フルサイズを飛び越した FUJIFILM GFX 50S

フォトキナ開催に先駆け9月19日に行われた、富士フイルムのプレスカンファレンスで発表となったボディ「FUJIFILM GFX 50S」。センサーは35mmフルサイズイメージセンサーの約1.7 倍となる中判サイズ(43.8×32.9mm)を擁し、「Gフォーマットセンサー」と名づけられたその有効画素数は怒涛の5140万画素。ミラーレスカメラとあってかなりコンパクトにまとめられたボディです。


「GFXシリーズ」向けのレンズが計6本展示されています。性能としては1億画素にも対応できるというのですから、その完成度の高さが伺えます。


なんといずれのレンズも"ディストーションフリー"を謳っており、これを"歪曲ゼロ"とまでスペック上解釈してもいいの?と現時点は正直判断しかねるのですが、ここまで聞いたら兎にも角にも早く実機で試してみたいものです。


「FUJIFILM GFX 50S」は新設計のフォーカルプレーンシャッターを搭載したことで、最高シャッター速度は1/4000秒をマーク。中判カメラでスタンダードなレンズシャッター方式よりも、高速なシャッター速度が可能になったとのこと。操作ボタンやダイヤル類といった操作系は「Xシリーズ」をほぼ踏襲する形となっており、ユーザーにとってはスムーズに使いこなせることでしょう。


こちらは縦位置グリップを装着したスタイル。ボディ単体での重量は1kgを切り、中判カメラとしてはかなりコンパクトにまとめられているので、このようにグリップを装着すると断然"らしさ"がガツンと出ますね。


高性能レンズをはじめアクセサリー群、バラエティに富んだ外付けファインダー群などなど。中判サイズとは思えない小型軽量なこともあり、あらゆるシーンで使っていけそうです。


本機を使って撮影された特大サイズの写真も展示され、画質への自信のほどが伝わってきます。実に滑らかな階調表現。シャープでありながらギスギスしていません。まさに、中判画質。今回はケース内展示のみで実際に触れることはできませんでしたが、中判デジタル新時代の到来を予感させるには十分の内容です。


ハッセル H1Dとはアナウンス時期も近く、フィルム時代のパノラマレンジファインダーカメラX-PanとTXのような関係を想像してしまいそうですが、今回はまったくの無関係。センサーもマウントもボディも別物です。富士フイルム自身もX1Dのリリースに驚いたというぐらいですから(笑)。いやいや、正直どちらも大いに気になる存在。日本での発売が楽しみです。

( 2016.09.21 )