Carl Zeissブース概況 / ブランドイメージそのままの堅実なブース構成

本場ドイツの光学機器メーカー、Zeissのブースは他メーカーと大きく印象が異なります。足を踏み入れる前から感じられたのは、良い意味で派手さの無い生真面目さ、堅実さといったブランドイメージそのままな雰囲気です。



写真用レンズのみならず、シネ用レンズや双眼鏡・フィールドスコープなども展示し「総合光学機器メーカー」であることをしっかりアピール。その技術力の高さがひしひしと伝わってきました。

フィールドスコープを覗いてみましたが、まぁよく見えること。後ろ髪を引かれつつ、写真関連のコーナーへ。



レンジファインダー向けZMマウントにも新しいレンズが登場しました。Distagon T* 1,4/35 ZM。F1.4クラスの現行35mmレンズにはSummiluxやNokton classicがありますが、Distagonは全長65mm・フィルター径49mm・381gとやや大柄なレンズ。ツァイスだけに性能に妥協はないのでしょう。凹面の前玉や10枚羽根の絞りなど、写りそうな雰囲気がむんむんですね。今回はガラスケースの中に入っていたため、手にすることはできませんでしたが、1日も早くその写りをお伝えできたらと思っています。

世界最高を謳うOtusシリーズ、55/1.4の次は85/1.4の登場です。ツァイス曰く「55/1.4を越えて世界最高」とのこと。55/1.4の上質かつ驚異的な写りを覚えている方には期待が高まりますね。レンズは9群11枚と非常に複雑な構成。レンズ銘には"APO-Planar"が奢られています。重量は55/1.4をも上回る1200g(EF)!フィルター径も86mmとこれまた中判レンズ並(苦笑)。それだけに妥協を廃したツァイスの意気込みが伝わってきますね。実際に手にしてみると、カメラの背面液晶で確認しただけではありましたが、凄まじい切れ味と美しいボケに圧倒されました。

こちらも発表前から噂になっていたソニーEマウント(フルサイズ)用のLoxia です。この写真手前は Biogon 35mm F2、そして写真奥が(ピントが届いておりませんが)Planar 50mm F2 です。マニュアル専用のフォーカスリング、クリックの有無を切り替えできる絞りリング(ムービー対応)、ブランドカラーを施したマウント部のシーリングゴム、見ただけでテンションが上がってしまいますね。35mmはBiogonらしい対象型の設計、50mmの構成はまさにPlanarそのままの対象型のダブルガウス。実写レビューをお届けできるのを我々も楽しみにしています。

マウント面にあるスクリューを180度回転させることで、絞りリングのクリックON/OFF を切り替えられます。そもそもEマウント用のレンズで絞りリングがあることが初めてなのに、そのクリックを解除できるというギミックまで搭載しているなんて、動画撮影にもチャレンジしてみたくなりますよね。短時間ながら試用する機会を頂きました。周辺までしっかり解像する、大変期待の持てる写りです。発売になったら、皆さんもぜひ店頭で手にしてみてください。

さて、ご覧頂いた通りライカMマウント用のレンズがあるかと思えば、OtusやTouitといった一眼カメラ用に新たな路線を切り開いたり、さらにソニーとのダブルブランドでAマウントやEマウント用にもレンズを供給しているZeiss。傍目にはワクワクさせられながらも、品質の高さとフットワークの軽さを両立できる少々ユニークなブランドとしても映っています。ツァイスの今とこれからについては、インタビューで切り込んでみますので、ご期待ください。




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( 2014.09.19 )