大注目のSIGMAレンズ群!

Art、Contemporary、Sportsという、レンズの性格に即した3つのラインを打ち立て、デジタル時代の要求に確実に応える新機軸のレンズを出してきたシグマ。そんなシグマが、ここフォトキナでフルサイズ対応の85mm F1.4、12-24mm F4、500mm F4の3本を発表!そして、すでに発表されていたシネレンズ群もお目見え。こちらで思いっきり注目を浴びているシグマですが、まだまだ目が離せそうもありませんよ。

SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Art

まずは85mm F1.4から。いわゆるポートレートレンズの85mmは激戦区。そこに打って出たこのレンズからは、デジタル対応のレンズのリファインを行う牽引役として、ノリにノッているシグマをひしと感じます。Zeiss Otusをベンチマークとして開発したというこのレンズですが、価格はOtusの半分ほどとのこと。なのに5000万画素にも対応する画質。


もう、触っただけで能力の高さが容易に想像できます。ズシリとくる重み。いかにも写りそうな前玉。高品位な仕上げに操作感。気持ちよくスムーズなヘリコイド。どれ一つ取っても写真を撮る喜びを心から感じることができるレンズ。ご存知の通り、そんなレンズはそうそうありません。このレンズで撮られる被写体は幸せだ、とまで言い切ってしまいたい。実写が待ち遠しいです。F1.4 Artだけでシステムを組み、撮影にのめり込みたくなる。そんな幸せを与えてくれるシグマに感謝。


SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Art

お次は12-24mm F4の広角ズーム。シグマには同じ焦点距離でF4.5-5.6というレンズがありますが、これはF4通しのArtラインレンズです。全域F4の使いやすさ。フルサイズで12mmをカバーできるズーム。それだけでじゅうぶんな購買理由になります。当然、重量はそこそこありますがバランスは良さそう。ストリートスナップでも面白いでしょうね。思わず二度見してしまう大口径前玉の出っ張り具合は、眺めているだけでうっとりします。その直径は堂々の80mm。これ見てるだけでお酒が飲めますね。いやいや、撮影意欲がいやがおうにも盛り上がりる、の間違いです。


SIMGA 500mm F4 DG OS HSM | Sports

では500mm F4に行ってみましょう。こちらはSportsラインのフラッグシップ。手にしてまず感じるのは「軽い!」。と言ってももちろん「500mm F4としては」という意味ですが、これなら手持ちでも行けちゃうんじゃないですか?それもそのはず、マグネシウム合金の鏡胴に、ウチのクズカゴぐらいある巨大なフードもカーボンファイバー製。徹底的に軽量化が図られているのです。機能面でも手ブレ補正機構、テレコンバーター対応、AFファンクションスイッチ、フォーカス位置のメモリー、おまけに防塵・防滴性能の強化など至れり尽くせり。そして肝心の写りですが、「MTF曲線ならぬMTF直線」で山木社長が発表会の場を盛り上げた通り、群を抜く描写性能を誇っているようです。うーむ。このレンズ、シグマは相当自信を持っていると思いますよ。


SIGMA CINE LENSES

最後に話題のシネレンズです。かねてから噂はありましたが、映像機器市場へ参入の発表があったのが9月6日。発表されたのは3ライン計8本。これらは既存のArtラインレンズの光学系が移植され、そこへシネレンズとして必要な機能を盛り込んでいるとのこと。すべてのレンズが8K以上の撮影に対応しているというのですから、それは裏を返せば元々のArtラインレンズがべらぼうな光学性能を持っているということに他なりません。残念ながらシネレンズについては不案内なのですが、その見た目が「プロの道具」「光学機器」という感じがプンプンして、カッコいいですよね。


ここ数年のシグマを見ていて感じるのは、他のメーカーがやりたくてもやれないことを、いとも簡単にやってのけて涼しい顔をしている、というイメージ。もちろん実際にはいろんなトライ&エラーを経てそれらを成し遂げているのだと思いますが、「いい感じにとんがったメーカーだなあ」と感じるのは、みなさんも同じなのではないでしょうか。まだまだ我々を驚かせてくれるに違いありませんね。要注目です。

( 2016.09.21 )