Panasonic LUMIX DMC-GM1K / SHOOTING REPORT

着々と高性能化、高画質化を遂げていく昨今のデジタルカメラ。そんな状況においてひときわ元気があるのが、ミラーレス一眼のカテゴリです。さまざまなタイプの機種が登場してカメラ好きにとっては話題に事欠きませんが、パナソニックからも特筆に値するカメラがリリースされます。レンズ交換式のミラーレス一眼にして、コンパクトカメラ並みの小さなボディという「LUMIX DMC-GM1K」です。同社のハイスペックコンパクト LUMIX DMC-LF1と本機のボディを比較してみると、わずかに厚みが増す以外は本機の方が一回り小さいのですから、本当に驚きました。現時点のレンズ交換式デジタルカメラのボディとしては世界最小とのこと。マイクロフォーサーズというフォーマットをこれほどコンパクトなボディで実現した設計の苦労は想像に難くなく、その技術力には恐れ入るばかりです。そのミニマムなボディはカラーバリエーションも4色。女性の手にも似合いそうなオレンジやホワイトもラインナップされており、幅広いニーズに応えてくれるでしょう。「カメラ女子」ばかりでなく、コンパクトカメラの代わりをお考えの方にも、気になる存在となること必至です。

( Photography : A.Inden & 4Beats & 48 / Text : 4Beats )

結婚式となるとできるだけ一眼レフでキレイに撮ってあげたいと思うもの。だけど一張羅？のスーツやドレスに大きなカメラや交換レンズなどを肩から下げての参列は、ちょっと躊躇われますよね。本機ならセカンドバッグに入ってしまう極小サイズですから、気にすることはありません。しかも電子シャッターで動作する「サイレントモード」を搭載しているので、息をもひそめる様な厳かなシーンでも遠慮なくシャッターを切ることが可能。無音なのでシャッターチャンスを逃しません。
ちなみにこのカット、ISO 1250での撮影です。高感度とは思えないくらいに白い花のトーンや、式場の雰囲気を見事に捉えていると思いませんか。

一転して暗いカットです。こちらは感度を上げずに ISO 200 のまま、-3EVの補正をしての撮影。少ない光の下、ほとんどを黒の僅かな明暗差で描くという過酷な条件です。嫌なノイズも一切無く、十字架の立体感や暗がりに溶け込んでいく様子などを易々と写し撮ってくれました。何せ、先頃（2013年9月）発売され、その画質や機能面で高い評価を得た DMC-GX7 のセンサーやエンジンをそのまま搭載したというのですから心強いですね。

窓越しに降り注ぐ光を、カーテンが優しい光に替えて室内に届けてくれました。ハイライトからシャドウまで、柔らかな光をありのままに捉えていて、階調の豊かさがよく判るカットです。また、カーテンの生地も子細に描写しており、解像度の良さも伝わってきます。

自転車を押す少年を真逆光で、という先ほどよりさらにハイコントラストなカット。空のトーンも破綻することなく、さらにはシルエットになった少年や自転車の中にも階調や色が残っており、兄貴分となるGX7の描写を受け継いだだけのことはあると納得させられます。

すごい商品数ですね（笑）。元画像を拡大してみると一つ一つの商品がよく分かります。ほとんどはビニールがかかっているのですが、それでも質感の違いがしっかりと感じられます。

シロップをたっぷりと吸い込んだパンケーキが、、、おいしそうです。せっかくのおいしい場面、すかさずスマホで撮ってSNSにシェア、、、ではありません。本機は Wi-Fi も内蔵しているのでSNSへのアップロードも手軽に行えるのです。高画質なカメラで撮ったキレイな写真を簡単にシェアできるなんて、嬉しくなりますね。それにしても、バナナも、振りかけられた砂糖も、そしてフォークや皿の質感までも見事に捉えていますね。カメラの性能は基より、同時に開発された小型のズームレンズ、LUMIX G VARIO 12-32mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. の素性の良さが窺えます。

ワンちゃんのお散歩に併走？させてもらいました。AFを含め、高速なレスポンスを謳う本機ですが、いかがでしょう。F8まで絞っていますが、奥へとなだらかにボケていく中でしっかりとワンちゃんにピントが来ており、柔らかな毛並みをしっかりと描写しています。

さて、結婚式のカットも高感度でしたが、さらなる高感度撮影も観てみたいですよね。ISO3200で夜景を抑えてみました。言うこと無し、十分すぎる写りです。ボディの小ささから考えると本当にビックリさせられます。

毎日、どこにでも持ち歩ける一眼

いかにセンサーの大きなカメラの画質が良いとしても、日常的に持ち歩こうと考えると現実的ではない。そんな方々も多いのではないでしょうか。特に女性にとっては、普段のファッションに違和感のないレンズ交換式のカメラというものはなかなか見つからなかったと思います。せっかく手にしたとしても、カメラをぶら下げるのはお休みの日だけ。日常を写真に収めようとすれば結局コンパクトカメラか携帯電話のカメラになる、なんていうのが実際だったはずです。

本機「DMC-GM1K」は、そんなお悩みを一気に解決してくれるカメラになるでしょう。コンパクトカメラのように持ち歩ける小さなボディに、デジタル一眼の高画質。マグネシウム合金のボディやアルミ削り出しのダイヤルなど質感も良く、大人が手にして格好のつくモノに仕上がっています。キュートでポップな印象のオレンジ／ホワイト、クラシックな印象のシルバー／ブラックというカラーも、性別を問わず使える悩ましいラインナップ。いかがでしょう、女性はもちろんスーツスタイルの男性でも、このカメラなら普段から持ち歩けるのではないでしょうか。もちろんこれだけ小さいということもあって、操作の面では少し扱いづらい部分もあります。例えば背面のダイヤルを回転させていると指がボタンを押してしまい、露出補正のつもりがホワイトバランス調整になってしまう、といったことがしばしばありました。このあたりはメーカーも承知しているのか、ファンクションボタンやタッチパネル操作をカスタマイズ可能にしており、撮影者に合わせて使いやすく調整してもらおうという意図が伺えます。とはいえ操作感を求めてしまうと物理的にこのサイズには収まりませんから、この小ささを享受するというのが正解でしょう。

まとめましょう。本当に小さいカメラです。それでいてこの画質です。マイクロフォーサーズ規格のボディですから、レンズ交換もできます。持ち運びが苦にならないとなれば、いつどんなシチュエーションに出会ってもいいように鞄に入れておけますよね。突然キレイな夕焼けに出会っても、かわいらしいスイーツを目の前にしても、いつだって綺麗な写真に残すことができる。スマートフォンとの連携も簡単だから、見せたい人にすぐに伝えられる。この小さくてかさばらないミラーレス一眼は、写真を通して日常をいっそう豊かなものにしてくれるでしょう。欲しかったのは、こんなカメラではありませんか？