Leica M8, Summaron 3.5cm F3.5, 1/500, F5.6, ISO 160, Photo by A.Inden

VOL.03 Mavic Air はじめました。
「都会で飛ばしたい」

PYでも何度かお伝えしてきましたが、2015年12月10日より改正航空法が施行され、重量200gを超える機体は安全のため航空法や関係法令を遵守することが法律で定められました。国土交通省の「無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール」によれば、人・家屋の密集地域(DID地区)の上空で飛行させることは禁止されており、DID地区を表すウェブサイトを 見ると、都会でドローンを飛ばすことはほとんど不可能だということが分かります。実際には、許可を申請することで飛行は可能になるのですが、申請書を書くには専門的な知識が必要になり行政書士にお願いするのが一般的でした。筆者も申請書の雛形をみて半ばDID地区で飛ばすことを諦めていました。

2018年4月2日より、国土交通省のウェブサイトから、ドローン飛行許可の申請受け付けが始まりました。ウェブサイトの指示に従って必要な項目を記載していくという方法で、従来と比べてかなり申請がしやすくなりました。SORAME VOL.03では、国土交通省のウェブサイトでの申請の手順を実際に申請した経験を踏まえご紹介したいと思います。「都会で飛ばしたい」と思われてる方、このレビューを参考に国土交通省のDIPSへアクセスして、申請にチャレンジしてみてください。

( Photography and Text by A.Inden )

PHOTO YODOBASHI
※画像のクリックで大きな画像を表示します

1. 申請者の登録

まず最初に申請者の個人アドレス、連絡先を登録します。『個人』からアクセスして連絡先メールアドレスなどを登録します。「ドローン情報基盤システム(DIPS)への申請者情報の仮登録が完了しました。」とメールを受信したら、メールに記載のURLへアクセスし割り当てられたIDを使って本登録を行います。これで事前準備は完了です。これから具体的に実際の申請手順を紹介します。順序に沿って進めていけば無事申請までたどり着けますが、筆者が少し悩んだところや国土交通省から補正指示が入り修正したところに赤字で注意点と入れておきました。では、メールで送られてきたIDでログイン。

2. 機体の登録

PHOTO YODOBASHI※画像のクリックで大きな画像を表示します

まず機体の登録から始めます。資料の一部を省略することが出来る無人航空機(PDF)は登録の必要はありませんが、Mavic Airはまだ記載されていないので(注)登録が必要です。画像の通り記載します。以下注意点をまとめておきます。

  1. ①注意点:自重は0.43kg ※
  2. ②注意点:Mavic Airの前・横・上からの写真を撮ります。後で必要になるので液晶を付けた送信機、プロペラガードを付けた写真も撮っておきます
  3. ③注意点:写真のとおりに記載します
  4. ④注意点Mavic Airの取扱説明書(PDF)をダウンロードし添付します

これで機体の登録は完了です。

2018年4月25日より、ホームページ掲載無人航空機「資料の一部を省略することができる無人航空機」の一覧に「DJI MAVIC AIR」が追加されました。これにより、上記①〜④の登録の手順は不要となり、機体一覧から選択するだけで済むようになりました。国土交通省の対応は早いですね。
※ 「自重0.43kg」は実測値となります。

3. 操縦者の登録

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画像の通り記載します。

  1. ①注意点:飛行時間が10時間以上にならないと申請は許可されません。ドローンが飛ばせる屋外、または室内で飛行訓練を積んでください。筆者は『8時間』と記入し、許可希望日までの飛行訓練計画書を書きましたが、許可はおりませんでした。飛行訓練とは申請書に添付した『無人航空機飛行マニュアル(PDF)』に書かれている、『2.無人飛行機を飛行させる者の訓練及び遵守事項』にのっとった訓練です。実際は、ドローンの性能がアップしたため、ホバリング等本来なら習得の難しいい技術はかなりカバーされていますが、もしもの時の対処方法としてこの操縦技法は習得する必要があります。

PHOTO YODOBASHI

4. 申請書の入力1

PHOTO YODOBASHI※画像のクリックで大きな画像を表示します

いよいよ申請です。申請は飛行条件によって変わってきます。今回は、飛ばす場所・時間が限定されない「日本全国包括許可」の申請手順を説明します。催し物上空・夜間・目視外の飛行は条件が厳しくなるため、一番飛ばす可能性が高い、人・家屋の密集地域(DID地区)の上空に限った申請をしてみま した。1〜11まで画像の通り記載します。飛行目的を趣味ではなく業務としたのは、空撮で撮った写真を将来発表する機会に恵まれた時、その条件によっては業務請負となる可能性があると考えたからです。

