SIGMA APO 800mm F5.6 EX DG HSM

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

800mmなるレンズを何に用いるかは、このページをご覧の方々が一番よくご存じでしょう。600mmクラスに1.4倍のテレコンバーターをつけて実現できる焦点域であり、マスターレンズのままで800mm F5.6というスペックはラインナップされているだけでありがたい存在。しかもリーズナブル。描写は、絞り開放から十二分にシャープな像を結び、ボケ味も良好です。800mmともなればある種空気の揺らぎが描写の邪魔をするような焦点域ですが、作例撮影の際にとにかくよく写るのに感心させられました。特筆すべきは線の細さ。実に繊細に被写体を捉える、価値あるレンズです。

( Photography : S.Zets / Text : KIMURAX )

一日中スッキリしない天候でしたが、絞り開放からこの描写。大きめの前ボケを入れたことで撮影者の視線を感じるカットに仕上がっています。

絞り込めばこの細やかさ。美しいですね。月面下のエッジにあるクレーターの窪みまでしっかり確認できます。テレコンバーターがあれば天体望遠鏡代わりになりそうです。

ガスった空が、鈍い朝日に染められてきました。絞り開放での周辺落ちがなんだか哀愁を漂わせており、夕景にも見えてくるような。まあ、そんなのはどちらでもよくて、透明感に欠ける空気越しでもなかなかの描写では？ピント面にある波形も克明に捉えています。

感度アップで超高速シャッタースピードなら、手持ちでも十分狙っていけます。プラス、気合で。細かい水しぶきもしっかりキャッチしています。