Canon EOS 5Ds R, EF50mm F1.0L USM, 1/6400, F1, ISO 100, Photo by K

VOL.01 PROLOGUE
「空からスナップやってみたい」

DJI Phantom 4 PRO and Mavic Pro

・・・という、理由だけでドローンいきなり2台買ってしまった。

こんにちは、PY編集部のKです。「ドローンがなにやら凄いらしい」とは流行に疎い筆者でもさすがに耳にしていたのですが、さして興味がありませんでした。なぜなら映像の世界はさっぱりわからないからです。ただラジコンは大好き。そう、あるときふとドローンがラジコンに見えたのです。そうなるとわかりやすいもので物欲がムクムクと。ラジコン好きといっても特にみなさんに語れるようなものではなく、小さい頃からの憧れで大人になってからようやく買うことができて楽しんでるといった程度です。その程度の私でも空飛ぶ系のラジコンは恐ろしく難しいということぐらいは知っています。しかしドローンについて調べてみると本当に呆気なく飛んでるのです、笑えるほどに。自分にも飛ばせそうだ!これは試してみなければなるまい!ドローンを買えば、読者のみなさんにロケ地の紹介ぐらいできるだろうと半ばこじつけの理由をくっつけてカートイン! 容赦なく決済画面が現れ、挙げ句「明日お届けします」とのこと。支払いもその勢いでどこかに運んでください < 編集長あたりへどうぞ。

( Photography & Movie : K & Serow & TA / Text : K )

PHOTO YODOBASHI

なんて呆気なく飛んでしまうんだ。

届いたドローンを千葉県九十九里浜に早速持ち出す。送信機とドローン本体の電源の入れ方だけマニュアルを見て、あとは画面が促すままに何となく操作。フヮワヮァ!と勢いよくプロペラが回り始め、猛烈にあっさりと頭上へ飛び立ちました。月並みですがお金とともに。送信機には2つのジョイスティックがある程度で、何やら小難しい小さいツマミやらトグルなどは一切無し。その様から想像はしていましたが、本当にあまりに呆気なく。

春先の少し強い風の中、それでも冬とは明らかに違ううららかな青空、ぷかり浮かぶドローン。「空目とはこういうことか」と眺めてしまいました。なんだかよくわからない。ホバリングしているドローンをしばらく見つめていると、なんともいえないこみ上げる喜び。そして頭の中でドラえもんのオープニングテーマが流れてきました。自分が空を飛んでるような感覚がしないでもない、しかし、どちらかといえば大きな空に自分が没入し一体化した感覚。もうこれだけで買ってよかった!

DJI Mavic Pro, 1/180, F2.2, ISO 100, Photo by K

機体操作=フレーミング。あれ?

先に記した通り、映像絡みは自分は疎いのです。ドローンがラジコンに見えてからというもの、まず最初に頭に浮かんだのは「これまでにないアングルで撮影できるといいな」ということでした。つまり、のっけから写真目線でドローンを見ているわけですね。それもいわゆる絶景!というものではなくて、いつものとおりスナップ的に。「ここで少し斜俯瞰で撮れれば…」といった時に活躍するイメージです。もちろん映像の方に興味がないわけではありません。PY編集部員は全国津々浦々ロケに出かけますが、ロケ地を紹介したいことも多いのです。写真よりもドローンを飛ばして映像で、なんて使い道ですね。

そんなわけで飛ばしてみると、やはり。
機体を細々操作して、ドローンの向き、高度、カメラのアングルを調整して思いっきり「フレーミング」してしまいます。確かに最初からそのつもりですが、録画ボタンを押すのではなくシャッターボタンを押してしまいます。飛ばしながら思わず笑ってしまいましたが。

DJI Mavic Pro, 1/2000, F2.2, ISO 100, Photo by K

もちろん、日頃見ることのできない景色も撮ってみたい。いわゆる「空撮!」という画です。これはMavic Proで撮影したものですが、Phantom 4 Pro同様、RAW+JPEGなんて撮影ができてしまいます。最初にPhantom 4 Proを購入したのですが、決め手は1インチセンサーが搭載されていることでした。Mavic Proも、そう日をおかずに追加購入したのですが、こちらはいわゆる“コンパクトデジタル”に搭載されるセンサーです。荷物があまり持てないバイクでのロケの際に持ちだそうと購入したのですが、なかなかどうして。十二分な画質です。

