PENTAX 02 STANDARD ZOOM

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

フルサイズ換算27.5-83mm相当の画角になる、ペンタックスQシリーズ向け標準ズーム。正直、解像力に関しては、さすがに短焦点の01には負けますが、広角から中望遠域をカバーするフレキシブルさを考慮すれば、十分な仕事をしてくれます。色乗りやコントラスト、ハイライトとシャドーが混在するシーンにおいても、いずれもしっかりと粘るあたりはなかなか優秀。特殊低分散非球面レンズや異常低分散非球面レンズなどの特殊光学ガラスを使っているだけのことはあります。周辺光量落ちも絞り開放からほとんど感じられません。しいて言えば、広角側で樽型の歪曲がかなり強くなりますが、被写体次第では迫力感のある画に仕立てることができますので、この歪みを活用しない手はないでしょう。とはいえ総じてよく写り、使い勝手にも富んでいるレンズですので、出番が多くなること必至の1本です。

( Photography : T.Yuzawa & S.Zets / Text : KIMURAX )

絞り開放から中央の画質は、なかなか良好。ワイド端です。発色も鮮やかで、水分をたっぷりと含んだ枯葉の質感と、幾重にも重なり合った立体感がよく出ています。

高感度にシフトしていますが、ハイライトとシャドーの描き込みもバランスがとれています。湿気を含んだ、ひんやりとした空気が伝わってくるようです。

テレ端で船の窓掃除の様子をパシャリ。一服している女性のガラス越しの描写もしっかりとしています。一番上の壁面の縁に見られる赤錆のにじみ具合もおろそかにせず、丁寧に描き込んでいるのがわかります。

続いてテレ端にて開放してみました。ピントピークで捉えた柄杓の木目の解像感は正直今一歩という感じではありますが、天然木自体の持つやわらかい風合いはきちんと伝わってきます。