道具としての完成度にさらに磨きがかかった Canon EOS 5D Mark IV

こちらは「EOS 5D Mark IV」のハンズオンコーナー。日本国内では9月8日に発売となったモデルですが、実機に触れられるとあってかなり賑わっていました。キヤノンのフルサイズ一眼レフラインナップの中核を担う5Dシリーズの最新モデルですからね、頷けます。もうすでに実機を手にされたという方も多いこととは思いますが、実はまだフォトヨドバシにて実写レビューが掲載できておりません、すみません!!近々にじっくりと使用した感想なども含めお届けする予定ですので、ぜひそちらの方も楽しみにお待ちくださいませ。というわけでまずは概要だけでもドイツからお伝えしたいと思います。


MFにもしっかり耐えるピントの判別がしやすいファインダーは、もう覗いているだけでワクワクします。シャッターフィーリングは、先代の「EOS 5D Mark III」とは一味違った心地よさがあり、撮れた!という実感に直結します。また、大きさは約150.7(幅)×116.4(高さ)×75.9(奥行)mm。重さは、本体のみで約800gに仕上げられています。部材の見直し行い、先代モデルの約860gからの軽量化を実現したとのこと。強度や耐久性は変わらずというのですから、さすがです。


センサーは先代に比べ約810万画素の積み増しとなる、有効画素数3040万画素のCMOSセンサーを採用。さらに画像処理エンジンには、ハイエンドモデルの「EOS-1D X Mark II」に組み込まれている「DIGIC 6+」を搭載するという凝り様。低照度下での高感度撮影におけるノイズをより低減したのはもちろんのこと、連写速度は約7コマ/秒(EOS 5D Mark III:約6コマ/秒)へとアップしています。優れた描写性能と高速なレスポンスで、ますます撮影者の創造意欲を掻き立てることでしょう。


撮影スピードを左右するAFセンサーとAEセンサーも「EOS-1D X Mark II」と同じものを採用し、先代よりもAF測距点配置のエリアが上下に拡がりました。おかげでスポーツシーンやこちらの思い通りにじっとしていてはくれない動物の撮影も思いのまま。また、障害物などによる測距誤差を検知し、予測AF制御への影響を抑える「AIサーボAF III」により被写体の動きや状況に幅広く対応します。


メニュー画面のレイアウトは、EOSシリーズを継承しているので本機への乗り換えもスムーズでしょう。クイック設定画面は、各自の使い勝手に応じて配置の変更ができるところもいいですね。またパネルはタッチ操作に対応しており、デュアルピクセルCMOS AFとタッチ操作の組み合わせが可能。タッチパネルの存在は、特にエントリーモデルからステップアップしてくるユーザーにとっては大歓迎なのではないでしょうか。


防塵・防滴性能を高めるため、外装カバーの合わせ部、電池室フタ、カードスロットカバー開閉部、シャッターボタンなどにシーリング部材を組み込んでいるとのこと。様々なシーンに躊躇することなく切り込んでいける頼もしさはこの上ありませんね。


側面の端子カバーが先代では縦長左右の2分割でしたが、シンクロ端子用のカバーが独立した3分割タイプに変更。そしてリモコン端子は、ボディ前面の下部(写真では、ワイヤーが湾曲している辺りの三日月型の窪みのように写っている部分)へと変更されています。

ざっと駆け足で見てきましたが操作感、剛性感は上級フルサイズ機に相応しい確実なものでした。キヤノンのフルサイズ一眼レフのヒエラルキーの中で最上位に君臨する「EOS-1D X Mark II」のスペックを伺いつつ、きっちりと進化を遂げた「EOS 5D Mark IV」。プロやハイアマチュアの高い期待に確実に応えてくれる道具としての完成度に、さらに磨きがかかったという印象です。

( 2016.09.22 )