PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Apple iPhone 14 Pro

  • 3眼
  • 4800万画素
  • 光学77mm
  • クロップ48mm

iPhone 14 Proの最大の売りは、「メインカメラ」(「広角カメラ」から名称を変更)の4800万画素のセンサーでしょう。レンズの画角も24mm相当と先代の26mmからワイド化されていますが、写真好きにはおなじみの画角ですからすんなりと受け入れられるのではないでしょうか。またセンサー自体も先代比で65%も大型化されたとのことなので、画質の底上げが図られていることが容易に予想できます。早速いってみましょう。

アウトカメラ 超広角 (13mm)1200万画素 / F2.2
広角(メイン) (24mm)4800万画素 / F1.78
(48mm)1200万画素 / F1.78
望遠 (77mm)1200万画素 / F2.8
インカメラ 1200万画素 / F1.9
ディスプレイ 6.1インチ / オールスクリーンOLED

Photo Gallery

広角カメラ

Apple iPhone 14 Pro, Photo by TAK

メインカメラの4800万画素を試してみましょう。デフォルトでは1200万画素のJPEGになっているので、4800万画素を使うためには、設定>カメラ>写真撮影の項目の「Apple ProRAW」をオンにし、「ProRAW解像度」を「48 MP」に設定します。こちらのカットはクリックで等倍表示しますので、まずはご覧ください。これは今までのiPhoneでは見たことがない緻密さです。輪郭や階調の自然さにも圧倒されます。

Apple iPhone 14 Pro, Photo by TAK

続いて1200万画素、JPEGでの撮って出しです。この時、4画素を1画素として処理するクアッドセンサーが威力を発揮します。光の取り込み量が増したことで、階調表現に幅が出ていることが一目瞭然です。やはりセンサー自体が大型化していることが確実に効いていると思われます。ただ常時RAWで撮影となるとデータ量が気になるところです。この1200万画素JPEGでもまったくもって高画質なので、状況に応じて使い分けるとよいでしょう。なお、1200万画素でのRAW撮影も可能ですから、こちらも必要時に併用するという選択肢もあります。ちなみにこのメインセンサーはセンサーシフト光学シフト式手ぶれ補正を搭載し、ブレに一層強くなっています。

Apple iPhone 14 Pro, Photo by TAK

広角でもポートレートモードが使用でき、24mm相当でワイドに捉えながら背景のボケを調整できます。自転車の前カゴまでぼけてしまっているのはご愛嬌ですが、大口径広角単焦点で戯れたことがある方なら、スマートフォンでこういう撮り方ができると嬉しくなりますよね?

Apple iPhone 14 Pro, Photo by TAK

メインカメラにはもう一つの奥義があります。4800万画素を2倍クロップすることで2倍望遠となり、48mm相当=標準域の画角を得ることができるのです。50mmあたりの画角は被写体を歪めることもなくスナップや人物撮影にも好適ですから、カメラ好きはこの機能を放っておかないでしょう。デジタルズームではなく、クロップによる無加工画質というのが素晴らしい。他のカメラと同様1200万画素を確保しているので、実質「4眼カメラ」と言ってもよいかもしれませんね。ちなみにこちらは「ドラマティック」フィルタを使用しました。


超広角カメラ

Apple iPhone 14 Pro, Photo by TAK

13mm相当の超広角でダイナミックに捉えれば、日常も非日常に一変します。画素数は先代同様1200万画素のままですが、切れ味も十分です。階調表現もスムーズで、ハイライトが下品に潰れることもありません。画角が広くなると光線状態の影響を受けやすくなりますが、この仕上がりなら好きなように振り回せますよね。

Apple iPhone 14 Pro, Photo by TAK

あまり引かなくても広範囲を写せるのも超広角のメリットです。こういう街角での手遊びも超広角ならではでしょう。使用したフィルタは「シルバートーン」ですが、iPhoneはフィルタによる味付けも上々なのです。


望遠カメラ

Apple iPhone 14 Pro, Photo by TAK

望遠カメラも1200万画素を引き継いでいます。画面整理のしやすい中望遠が光学で使えるというだけでも、「Pro」を選ぶ価値があります。またこちらのカメラは光学式手ぶれ補正を搭載。ブレの発生しやすい望遠域での撮影を力強くサポートしてくれます。

Apple iPhone 14 Pro, Photo by TAK

ポートレートモードで背景をF2相当までぼかしてみました。被写体の輪郭をシャープに残しつつ背景を十分にぼかすには、大体F2くらいに落ち着くことが多いようです。スマートフォンのホールディングはやはり縦位置が王道かもしれませんね。


