリーチャージャーがあると重宝します。こちらは、新しいタイプJのバッテリーと、バッテリーチャージャーのキット。約120分でフル充電が可能です。

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水深約100mまで撮影が可能な防水性能を持つ、RX0の専用ハウジングです。水中での撮影ではかなり自由度が高まります。φ55mmの汎用フィルター、水中ビデオライトも装着が可能で、装着したままカメラのボタン操作ができます。

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カメラ本体の設置、およびアクセサリー拡張のためのRX0専用ケージです。上下左右に35個のネジ穴があり、さまざまなアクセサリーを装着可能。また、ケージを装着したままカメラ本体の各ボタン、メディアスロットにアクセスできます。

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RX0専用ケージとの併用も可能なケーブルプロテクターは、HDMI、マイクロUSBのケーブル脱落を防ぐ、地味に見えてとても重宝するアクセサリーです。汎用の三脚ネジ穴も装着できます。

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軽くて丈夫、耐水性も高いスグレモノで、カメラに取り付けたまま水中に突っ込む撮影なども自由自在。縮めた状態ではシューティンググリップのようにも使えますし、最大長にして腕をひょいと伸ばせば高さ3m付近からの撮影もできます。

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