LEICA ブース概況

プレスカンファレンス

9月20日のフォトキナ開催初日にプレスカンファレンスが行われました。毎回恒例の内容で、ライカが贈るアワードの発表と、その受賞者が壇上でコメントを述べ、その後新製品のプレゼンテーションが行われました。今回は、どの製品ラインも開発ターム的にフォトキナのスケジュールとシンクロしなかったためか、インスタントフィルムカメラである「ゾフォート」だけとなり、その楽しさをライカカメラAG社主のカウフマン氏自らプレゼンテーション。「撮って、その場で画を見て楽しむことができて、かつその写真はオンリーワン」とのこと。



恒例のブース構成は前回同様で、1ホールを写真ギャラリーとして借り切っていました。実にライカらしいですよね。



前回はギャラリーに連なって大きな製品ブースを設けていましたが、今回の製品ブースはギャラリーブースと隣接するのではなく、別ホールに実にこじんまりと構成していました。それもほとんどがプロフェッショナルシーンに向けたもの。


そのプロフェッショナル向けのゾーンでは、ライカS・ライカSLなどの展示をはじめとして、シネ関連のプロダクトや、ライカS用レンズをマウントした大判カメラなどが陳列され、ライカのプロフェッショナル向け機材は、多種多様な用途として活用できることを示していました。

ライカが手がけたプロフェッショナル向けの機材は、実に合理的で高い実力を兼ね備えていると感じられます。ただ、プロカメラマンが既に持つ資産と引き替えに、ライカの製品へ代替えを促すことは、そうたやすいことではないでしょう。こうしてプロフェッショナルシーンに参入したライカも、ハッセルブラッドVシリーズ用をはじめとした他社製レンズがマウントできるアダプターを自らリリースするなど、さまざまな施策を行っています。今回のブース構成を見ても、このシーンにかけるライカの意気込みが感じられるものでした。



M型ライカをはじめとした、いわゆるコンシューマ向けのカメラや光学製品、今回発表されたゾフォートでさえ、プロフェッショナル向けゾーンの背面にカウンター形式で設営されるのみという、実に割り切った構成となっていました。

LEICA SOFORT

外観でお気づきの方も多いと思いますが、ライカの新製品であるインスタントカメラ「ゾフォート」は、フジフイルムのチェキがベースとなっているようで、フィルムもinstax mini用がそのまま使えるとのこと。今回ライカから登場するにあたり、ライカオリジナルのデザインを採用し(レンズにはなんと"AUTOMATIK-HEKTOR"の名が!)、ボディカラーは3色、モノクロフィルムも登場するとのことです。またフィルムはライカブランドでも発売されるとのこと。発売は11月を予定しているそうです。


なお、インタビューにおいて詳報をお届けする予定ですが、いまやフルラインナップといってよいほどに製品ラインナップの厚みが増したライカ。次に目指すもののアイデアひとつとして「LEICINA VC」のコンセプト・モックアップが展示されていました。

「ライキナ」とはかつて存在した8mmムービーカメラの名前であり、今回その名前をリバイバルさせたようです。マウントはライカLマウント(M39スクリューマウントではなく、フルサイズミラーレスカメラのライカSL用のマウント)を採用し、写真のモックアップではR用レンズの「APO MACRO ELMARIT-R 100mm/f2.8」が装着されていました。マウントの後ろ側にはEVFがあり、上部はスマートフォンのようなモニターも。外観の完成度は高く、登場が楽しみな製品です。

( 2016.09.23 )