Apple iPhone 14 Pro, Photo by TAK

iOS 16になったことで、ポートレートモードで前ボケ表現も可能になりました。クリックするごとにF1.4相当までボカしたものとF4.5の元画像を切り替え表示しますので、前後のボケの様子の違いをご確認ください。


マクロモード

Apple iPhone 14 Pro, Photo by TAK

ある程度まで近づくと構図が少しずれ、超広角カメラに切り替わる瞬間がわかります(切り替わらないようにも設定可能)。現像ソフトでデータを見ると画角が13mmではなく23mm相当となっています。画素数は1200万のままになっていますが、若干ざらついたような印象を受けます。あくまで想像ですが、超広角で撮ったものをクロップしてデジタルズームして1200万画素に引き伸ばしているのかもしれません。公式では触れていないようなので定かではありませんが。もっとも近接撮影能力はこんなものではなく、実際これよりももっと近づけたのですが、iPhone自体が影になるのでここで止めました。逃げなかったトンボさんにも感謝です。


Top Feature

Apple iPhone 14 Pro, Photo by TAK

既にご紹介した通り最大のトピックは「4800万画素」ですが、その緻密さと同じくらい驚かされたのが、メインカメラの高感度でのノイズの少なさです。ISO感度はなんと3200ですが、空にノイズ自体がほとんど見受けられないのです。

Apple iPhone 14 Pro, Photo by TAK

一部等倍でご覧ください。センサーの大型化が効いているのは言うまでもありませんが、実に巧みな処理です。これだけの高感度で空に一切のノイズが載らない、というより消しているのだと思いますが、「現場ではこう見えていたよね?」と思わせてくれるほど自然な仕上がりです。人物などの輪郭に多少の滲みが出てはいるものの、そもそもこれくらいは出て当然でしょうし、ハイライトの処理にいたっては見事と言う他ありません。実はスローシャッターを使ったナイトモードにもトライしたものの、かなり暗いところでもなかなかナイトモードが作動してくれないのです。ずば抜けた高感度耐性ですね。このカットも露出補正を最大にして1/30秒で撮影していますが、現場よりも相当明るく、しかもキレイに撮れています。


User Interface

これまでのiPhone同様、直感的で使いやすいインターフェース。フレーム左側の「>」をタップすると、右側の倍率表示がフィルター、タイマー、露出補正など細かな設定項目が表示されて便利です。また倍率表示のあたりを中央側にフリックするとより細かな倍率が設定できるダイヤルが表示されます。

前述した4800万画素設定を済ませた後、フレーム左側の「RAW」の項目をタップすることで、RAWとJPEGの切り替えができます。黒い紙を撮っているので「ナイトモード」(左下、黄色の「3秒」表示)が作動していますが、とにかく高感度耐性、ノイズ処理能力が凄まじいので私が行った都市部の野外撮影では一度も作動してくれませんでした。真っ暗に近い状態、例えば家族の寝相が面白いから撮ることくらいしか、使い道が思いつかないのですが(笑)。ちなみに手ぶれ補正も強力で2~3秒でもビシッと止まってくれます。これについては「Photonic Engine」(計算写真技術により中低照度性能を向上させる)が関わっている可能性もありますが、スマートフォンから機能自体のオンオフをコントロールすることが不可能なので確認はできません。

超広角マクロモード作動時の画面。フレーム右下のお花マークがそのしるしです。スマートフォン自体が影を落とすほどに寄れますが、照明環境を整えれば使い道は無限大です。


Apple iPhone 14 Pro, Photo by TAK

計算写真技術と大型センサーのシナジー

誰でも簡単に表現としての写真さえ撮れてしまうのが、iPhoneのレガシーでしょう。そして近年特に目覚ましいのがAiによるソフト面の進化で、「computational photography」(計算写真技術)がカメラの頭脳に深く入り込んできました。前述のノイズ処理。これ、画像処理ソフトで処理するエリアを細かく選んで、自然に見える程度の処理量を決めて行うという、経験を要するプロフェッショナルな作業です。それを機械学習というノウハウを駆使して、瞬時でやってくれるのです。編集のフィルタも同様で、自分でやるより良いんじゃないの?と複雑な気分になるほどに塩梅が完璧で、積極的に使いたくなります。ボケの処理もAi様様ですしね。まとめて言うと、Apple叩き上げの一流の写真家が端末の中に入っているようなものです。そこに4800万画素大型センサーというハード面の援護が加わりました。その効力についてはもはや繰り返す必要はないでしょう。いつの間にか撮影という行為に没頭してしまう。カメラの存在すら気にさせずに、雰囲気のある写真をポン!と仕上げてくれる。そして、カメラがわかる人にもキチンと応える懐の深さがある。選ぶならやっぱり「Pro」になるよね、と思った次第です。

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