PHOTO YODOBASHI

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Nikon D800E, TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (A012), 1/500, F8, ISO 100, Photo by Z II

TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD Model A012

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

35mm判フルサイズ対応で開放F2.8、いわゆる大三元の広角ズームレンズとなる、SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD。単焦点に劣らない解像力や全域での高い描写力が得られる本レンズを、タムロンは新しく製造技術を確立した大口径ガラスモールド両面非球面レンズと、複数のLD(異常低分散)レンズを併せて用いることで実現させました。また定評のある手振れ補正機構を広角の本レンズに最適化して搭載、そして最新のコーティングや防滴構造の採用等々、タムロンの技術力やアイディアが惜しげもなく投入されたレンズとなっています。さてさて一体どんな写りをするのでしょうか。気になりますよね。

( Photography : Z II / Text : 4beats )

Nikon D800E, TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (A012), 1/400, F2.8, ISO 100, Photo by Z II

夕暮れ時の柔らかな光に包まれた港の雰囲気を丸ごと取り込んでくれたような、よく言うところの空気感とか湿度といったものまでが伝わってくるような写りです。シャドウ部からのトーンの立ち上がり方などは見入ってしまうくらいに絶妙です。ほぼテレ端・絞り開放、浅くなった被写界深度の中で浮き立つように描かれたボートの立体感も素晴らしいと思いませんか。

Nikon D800E, TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (A012), 1/640, F5.6, ISO 100, Photo by Z II

一転して陽の高い時間に。ワイド端・F5.6でのカットです。刺さるような日差しと夏そのもとといった空をそのままに描写しており、ハイライト側のトーンも優秀なことがわかります。また2段絞っていることもありますが、これだけの逆光でもなんら悪影響が見受けられません。ヌケの良さも含め、タムロンのeBANDコーティングやBBARコーティングの賜物とも言えるでしょう。幾本もの細いワイヤーの表現力からは、解像力の高さも伺えます。

Nikon D800E, TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (A012), 1/1000, F3.5, ISO 100, Photo by Z II

15mm・対角110度の画角でも、開放付近の絞りと被写体からの距離との組み合わせでボケを活かした撮影が可能となります。ちなみに最短撮影距離はズーム全域で28cmですからいろいろと遊べそうですね。


Nikon D800E, TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (A012), 1/640, F5.6, ISO 400, Photo by Z II

冒頭のカットをご覧いただくとわかりますが、ワイド側では若干歪曲が見受けられます。一方こちらのビルのカットはテレ端、気になるほどの歪曲はありません。ズームの位置で変化するようですので、被写体に応じて巧く撮り分けるといいようです。

Nikon D800E, TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (A012), 1/160, F2.8, ISO 100, Photo by Z II

このマネキンのような単色の被写体も表情豊かに描けるのは、ハイライトからシャドウまでのトーンの豊かさがあればこそ。

Nikon D800E, TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (A012), 1/1600, F3.5, ISO 100, Photo by Z II

Nikon D800E, TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD (A012), 1/40, F2.8, ISO 100, Photo by Z II


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広角を楽しむための最良のズーム

視覚で認識している空間をほとんどそのまま一画面に収めることができるのが30mm前後の画角。パースを活かしたり、ちょっと広めのスナップや、まっすぐに見たままを捉えてみたりと使い方はいろいろ。一方20mm代も半ばより短い焦点距離ともなると見えている光景よりも広い世界を捉えることができるようになります。パース感はより強調され、前後の対比を利用したり広々とした景色を凝縮したりと、目の前の光景が迫力のシーン様変わりすることもしばしば。そして開放がF2.8ともなると被写界深度のコントロールも可能となります。画角・絞り・距離を巧みに操ればさまざまな表現ができるようになる、それが大三元の広角ズームなのです。

さて、ご覧頂いたように本レンズの写りは大変素晴らしいものでした。それはカタログスペック的な描写力ばかりでなく、いわゆる"空気感"が感じられるような表現力の高さも含めての写りの良さです。ズーム全域で撮影を楽しめる本レンズは、入手しやすい価格設定も含めて大変魅力的。広角を楽しむのに最良の一本です。

( 2015.08.21 )

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開封したら、突出した前玉を愛でるところから始めるのが広角レンズの正しい扱い方ですよね。フードの動きも楽しめる本レンズは愛しさ倍増です。

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