シグマの新製品(レンズ4本)

シグマです。相変わらず元気があります。初日の会場オープン直後に目指したのですが、すでにブースはごった返しておりました。プレスルームで隣りにいた海外の取材クルーもここから仕事を始めたようで、関心度の高さが伺えます。シグマはつい先日、レンズ4本を一挙に発表しました。ブースではそのうち3本を実際に手に取ることが出来ます。では順番に見て参りましょう。

100-400mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary

シグマのContemporaryラインのズームレンズを見ると、17-70mm、18−200mm、18−300mmと来て、その次が150−600mmなんですね。これは大きくて重い。だからここに軽量な「使える」ズームを持ってきたのでしょう。事実、シグマは自社サイトの中でこのレンズを「ライト・バズーカ」と呼んでいます。このクラスの望遠ズームが「バズーカ」と揶揄されることを敢えて逆手にとっての命名。なるほど。

このぐらいの焦点距離だと、被写体は動物や子供など動くものが自ずと多くなる。となると強力な手ぶれ補正機構の内蔵が必須になりますが、それでフィルター径67mm、重さ1,160g。写真で見ると全長がかなり長く見えますが、その長く見えている部分はフードですからね。実際には(F値の違いがあるので単純な比較はできませんが)キヤノンの100−400よりも短くて軽い。そもそも三脚座が無いのは手持ち撮影が前提となっている証拠。画質についても、例によって特殊低分散ガラスを効果的に使って倍率色収差を徹底的に取り除いております。


24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art

お次はArtラインの24−70mm F2.8です。このスペックを持つシグマのレンズはこれが4代目。ということは、その時々のシグマにとって、なくてはならないレンズということ。F2.8通しという大口径とは言え、これは標準レンズと呼ばれるもの。標準であるからには「あらゆる状況で」Artラインの名に恥じない写りをすることが大命題。そのために特殊低分散ガラスや非球面レンズをふんだんに採用して高画質を実現しております。

こういうレンズはもう、「開放でどう写るか」が最大の関心事。なのでボケを美しくするために「わずかに」球面収差を残すなんてことをするわけですが、この「残し方」がポイントなのは簡単に想像がつきます。タッチ&トライのコーナーでちょっと触っただけですが、それを見る限りでは、さすがシグマ、そのあたりは上手くやっているなあと思いました。あと、シグマのサイトでは「重さ:未定」とあります(2月23日時点)。まだ仕様の変更があり得るということなのでしょうが、実際に持った感じでは、重いという印象はありませんでした。


135mm F1.8 DG HSM | Art

ここまではメーカーの広報発表とブースでちょっとだけ触った感触で記事を書いているわけですが、このレンズについては実体験でお話しできます。実はすでにちょっとだけ使わせてもらったのですが...これ、もの凄いです。超絶の描写性能です。解像力、色再現力、各収差の補正、というかそんなものはもう当たり前。どんな高性能ボディが相手でも、余裕で太刀打ちできます。線は細く、でもくっきりと迷い無く。固いものは固く。柔らかいものは柔らかく。質感の描写がとにかく見事。これこそArtライン、つまり「技術」の向こうにある「芸術」のためのレンズであると思いました。

メーカーのサイトには「望遠レンズの新しい基準」とありますが、そりゃそうでしょう、これ作っちゃったら。これこそ開放で使うことが殆どでしょうが、薄いピント面は、少々離れたところにあるものでも、そこだけくっきりと立体的に浮き上がらせます。ポートレートのような厳密な撮影ではもちろん三脚必須ですが、スペックを考えれば意外と(このへんのニュアンスは表現が難しいですが)小型で軽量でもあるので、明るいF値と高性能AFの力を借りて手持ちの街中スナップも苦になりませんでした。


14mm F1.8 DG HSM | Art

このレンズだけ、ガラスケース内の展示だけで実際に触ることはできませんでした。14mmのF1.8...まだ見ぬ世界ですねえ。どんな描写をするんでしょう。早く実機に触れてみたいものですが、楽しみに待つことにいたしましょう。


今年もありました、APO 200-500mm F2.8 / 400-1000mm F5.6 EX DG。ここにも盗難防止ワイヤー!(レンズの重さ16kg)

( 2017.02.23 )