こちらも色々な方から質問があったと思うのですが、フォーサーズ/マイクロフォーサーズというのは他の一般的なセンサーのサイズに比べると小さいわけで、これ以上の高画素化というのは、かなりハードルが高いのではないかと想像します。もちろん技術で越えていけるハードルだとは思うのですが、ただ緻密化してくことよりもバランスが肝要だと個人的には感じますが、このバランスさせるのも技術だとも感じます。このあたりの高画素化についてのご見解をいただければ幸いです。

「(ミラーレスについて)これだけのセンサーサイズが各社から提案されるとは、当初思っていなかったのですが、ただ、マイクロフォーサーズ全体で見ると、いま一番ミラーレスの中ではレンズのバリエーションが揃っています。おっしゃられたとおり、イメージャー(センサー)のバランスも大事ですが、システム全体のバランスも大事ですよね。そのあたりはアドバンテージだと思うのです。そんな全体的なバランスの話で言うと・・・XZ2の話になりますが、カメラとしての完成度がもの凄く高いと思っているのですね。急に大きなセンサーを入れたとか、そんなサプライズはありませんが、それこそ画作りだったり、手ブレ補正だったり、タッチAFもそうですし、今回このアクティビティでSNSにシームレスな機能を搭載したりというのもそうですが。トータルバランスに優れていると思います。話は戻りまして、元々フォーサーズのポリシーがバランスを取るというところにありましたから、ある意味では今回のXZ2は、我々としては求めている姿に一番近い形にまとまってきているのではないかと思っています。つまり、フォーサーズのコンセプト通り、カメラを作る上でバランスを重んじているわけですね。そのうえで、さらなる高画素化というものを、バランスを重んじるというベクトル上で考えていかなければならないと思っています」

「センサーサイズについてですが、仮にフォーサーズより大きくするとしましょう。レンズ交換式で似たようなサイズを少し大きくしたところで、あまり意味が無いと思いますから、35mmフルサイズだとか、中判だとか、たとえばそんな話になりますよね(笑)しかし、我々としてはそれにどれだけの描写力のレンズが提供できるのか。いろんな意味でですね。このへんと相談しなければならないわけです。これまでフォーサーズやマイクロフォーサーズで突き詰めてきた技術、そしてバランスの結果は、十分に満足できるものだと思っています。OM-Dも高い評価を頂いています。あとはたくさんの皆さんにご購入いただきたいですね(笑)」

数年で画素が積み増しされて、それを上手く使いこなす技術やノウハウのほうもかさあげされて。しかし、どうしてもエンジンをブン回すようなことをしてしまえば、たとえばダイナミックレンジやノイズといったあたりに弊害が出てくるわけですよね。反面、画素数が上がれば、色数が増えたりとかで、それを上手く活かすことが大前提となりますが、結果として数年前のものよりも階調が豊富になったりしました。高画素化についても、やはりバランスの上で、というお話でしょうか。

「そういうことですね。もちろんセンサーメーカーさんとも一緒にやらなければならないですし、それ以外にもインフラについても考えなければなりません。プリンターだったりディスプレイだったり。カメラで収めたものを表現する手段もトータルで考えたいですよね」

これは載せる載せないというジャッジを頂きたいのですが(笑)私たちもレビュー記事に取り組む際に、オリンパスさんのレンズをマウントせずに、いきなりライカのレンズをつけたりすることが、ままあるのですが。ミラーレスにライカのレンズをマウントするような流れを作ったのは、オリンパスさんやパナソニックさんだと思うのですね(笑)このあたり、どのように思われていたのですか? もうウェルカムという感じだったのでしょうか。

「ウェルカムという感じでしたね」

(笑)そうですか。

「私自身がそうだったのですが、ライカのレンズをマウントして撮ると、理由無く楽しいよねと。当然マニュアルになるわけですけど、ピントの合うときの、なんてゆうんでしょうね。気持ちよさ。」

特にライカのレンズなんかは、ピントを追うシーンをライブで見たことがなかったわけで。

「そうですよね。それができるという面白さ。こういうのは理屈じゃないですよね。他社さんがどんどんアダプターを作って頂いたので、それをあまりメーカーとしては保証できかねますというような、そんな杓子定規みたいなことはいいじゃんと。カメラファンの皆さんが楽しんでくれるほうがいいじゃんと。そのためにはデザインもしっくりこないと。うちの自慢はシルバーと黒、両方やるもんですから。黒を作れば、なぜシルバーが無いんだと。シルバー作ればなぜ黒が無いんだと。これまで、レンズに黒やシルバーと、あまりなかったですよね」

そうですよね。

「レンズをつけた際のカッコよさとか。カメラというのは、その、つけて、見て楽しんで、触って、語って。それをカメラ好きの皆さんと一緒に楽しんで。私はもう最初からウェルカムでした。バックフォーカスこれだけ短くしたということで、そんな楽しみがあるわけですから。やった価値があったという感じがしますよね」

なるほど〜。あの一応、但し書きをつけるので(笑)コメント書いちゃってもいいですか?

「全然、構わないですよ。それ書いたからって、それ保証してないじゃないかと、そんなお客様いないと思いますよ」

みなさま、くれぐれも自己責任の上で宜しくお願いいたします。