PHOTO YODOBASHI

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SIGMA fp, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden

SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary

シグマIシリーズに7本目となる20mmF2のレンズが登場しました。Iシリーズは切削アルミニウムの外装をまとい、そのひんやりとした金属の質感、カチカチとした絞りリングの操作感と撮るだけではなく所有する喜びも感じられるコンパクトなシリーズ。単焦点の広角域は24mmまででしたが、ついに20mmの超広角ゾーンへとさらに一歩踏み込んだ形です。開放F値はF2と明るく、様々な用途で活躍することは容易に推察できます。具体的には歪みを抑えた描写で、スナップ撮影、建築、ポートレートなど幅広い撮影において、超広角ならではのダイナミックな表現が楽しめます。fpとの組み合わせで35mm判フルサイズの超ワイドな世界をお楽しみください。

( Photography & Text : A.Inden )

SIGMA fp, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden

開放で遠景を撮影。Iシリーズは開放からシャープな描写で定評がありますが、本レンズも手前の木々から奥の街並みまで細やかに描かれています。少し下にカメラを振って撮影していますが、極端な歪曲は感じられません。

SIGMA fp, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden

F5.6まで絞りフレームに入る梅の古木すべてにピントを合わせています。超広角は被写界深度を考えながら少し絞るだけでパンフォーカスの効果が得られます。少しコントラスト高めの描写が風雨にさらされた枝のフォルムをうまく強調して、独自の世界観を見せてくれました。

SIGMA fp, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden

F2の明るい開放値は、ボケ味も楽しむことができます。 開放で一番手前の枝にピントを合わせファインダーで背景の枝のボケ具合を確認しながらの撮影。複雑で細い枝を背景に選んだため、周辺で若干二線ボケの傾向も見られますが、ボケそのものにざわつきはなく素直ではないでしょうか。

SIGMA fp, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden

色飽和が起きやすい黄色い花の撮影ですが、細かな花のディテールもしっかり残っています。カメラ任せの撮って出しJPEGですが、ディテールの再現のために全体の彩度・コントラストを犠牲にすることもなく、しっかりと色が乗った気持ちのいい一枚に仕上がりました。

SIGMA fp, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden

水面に浮かんでる葉ボタンの質量が感じられる見事な水の表現ですね。もちろん湿気を感じさせる質感描写も素晴らしいのですが、葉の輪郭と接する水面の表情にゾクっとしてしまいます。

SIGMA fp, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden


最短撮影距離22cm付近で開放撮影。ここまで寄ると超広角感は消え素直な描写に感じられます。背景も十分にボケており、おみくじがクリアに浮き出しています。逆光で少しオーバーに撮影すると全体に柔らかな調子になってくるようです。

SIGMA fp, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden

後処理での補正が難しいサジタルコマフレアの抑制に注力したレンズ設計とあって、点光源の再現も良好です。

SIGMA fp, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden

逆光ですが葉の濃淡がきちっと描き分けられておりシャープでクリアな描写です。スーパーマルチレイヤーコートとナノポーラスコーティング(NPC)を採用した優れた逆光耐性により、フレアやゴーストはかなり抑制されているようです。

SIGMA fp, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden

画面中央付近で水面に反射している太陽を入れて狙ってみました。周りが黒くシンプルな被写体なのでフレアやゴーストがわかりやすい条件ですが、まったく出ていませんし、色の滲みも感じられません。画面上にある水平線は真っ直ぐに描かれていて気持ちいいですね。

SIGMA fp, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden

背面液晶の水準器で水平垂直を出して手持ちで撮影。狭い室内、障子の背景と直線の歪みが現れやすい条件ですが、fpとの組み合わせでほとんど歪曲は感じられない素直な線が描かれています。カメラ内補正を前提にした光学設計でコンパクトなレンズもここまで進化してきました。

SIGMA fp, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary, Photo by A.Inden


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超広角域20mmに突入したIシリーズ

Iシリーズの一本目「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」がfpと同時に発売されたのが約2年半前。そのコンパクトな佇まいのレンズは切削アルミニウムで作られ「ここまでやるの」と思うぐらい細部まで凝った作りをしていました。そしてその写りはミラーレス専用設計で開放からシャープ、収差もしっかりと抑制されていました。そして今回の「20mm F2 DG DN | Contemporary」が加入したことで、20mmから90mmまで細かな刻みの焦点距離でレンズが揃ったことになります。Iシリーズを何本か試写しましたが、全てのレンズの描写傾向は同じでした。シリーズでレンズを揃える場合、デザインが同じであることはもちろんですが、写りの統一感も必要です。さすがはシグマ。もちろん新しく発売された本レンズの写りも作例通り、収差が抑えられ、適度なコントラストがありシャープです。開放F2から超広角独特の世界観を安心して楽しむことができました。

写真を楽しむこと、もちろんいい写真を撮ることが大事だとは思いますが、気に入った機材を揃えて眺めてみたり、精巧な機械を扱う所作を楽しんでみたりと撮影に出かけるだけではないんだなと、Iシリーズを使ってみて改めて感じました。カメラケースを開けると、気に入ったカメラとレンズが並んでいる、それだけで微笑んでしまう。手に入れやすい価格のIシリーズであればこそ、すぐに実現できてしまいそうですね。

( 2022.02.25 )

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開放値F2のコンパクトな超広角レンズ。歪みを抑えた高性能な描写で、日常使いの一本に名乗りを上げました。

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超広角の浅いレンズフードが不安な方、このフィルターをつければ安心です。

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ウレタンを外して、気に入った機材を綺麗に収める。まず中型ケースぐらいから機材集めをスタートしてみてはいかがでしょうか。

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