DJI Phantom 4 Pro, 1/320, F5.6, ISO 100, Photo by K

こちらは、Phantom4 Proで撮影。念のため、写っているのは編集部員です。くれぐれも見ず知らずの人にドローンを近づけて撮らないようにお願いします。法律問題も当然ありますが、凶器を飛ばしているようなもので、なにより危ない。

別にハンズオンのカメラで撮ればよいことですが、寝そべって撮らなくてもOK。手で持っての撮影はできませんが、アングルフリー。それがドローンでの撮影です。

DJI Phantom 4 Pro, 1/200, F4, ISO 100, Photo by K

こちら、千葉のとある海岸。PYのロケ地として初期の頃から頻繁に出てくるスポットです。ドローンを上昇させている最中に撮ったカットですが、一見普通に撮ったようで、高さにして10mはありますからハンズオンでは環境的に不可能です。ドローンでスナップするには、リアルタイムで伝送され、モニタに映し出されている映像こそが「自分の眼」となります。画を思いついたら機体を調整操作してフレーミング、といった具合。

DJI Phantom 4 Pro, 1/200, F4.5, ISO 100, Photo by K

同一の場所で、高度100m付近から斜俯瞰で撮影。
10年以上前から数え切れないほど撮ってきたこのロケーションも、上から見るだけでこうも新鮮で胸躍るものなのかと、軽くショック。いやあ軽くはないか。


SONY α7S, Voigtlander NOKTON classic 40mm F1.4, 1/500, F4, ISO 400, Photo by TA

“新しい眼”を持つと、出かけたくてウズウズ。

視点が変わるという「新しい眼」を手に入れたことで、いままで見てきたあらゆる景色がガラっと変わって見える。写真を始めた頃、それまでとは違う意識で景色を見つめるようになったと思います。そう、まるで写真にのめり込み始めた時のような新鮮さ。こうなると、出かけたくなって猛烈にウズウズ。編集部内においてスタッフ仲間達は、ことある事に「…あのね、ドローンはね」とウンザリするほど話を聞かされるハメに。楽しみは共有しないと(笑)

編集部にはバイク乗りが多く、ほとんどのスタッフが日頃から乗っています。バイク好き、写真好き、ドローンが響かないはずがない。まずは、どれほどカンタンにドローンが飛んで、わかりやすいインパクトのある映像が見られるか、彼らにプレゼンテーションを行うこととしましょう。

水没の覚悟だけすれば、こんな映像もカンタンに

Phantom 4 Proを海面ギリギリに飛ばして、一度高度を上げてUターン。今度は波打ち際に迫る波を上空からとらえます。200m程度離れたところから操縦しているため、海面からどの程度の高さで飛んでるのか厳密には視認できませんでしたが、送信機のモニタには1m程度の高度表示となっていました。映像を見る限り、それほどなかったように思います。最初のうちは海の上を飛ばすだけでもおっかなびっくりなのです。それはドローンの問題ではまったくなく、自分自身の経験のなさから。機体は驚くほど常に安定し、衝突安全防止のために各種のセンサーを備え、防止モードで飛ばしていれば障害物を自動で回避してくれたり、間違った操縦を行うことで危うい状態になればアラートも出ます。信号ロスト等でフェイルセーフが働けば離陸ポイントに自動帰還すらしてくれます。正直なところ、操縦者がよほど故意に間違ったことを行わなければ墜落や衝突といったことは起きないのではないかと思います。ただし、あくまで「そうならないように」という話であって、物理的質量のあるものを上空に飛ばしているということはなんら変わりなく、ぜひ慎重に。

とりあえず、見てみたい、わかりやすいものを撮ってみたい

航空法の改正で、飛行可能エリアが明快となりました。たとえば東京都心を撮りたいと思うものの、明確な目的の上に国土交通省に飛行申請が必要となります。法整備はまだまだ追いついていない点もありますが、それでも航空法の改正はよいことだと個人的には思います。DJIのサイトに飛行可能エリアが一目瞭然のマップが公開されているので、ご興味のある方はこちらへどうぞ。

