Vario-Tessar T* FE 16-35 mm F4 ZA OSS / 小三元レンズの完成
F4通しのFEマウントズームレンズが、このレンズの登場によって3本揃います。α7によるコンパクトで使い勝手の良いパッケージがこれで実現するわけですね。今回の取材でも感じましたが、一日歩きまわる取材や混雑するイベントなど、機材の大きさ・重さは機動性に直結します。レンズもボディもこのサイズで済むなら、こんなにありがたいことはありません。メーカーとしてもコンパクトなボディであるがゆえに、まずはコンパクトなズームレンズ群を用意したとのこと。まだまだ開発予定のレンズは控えています。
室内の撮影など広角ズームレンズが活躍する機会は多いもの。35mmまで伸びるということもあって、使い勝手は良さそうですね。仕事で使う場合などは当然三脚を据えて絞るでしょうし、開放値がF4であることは実質的には問題にならないと思います。これに標準ズーム・望遠ズームを組み合わせるだけなら、大きなカメラバッグは必要ありません。技術が切り拓いた利便性とはこのことですね。
開発が発表になったレンズもあります。左から、「FE 28mm F2」「Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA」「FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS」。単焦点レンズ群は既存のFEレンズを見ても押しなべて性能が良く、新しいレンズにも期待が高まります。28mmにはワイドコンバーターやフィッシュアイコンバーターも登場するようですから、色々と使える1本になりそうですね。FEレンズもどんどんラインナップが充実してきます。
FE PZ 28-135mm F4 G OSS / 動画撮影に特化したズームレンズ
αシリーズの底力と懐の深さを感じさせるのがこのレンズ。「FE PZ 28-135mm F4 G OSS」は高速で静かなAFや絞り制御、なめらかなパワーズームや手ぶれ補正を搭載し、業務用レンズのノウハウがしっかり詰まった1本です。一般のユーザにも手が届くところにシネマレンズが登場したという印象で、あまり映像を撮らない人でも欲しくなってしまうし、手に入れたら映像にチャレンジしたくなりますね。見ているだけでも興奮してしまうのは、一体どういうわけでしょうか。
装着した具合はこんなイメージ。大きいといえば大きいのですが、程よいサイズ感ではないかと思います。マイクなどもオプションで装備すれば、α7が本格的なムービーカメラに早変わり。フルサイズセンサーで写すムービーの世界が、ぐっと身近になりましたね。
α6000 / 成熟を重ねたEマウントボディ
フルサイズに注目が集まっていますが、APS-CセンサーのEマウントボディも負けてはいません。製品としてはキッチリと世代を重ねてきただけのことはあり、全体的な使い勝手はかなりこなれてきた印象です。α6000のAF測距点はなんと179点、合焦スピードも速く、あらゆる動作がキビキビとして軽快でした。このあたりはNEXから培われてきたものでしょうし、レンズ交換式カメラをスタートするにはやはりバランスに優れた選択肢になるだろうと思います。システム全体の大きさを考えても、APS-Cというフォーマットならではの魅力があります。
インターフェイス周りも洗練されてきましたね。ホールドした際に右手親指で操作できるダブルのダイヤルはNEX-7から搭載されたものでしたが、慣れてくると驚くほど直感的に操作できるものでした。左右のダイヤルの表面が異なった加工になっていることで、指の感触だけで判別ができるはずです。このあたりに着実な進化が見て取れますよね。フルサイズにせよAPS-Cにせよ、Eマウントは今なかなかに熱い世界です。
( 2014.09.20 )
