製品だけでなくモノづくりへの思いが伝わるシグマブース

シグマのブースレポートをお送りしましょう。まず、新製品(レンズ)の紹介記事でも書きましたが、海外の取材クルーが開場するや否や真っ先にここへ来て、時間をかけてじっくりと取材していたのが印象的でした。シグマの名声が海の向こうまでとどろいていることには何の不思議もありませんが、彼らにしてみればまず最初に取材すべき、つまり「関心度が一番高いメーカー」がシグマだったわけです。もちろん彼らだけでなく、開場直後のあの時間帯にシグマブースにいた人たちはみな同じ思いだった筈で、まだプレス関係者と招待ゲストしかいない、他のブースはまだ閑散としている中で、シグマブースはすでにごった返していました。何をしでかすか分からない(もちろん褒めてます)メーカー、シグマは今年も台風の目でしょう。

トラスを使った金属的なブース造作が目立つ中で、実にシグマらしい、「モノトーン」と「板張り」をモチーフとしたブース。シックで大人っぽい雰囲気であります。「うちら他とはちょっと違いますんで」感が遠目にもありあり。

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思う存分ぐるぐるしちゃってください。

シグマブースを訪れた人が必ず目に留めるように作られているのが、この「遠回り。」と題されたテキスト。正面エントランスの、真正面にまずこれがあります。実はこの裏側にも、同じ内容が書いてあります。横の入口から入って来た人にも見てもらえるようにだと思います。つまり、必ず読んで欲しい、大事なことがここに書いてあるわけです。

ブースの奥へ進むと、「シグマが遠回りをするわけ」と題されたテキストがあります。エントランスにあったテキストから、このテキストへと続いているのです。もちろんこれらは来場者へのメッセージ。と同時に、シグマが自分たち自身へ向けた言葉でもあるのだろうと思います。私は「フィロソフィー」という言葉を久しぶりに思い出しました。格好良くて威勢のいい言葉はあちこちで目にしましたが、こんなふうに真摯な言葉で自分たちの哲学を語りかけているブースは、他に無かったと思います。

さて、製品の展示に目を向けてみます。2月21日に発表された4本のレンズのうち、14mm F1.8 DG HSMを除く3本はタッチ&トライができるようになっていました。常に長い行列が出来ていたことは言うまでもありません。

新製品のガラスケース内展示。14mm F1.8はこちらにありました。

こちらはボディ群。もちろんボディのタッチ&トライもあります。

そしてシネレンズ。これを純粋に道具として使いこなせるのは限られた人たちでしょうが、このカッコよさは何なんでしょう。ワケもなく欲しくなります。

ガラス越しに見ることができるセンサークリーニングサービス。帽子とマスクの隙間から覗く目は、完全にベテランの職人さんのそれ。無駄のない、流れるような手の動きにしばらく見入ってしまいました。

で、最後に。はい、今年もありましたAPO 200-500mm F2.8 / 400-1000mm F5.6 EX DG。本体の写真はもういいでしょう。この角度から見るとまさに兵器。実際の写りもルックスに恥じない破壊力と切れ味。こわいですねえ。

「モノづくり」という言葉が一番しっくりくるメーカー、それがシグマだと常々思っていましたが、今年の展示でそれがさらに裏付けられました。みなさんもぜひ足をお運びいただき、シグマのフィロソフィーを感じて欲しいと思います。

( 2017.02.24 )