マップを参照すると、木更津側からアクアラインを撮影できそうなので撮りに行ってみました。上空から見た画は、飛行機の中から見ることができるのですが、羽田にアプローチしている最中とはいえかなりの高度です。ドローンであればもう少し大きく見ることができます。いやはや、海にトンネルは掘るわ、そこから海上に躍り出て橋桁渡すわで、人間とは本当に凄い。

富士山の近所に用事があったため、現地でスマートフォンを使い飛行可能エリアか確認して富士山を撮ってみました。そう、常にドローンを車に積みっぱなし。アクアラインも富士山も、単に上空の視点から眺めてみたいという単純な動機での撮影。航空法の制限を受けるのは当然としても、撮って面白い被写体は沢山あれば、いろいろと撮影シーンを頭で組み立てる妄想も楽しい。私の場合、まだまだ単に飛ばしてる程度ですが。

※アクアライン、富士山ともに、Mavic Proでの撮影です。

バイク乗りにはたまらない「アクティブトラック」機能

Phantom 4 Pro、Mavic Proの両機に搭載されているのが「アクティブトラック」機能。カンタンにいえば、走行しているバイクを上空から勝手にドローンが追いかけてくれる機能です。まずドローンを上空に飛ばし、カメラをバイクに向けます。送信機のモニタ上に表示されたバイクを手でドラッグ(四角で囲む)で選択します。追尾するターゲットのロックオンですね。上空からターゲットを飛行しながら追尾できるモードや(トレースモード)、飛行しつつ横方向からカメラで押さえ続ける追尾モードもあります(プロファイルモード)。その他、ドローンは一点で固定し、カメラのチルト・パンだけで追尾するモードなど(スポットライトモード)、多彩な追尾が可能です。

編集部員“Serow”にロケ同伴してもらい、Mavic Proにて撮影。序盤がプロファイルモード、後半がトレースモードです。

彼はこの後、Mavic Proを購入。YAMAHAセロー250といえば、おおよそ走れない道はないという走破性の高さがウリ。あちこちとこのバイクで旅に出る彼にとって、折りたためてコンパクトになるMavic Proはよき相棒となってくれるでしょう。

感心する機能と作り込みの高さ

日をあらためて“Serow”と共に再びアクティブトラックを試します。美しい景色の中を走るのが、バイクの楽しみの1つ。これほどドローンというものが一般的に聞かれる以前から、自分が景色の中で走っている模様を撮影してみたいと思うことは多々ありました。撮影前日に長野に入り一泊、ロケーションを走りながら探し、ドローンを飛ばします。

前半は“Serow”を35m程度上空からトレースモードで撮影してみました。Mavic Proでの撮影です。背中のリュックに突っ込めるサイズで、これだけ映ってくれれば文句ありません。走って実際に美しい道でしたが、空からの映像はやはり面白い。ざっと頭に思い浮かべるだけでも「あそこで撮ってみたい」なんて道が山ほどあります。

後半は私をプロファイルモード、Phantom 4 Proで撮影してみました。田園風景の中を走ってみたのですが、映像の途中で一度Uターンします。感心したのは、Uターン最中のドローンの振る舞いです。ホバリングしつつ、機体とカメラコントロールを統合的に行い撮影を続けるのです。最後に降車して、私はバイクを離れるのですが、ドローンは停車したバイクを捉えて、その場を立ち去る私を追いかけるわけではありませんでした。バイク自体をターゲットロックオンしてるようです。今後、このあたりもいろいろ試してみたいところです。なんというか、とにかくよくできてます。毎度毎度「へえ〜」と感心しきり。

クオリティの高いジンバル

ドローンで映像ならびにスチルを撮影していて驚くのは、とにかく揺れない、ブレないことです。急加速の際に諸条件が合致すると、たまにプロペラが写り込んだりしますが(Phantom 4 Pro)、かなり風の強い日でも映像はビシッと安定。機体とジンバル部分を統合制御していると思われますが、ちょっと感心させられました。自分が手持ちしても、こうは撮れないなと思います。

上の映像は“Serow”が担当。バイクを止めて、目に飛び込んできた景色の「向こう側」にMavic Proを飛ばします。自分ではカメラを運べない場所でもこうして撮影が可能となります。※ちなみにゴーストが盛大に出ていますが、Mavic Proのジンバルカバーを外して撮れば殆ど解決するでしょう。


