元々画作りにフイルムメーカーらしい定評があるのがフジのカメラ。ここ最近、かなり趣味性の高いカメラを立て続けにリリースしてきましたが、そのコンセプトを堅持したバリエーションを拡げるモデルが相次いで投入されました。腰を抜かしそうになったのが、ブースに「Lens Bar」と、ライカMマウントレンズ・互換レンズを並べてトライできるコーナーが設けられていたこと。考えてみてください。自社のカメラに他社製レンズをつけてくださいとアナウンスしてるようなもので、いくらマウントアダプターを自社で提供しているからといって、少々驚きました。時代の流れを感じる次第ですね。しかしそのコーナーは大盛況、狙い通りといったところなのでしょうか。そんなことはさておき、新たに投入されたX-Pro1の下位モデル「X-E1」、X10とキーとなるコンポーネンツを共有する趣味性の高い、そして親しみやすいルックスの「X-F1」の回りには常に人だかりが。かなり大盛況といった状況に、ユーザーの皆さんは写るという以外のものをこんなにも求めているんだなあと実感したブースでした。

( 写真:A.INDEN / 文:K )

X-Pro1から光学ファインダーを取り除き、EVFだけに。少しサイズもプライスもコンパクトになったのが「X-E1」。画質はX-Pro1と基本機構を共有する以上同等で、独創のカラーフィルター配列を持つローパスレスの画をリーズナブルに手に入れることができます。光学ファインダーの必要性を感じない人にとっては、うってつけのモデルでしょう。また、フイルムメーカーらしい画作りもこのカメラの魅力です。また同時に発表されたXFマウント初のズームレンズ、「フジノンレンズXF 18-55mm F2.8-4 R LM OIS」は、35mm換算で27〜84mm相当の画角となる標準ズーム。手ブレ補正機構を搭載し、最短はワイド端30cm、テレ端40cmという必要十分なスペック。これまで単焦点レンズだけだったラインナップに利便性の富んだレンズが加わることに。レンズ構成もかなり贅沢な構成で、写りのほうが大変期待できます。合わせて準備が整い次第、実写レビューをお届けする予定です。どうぞお楽しみに。

背面。X-Pro1と比較して若干コンパクトになった印象。X-Pro1が結構大柄ですから、コンパクトさを求める人には朗報。操作系などはX-Pro1と変わらない印象です。

軍艦部。シルバーフィニッシュとされたボディはX-Pro1を見慣れていると、なかなか新鮮。

 

X10と同じセンサーを搭載した随分とシンプルな出で立ちの1台。こちらは海外発表されたばかりで、現時点では日本にて未発表のモデル。ズームリングがマニュアルとなり、少し趣味性を追求したモデルのように感じます。搭載レンズはX10より若干広角側にシフトした、35mm換算で25〜100mm相当の画角をカバー(開放値はF1.8-4.9)。レンズシフト式の手ブレ補正機構を搭載。X10に搭載されている光学ファインダーなどは無く、液晶モニターのみでのフレーミングとなります。X10と比較して、もっとコンパクトに普段使いにといった印象の1台。X10の画のよさを思えば、ちょっと怪しく手が伸びそうな仕上がりです。

ズームレンズはX10同様電源スイッチの役割も担います。こちらは電源オフの状態。

レンズ鏡銅を回転させて繰り出し、電源スイッチが入る寸前まで引き出した状態。スイッチが入ると、レンズバリアが開きます。

背面のルックスもシンプルで好感が持てますね。こちらも準備が整い次第、実写レビューをお届けいたします。お楽しみに!