  1. ①注意点:(1)「人・家屋の密集地域の上空」にチェックを入れ、プルダウンのリストから「飛行の目的と同じ」を選択します
  2. ②注意点:(2)・(3)を選択していなくても空域を管轄する関係機関の記述ないと次に進めません。ここが一番引っかかるところです。「調整なし」と記入してください
  3. ③注意点:(1)にチェックを入れて、プルダウンのリストから「飛行の目的と同じ」を選択します
  4. ④注意点:開始日を入力してください。申請してから一週間程度はかかりますので、それを考慮して入力します

5. 申請書の入力2

PHOTO YODOBASHI※画像のクリックで大きな画像を表示します

  1. ⑤注意点:全国なので「国土交通省」にチェックを入れたら、修正申告で「東京航空局」とするよう指示がありました。住んでいる場所によって申請元が違うようです。東京航空局(北海道・東北・関東・甲信越・静岡地方)、大阪航空局(東海3県・北陸3県・近畿・四国・九州・沖縄地方)
  2. ⑥注意点:10時間以上の飛行経験がないと申請は許可されません
  3. ⑦注意点:機体選択で登録した機体を選択してください。Mavic Airを選択すると「安全基準が満たされてない」と出ましたが、指示に従ってプロペラガードの写真を添付すると次の項目に進めました

5. 申請書の入力3

PHOTO YODOBASHI※画像のクリックで大きな画像を表示します

  1. ⑧注意点:DJIに付属している保険を記入してください。※日本国内で正規に購入したDJIのドローンには第三者への賠償責任保険が購入から1年間無料で付帯しています。

最後に『申請する』ボタンをクリックしたら申請書の入力は完了です。あとは『【DIPSからのお知らせ】審査終了通知』という件名のメールが届くのを楽しみに待ちましょう。

DJI Mavic Air, 4.5mm, F2.8, 1/7300, F2.8, ISO 100, Photo by A.Inden

天王洲でDID地区初フライト。

国土交通省へ2018年4月5日に申請。4月6日、10日、13日と3度の修正指示に従って修正・再提出し、4月18日に「審査終了通知」のメールが届きました。審査期間は平均約1週間なのでかなり時間がかかりましたが、これで晴れてDID地区上空の飛行が許可されました。筆者は紙の許可書の発行を希望していなかったので、電子許可書をダウンロードしてプリント。ハンコも押されていない紙なので「本当にこれで大丈夫?」と思いながらも、早速、天王洲に撮影に行ってきました。まず、地元の交番にドローン飛行の届け出をしました。許可書を見せながら、何時から何時までこの場所でドローンを飛ばすことを口頭で告げると「今からですか?」と驚かれたのですが、「東京航空局の許可は取っています」と伝えると「ドローンを飛ばすと110番がかかってくることがあるので、所轄の警察署に連絡が必要です」と言われ、すぐに品川警察署と高輪警察署に連絡をしていただけました。110番があった時の連絡先として氏名・携帯電話番号を伝えて届出は無事完了しました。許可書を持っていれば、自由に飛ばしていいと考えがちですが、まだ一般的にはドローン運用の認知度はそこまで高くないことを考慮し、人工密集地での飛行は警察へ迷惑をかけないためにも、最低限の配慮として警察署への届け出をした方が良いと思います。当日は風が強く、安全基準を満たすためのプロペラガードをつけた状態ではかなり飛行は難しかったですが、無事にDID地区で撮影することができました。

国交省がDIPSから申請受付をはじめたことで、いままで敷居の高かった飛行許可申請が自分でできるようになりました。筆者もいろいろな場所で飛ばしてみたいという気持ちから申請しましたが、その過程で規制について学ぶことが多く、ドローンを安易な気持ちで飛ばしてはいけないと強く感じました。ドローン撮影は楽しく、新しい視点を求めて様々な場所で飛ばしたくなってきます。ただ、ドローンの飛行には規制があることを正しく理解し、許可を取った上でルールに則り、大人としてできる限りの配慮をし飛行を楽しんでください。

※ 申請が許可された操縦者は3ヶ月ごとに飛行実績の報告が義務付けられています。飛行実績の報告の方法(PDF)および報告書の記入例(PDF)も国土交通省のウェブサイトで詳しく説明されています。
※ 東京都品川区にある天王洲は羽田空港の近くにあるため、飛行高度の制限があります。制限は空港によって異なるため、空港管理会社のウェブサイトより確認してください。羽田空港は「羽田空港高さ制限回避システム」から調べると、飛行した場所の高さ制限は130mとのことでした。

( 2018.05.24 )

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こちらはコンボのブラックカラー。パールの入った塗装がシックで格好いいですね。プロペラのついたアーム部分を折りたたむことで非常にコンパクトに携帯いただけるドローンです。

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