PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

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「それって、どうやるのですか?」
日頃からそんな質問を受けることが多々あります。写真を始めたばかりの方からの何気ない質問には、自分の昔を思い出して懐かしいような嬉しいような、そんな心地よさもあり、受け応えも楽しいものです。振り返ってみれば、写真用語や撮影の作法やマナーなど、覚えなければならない事はたくさんありました。この記事では、日頃のそんな受け応えの内容について記してみたいと思います。同じように、写真やカメラの道を進みはじめた皆さんの参考になれば幸いです。また、この道も長くなった皆さんにも「そんなことがあったなあ」とお楽しみいただければ幸いです。

(文:Z II)

質問者は、日頃から趣味のバイクでお付き合いのある佐藤剛史(ごうし)さん。30歳独身。BMWモトラッドさいたまシティ店の営業マン。趣味は食べ歩きとバイクツーリング。自分のバイクや車をとにかく美しく撮りたいと思い、最近 FUJIFILM X-S10 ダブルズームキットを購入。


今回の質問

どうすればこんなにボケるの?

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フォトヨドバシに掲載されているバイクや車などの写真と、ご自身が撮影された写真を見比べて、そのボケの大きさの違いに「なぜだろう?」と感じたようです。そうでした、そうでした。私も写真をはじめた頃に「大きくボカしたい!」と思ったものです。自分の目で実際に見るのと写真の違いは、この「ボケ」が一番大きいわけで、やはり最初にやってみたいことだと思います。

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佐藤さんが、カメラを買って最初の頃に撮影されたカット。なるほど、すぐにボケボケの 写真になりますよ!


Z II

まず写真で大きなボケを得るためには、大きく重い支払い・・間違った、レンズを買いましょう。上を見ればキリがありませんが、とりあえず100万円ぐらいのレンズでどうでしょう。ほとんどのことは、新しい機材を買えば解決します!

佐藤さん

あのう、カメラとレンズを買ったばかりでホント勘弁してください。炎の分割払い中です! それに100万円払っても、レンズには乗れないし走らないじゃないですか!

Z II

それは失敬。冗談ですよ、冗談。金銭感覚がさすがバイク屋さん。佐藤さんが今お持ちのレンズで、ちゃんと大きなボケのある写真を撮れますよ!
まず背景を大きくボカすには、被写体に寄ればよいということを覚えておいてください。後で試してみてほしいのですが、スマートフォンのカメラでもボケ量は小さいですが、寄ることでボケ表現ができますから。あと、できる限り望遠で撮るのがおすすめです。寄る、望遠で撮る、この二つは似たような話なんですけどね。

佐藤さん

似てるとは?どういうことですか?

Z II

望遠レンズは遠くのものを大きく写すことができるレンズでしょう?
つまり、自分が動かなくても遠くのものを引き寄せて写すことができるわけです。寄って撮ることと同じといえば同じ。なので、まず一つ目のポイントは「寄る」ということです。あともう一つポイントがあって、絞りはできる限り「開ける」ことです。「寄る」「絞りを開ける」この二つを覚えておいてください。

佐藤さん

なるほど〜 。そういえば絞りは結構絞っていました!

Z II

それはカメラ任せ(プログラムモード)ではなく、絞り優先やマニュアル露出で操作しているということで、カメラとレンズを買ったばかりのこの時期としては、かなり高度なことをしているし、凄いですよ!
とりあえず絞りは開けてくださいね。ちょっと目を細めてごく近くのものを見てください。全体的にピントが合ったように見えるはずです。その後、普通に眺めてみてください。見たいところにだけピントが合っているように感じると思います。若いとあまり効果がないかな??(笑)

佐藤さん

あ、絞りってそういうことなんですね!

Z II

そうなんですよ。繰り返しになりますが、絞るとピントの合う範囲が広がるのです。なので、ボカしたかったら、絞りは可能な限り開けるのです。ちょっと今の話を踏まえて撮ってみましょうか。


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2人で伊豆半島の先、弓ヶ浜まで「フォトツーリング」。佐藤さんの撮影したカットです。「XC50-230mmF4.5-6.7 OIS II」で焦点距離は56mmあたりで撮影。やりました、大きくボケましたね! 水平線が出てないぞ、なんてツッコミどころはありますが、いい感じです。ピントを置いたバイクが傾いているわけで、つい水平線が傾いたりするのはありがちなことです。

伊豆半島の最南端より少しだけ東に位置する弓ヶ浜。関東近辺ではなかなか見られない海の色で、柵のない道沿いにバイクを停めて撮影するには良い場所です。ただし日帰りツーリングには少々距離があります。

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Z II

こちらは同じカメラとレンズで私が撮ったものです。焦点距離は80mm付近。情報量を極力減らしシンプルにまとめました。

佐藤さん

なるほど、、切り取り方がやはり違いますね。

Z II

初めのうちは撮影の際に気をつけた方が良いことを多数同時に考えられず、とりあえず画面の中の主役そのものを写すことしか考えが及ばないものです。私もそうでした。ただ、主役のことを考えることは一番大事で、数をこなしていくと「どうすればより主役が引き立つだろうか」と考えはじめます。そうすると、背景を考えたり、光線状態を見極めたり、水平垂直をきっちり出した方が見やすいな、なんてことを少しずつ欲張るようになると思います。とにかく毎日たくさん撮ってると、色々発見がありますよ!

佐藤さん

まず大きくボカしたいという気持ちが大きく、その上で自分がカッコよく見えたように撮ってました。なるほど、ちょっとずつ欲張る、ですね。

Z II

そうそう。ある意味キリがない。そのちょっとずつが写真の仕上がりに表れて目に見えますからね。キリなく楽しめる趣味ですよ。

XF35mmF1.4 R

XF50mmF1.0 R WR

Z II

さて、タチの悪いことに、写真は機材のスペックに頼ることもできるのです。より大きくボカした表現が「XF35mm F1.4R」や「XF50mm F1.0」なんかでできますよ。

佐藤さん

出た。やめてくださいよ〜。

Z II

特にレースに出場するわけでもないしスポーツライディングするわけでもないのに、お金を払えばBMW M1000RRを買ってレーサー気分を味わうことができるでしょう?

佐藤さん

なるほど、そんなレンズを買うとやはり違いますか??

Z II

スペックに違いがありますから、当然、そのレンズにこそできることがあります。ボケでいえば、絶対的にボケる量が違いますよ。M1000RRでなくてもスポーツライディングはできますが、より高い次元でできますよね、それと同じ。

佐藤さん

買ってしまおうかなぁ〜、フルサイズも気になるしなぁ〜、悩む〜

Z II

若者らしいノリで素晴らしい!編集部内には「買わないで後悔するなら買ってから後悔しろ」という社是ならぬ部是があります。

佐藤さん

もう少し、今のレンズとカメラで頑張ります・・・。

Z II

それで良いと思います。頑張ってうなされてください(笑)


( 2022.04.13 )

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サイズも小さくツーリングなどにも最適です。これから写真を始めるにもよいセットだと思います。

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これを購入するだけで、写真が上手くなったような気がしてくるのですから不思議なものです。

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いわゆる標準域の大口径単焦点レンズ。フジユーザーなら持っておきたい一本。

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ワンランク上の望遠ズームレンズ。これさえあればレースの撮影など動きものから野鳥撮影などもいけます。

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