ドローンが作り出すアングル分だけ、楽しみが増えた

これまで1年中何処かしらで、それも1つ1つのロケーションを何巡と撮影を行ってきました。毎度撮影機材を手にする際に、何処に何を撮りに行こうか思わず頭を掻いてしまいます。ちょっとしたきっかけでドローンに手を出すことになりましたが、まず写真というものの原点を再確認しました。見たことのない景色や光景は文句なしに面白いし、それを記録するのが写真であり、大きな魅力のひとつであるということ。なにか大事なことを思い返させてくれたような気がします。ドローンが作り出す未知のアングルも勿論面白いのですが、これまで自分の身体を使って撮影してきたアングルを見つめ直すことにも繋がる気がしています。まだ、まったく使い込んだうちに入らない両機ですが、撮りたい画が頭の中に多々転がっています。今後その模様をお届けしていきたいと思います。



Phantom 4 ProとMavic Proのチョイスについて

まずドローンが筆者の目に止まった大きな理由の1つに、Phantom 4 Proには1インチサイズのセンサーが搭載されていることでした。映像よりもむしろスチルに興味がある筆者にとって、1インチサイズのセンサーが搭載されていなければドローンに興味を持つことはなかったと思います。スチルカメラで数々の機種でその実力は実証済みで、実際に使用してみても満足しています。搭載上位機種にはレンズ交換可能なマイクロフォーサーズのセンサーを搭載した機種が存在しますが、まず飛ばすことになれる必要もあり、Phantom 4 Proをチョイスしました。筆者の感触としては、業務用途まで視野に入れない限り、Phantom 4 Proで十分だと感じます。

そして、追加購入したMavic Pro。プロペラ取り付けの脚が折りたため、大変コンパクトな機体に魅力を感じながらも、センサーサイズはいわゆるコンパクトデジタルカメラの、それ。そんなわけで当初のチョイスからは外れたのです。しかしPhantom 4 Proのフライトを重ねるうちに、気軽に携帯できるそのサイズに惹かれ、購入するに至りました。実際に飛ばして、映像にスチルにと撮影を行ってみると、なかなかパリっとした画を叩き出すのです。もちろん、より大きなセンサーサイズのPhantom 4 Proのほうが余裕のある画を結びますが、一般的にはMavic Proの叩き出す画で十分なのではないかと感じます。見栄えのする画であり、実際にMavic Proを持ち出すことの方が多いのです。

つまるところ、よりしっかり撮っておきたい人にとっては、Phantom 4 Pro。
まずは撮ってみたい、そして持ち運びを最大限重視する人にとっては、Mavic Proがオススメだと思います。
またボディの大きさの違いは、フライトの動作にも違いが出てきます。Phantom 4 ProのほうがMavic Proよりもパワーを感じ、俊敏さはさほど変わりませんが、どっしりとした印象。筆者自身は、まずMavic Proを試すというのはよい手だと感じます。そしてかなりの確率でトータルに満足させてくれることでしょう。なお、もうすぐDJIの新作ドローン「Spark」が登場しますが、Mavic Proと同様のセンサーを搭載する本格的入門機のようです。こちらを検討するのもよいかもしれませんね。

( 2017.06.14 )

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上を見ればキリがないドローンの世界。ひとまず、遊びで使える中ではほぼハイエンドのモデルがこちら。送信機にモニターがついたモデルです。

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長い飛行時間、力強い飛行、大きいには大きい理由があります。こちらは送信機にモニターのつかないモデルとなります。

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折りたためばコンパクトに、飛行時はの本格的なサイズに。ドローン撮影に最適な1台。しかもかっこいい。

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飛行時間を延長する追加のバッテリーや消耗品のスペアのプロペラ、キャリングケースがセットになったお得なパッケージ。

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よりコンパクトで扱いやすく、そしてリーズナブルに。しかもカメラ性能は上位モデルのMavic Proに迫ります。5色のカラーバリエーションも嬉しいですね。

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本体に加え、追加バッテリーやスペアのプロペラ、送信機やケースなどがセットになった、安心パッケージ。これだけ揃えれば他には何もいりません。

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