smc PENTAX-FA645 200mmF4[IF]

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

645D への装着で35フルサイズ換算すると157mm、645フィルムカメラの場合は124.2mm相当の画角になります。広角や望遠レンズと比べれば確かに出番は控えめになるかもしれませんが、人物から風景までこなすにはもってこいの中望遠域のレンズですからぜひ押さえておきたいところ。ペンタックスらしい柔らかい描写が持ち味ですので、人物撮影にはうってつけです。撮影に使用した645Dボディの感度は通常ISO200～1000となっていますが、拡張設定をすればISO100～1600まで利用できるので、画質優先あるいはシャッタースピードを稼ぎたいときもあるでしょうから、予め設定しておくといいでしょう。

( Photography : M.Ito / Text : KIMURAX )

ちょっと意地悪な高コントラストなシーンでの撮影ですが、ハイライト、シャドー共にバランスよく描写。絞り開放ながら、画面中央のアルミホイールのエッジのキズまでしっかりと解像しているのがわかります。

柔らかい描写が持ち味のレンズだからといっても、決してユルイわけではありません。絞ればこのとおり。細やかさはもとより、陰影までも大変上手く表現しています。

前後共に、とろけるようなボケ味を添えることができます。

大人用の机は高いけど、かえって視線が地面（机面）に近くなるから、迫力のローアングルで楽しんでいるのでしょうか？絞り開放での前後の柔らかなボケ味が、優しく見守る眼差しを彷彿させます。髪の毛1本1本までをしっかりと捉えながらも、柔らかさのあるフォーカス部の描写がしっくりときています。

夜露に濡れては日中の乾燥した空気にさらされるという日々。落ちてから日の長い葉の表面にはうっすらと白い粉が噴いていました。土に返る時をひそかに待っている佇まいを写し込むには、このような開放での描写がしっくりときますよね。カラカラの葉表と、その裏側にこもった湿気までも伝わってくるようです。