Nikon D500, AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR, AF-S TELECONVERTER TC-14E III,1/250, F5.6, ISO 100, Photo by TAK

PY 愛鳥日記
鳥の名は - Vol.1 身近な鳥たち

突然ですが皆さんは鳥はお好きですか? 食べる方でなく、観る方の鳥です。撮影中、構図に野鳥が入ってくることがありますよね。「花鳥風月」というくらいですし、アクセントになるので私はよく「利用」しているのですが、次第にその鳥たちが一体どんな鳥なのかに興味を持つようになりました。初めは双眼鏡で観るだけだったのですが、レビュー記事のロケで数々の望遠レンズを試すうちに段々と撮影してみたいと思うようになりました。そして高倍率ズーム、一眼レフに望遠レンズを揃え、野鳥本も乱読と、多くの人が辿るであろう道を歩み始めた次第です。すると「探鳥地」まで行かなくても身の回りにも様々な鳥たちがいることがわかりました。折しも毎年5月10日〜16日は愛鳥週間。それにちなんで第一回は身近な鳥たちを中心にご紹介します。1枚目は「ヤマガラ」。かわいいでしょ? 人懐っこくて、我がレンズフードにちょこんと乗ったこともあります。神社の縁日でおみくじを引いてくれる光景を懐かしく思われる方もおられるでしょうね。

( Photography & Text by TAK )

Nikon D800E, AF-S NIKKOR 180-400mm f/4E TC1.4 FL ED VR, 1/2000, F5.6, ISO 200, Photo by TAK

一番馴染みがある野鳥はやはり「スズメ」でしょうか。野鳥の撮影でも「スズメに始まりスズメに終わる」と言われているほど、「ザ・基本」のようで、撮る度にいろんな表情を見せてくれます。どこにでもいるイメージですが、随分と数が減っているのだそうです。あ、何かいると思って見たらスズメで「なんだスズメか」という声をよく聞くのですが、いずれ「お!スズメだ!」に変わるかもしれません。

Nikon D500, AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR, 1/1600, F3, ISO 720, Photo by TAK

こちらは「シジュウカラ」です。すばしっこくて撮影は大変ですが、「ツツピーツツピー」「ツピツピツピツピ」という声がすれば必ず近くにいます。最近の研究では、文章を作ったりと言語能力が特に優れていることが分かったそうです。つまり「文法」を持っていると。同じ場所に複数の種類の小鳥たちがいることは普通ですが(同種同士では争うこともあるのに)、その中でもシジュウカラはリーダー的存在で、危険が迫り大きな警戒音を出すと、他の鳥たちも一斉に静まり返るのだそうです。

FUJIFILM X-Pro2, XF50mmF2 R WR, 1/680, F2, ISO 200, Photo by TAK

こちらもおなじみの野鳥、「ヒヨドリ」です。識別は簡単。パンクヘッド。「ピィーッ!」「ヒーヨヒーヨ」とやかましい声。甘党で梅や桜の蜜を吸いにやって来ますし、果物も大好きです。そこたらじゅうにいるイメージですが、実は日本列島周辺にしか生息していないので、海外のバーダーさん(鳥好き)には憧れの鳥かもしれません。ちなみに鳴き声は、不吉な予感がするシーンの効果音(リバーブがかかる)としてよくドラマなどにも使われています。

Nikon COOLPIX B700, 1/60, F6.5, ISO 400, Photo by TAK

11月に街中の公園で撮影。これ、ちょっと「身近」とは言えないかもしれません。撮る時はウグイスかなと思っていたのですが(ウグイスとメジロ、取り違えてませんか?私はそうでした 笑)、眉斑がクッキリしているので多分ムシクイのような気がします。ちなみにムシクイの仲間だけでも10種類以上いるそうですが、どのムシクイか。1枚しか撮れず鳴き声も聴く前に飛んでいっちゃったので分からないのですが、分かるようになりたいです。識別に悩むのも鳥見の楽しみなんですけどね。

Nikon COOLPIX B700, 1/800, F6.5, ISO 800, Photo by TAK

キツツキ科の鳥もすぐそこにいるかもしれませんよ。こちらは「コゲラ」。「ギー」という鳴き声がします。小さいので木をつつく時の音はそれほど大きくありません。木に垂直に止まるボーダー柄の模様を見たら、コゲラです。こうして見ると、カモフラージュ効果も高そうですね。あ、高倍率カメラで小鳥を一発でフレーム内に入れるのはちょっと慣れが必要です。そこそこの倍率でフレームに入れて、徐々に迫っていくと良いのですが、途中で飛んで行っちゃうこともしょっちゅうです。笑

Nikon COOLPIX B700, 1/320, F8, ISO 100, Photo by TAK

「チリリ、チリリ」とさえずる声。羽を広げると鮮やかなイエロー。「カワラヒワ」です。声は可愛いですが、人相が悪いので鳥の世界では苦労している、、、わけがないですね。名前とは違って、陸地にもいます。

Nikon COOLPIX B700, 1/640, F5.6, ISO 320, Photo by TAK

「トラツグミ」。名前の通り虎のような姿をしたツグミです。鳴き声は実に寂しげで、昔は「鵺(ぬえ)」と妖怪呼ばわりされていたそうですが、本人には何の罪もありません。実は中々のダンサーで、地中のミミズをおびき出す独特の動きが「トラツグミダンス」と呼ばれています。

Nikon COOLPIX B700, 1/250, F6.3, ISO 400, Photo by TAK

呼んだ? とあわられたのは「ツグミ」。冬鳥ですが春になっても割と遅くまで居残っている個体も多いです。私の前では堂々たるものですが、気が小さいようで、よくヒヨドリなどに追っ払われている姿を見かけます。私自身、非常にシンパシーを感じる鳥です。

FUJIFILM X-Pro2, Carl Zeiss Tele-Tessar 300mm f/4 T* MM, 1/125, F8, ISO 200, Photo by TAK

ご存知カラス。くちばしが細い方の「ハシボソガラス」です。あまり良いイメージのないカラスですが、高い知性を持っています。餌を与えていた少女に、ビーズやイヤリングや石などの「お礼」を持ってくるようになった話は有名です。この親子は撮影の数日後、電力会社によって巣ごと撤去されました(親鳥は逃げました)。繁殖期のカラスは警戒心が強く人を攻撃することもありますので、人間側から見れば「仕方のない」ことです。一方カラス側から見れば「ある日突然、我が子を家ごと奪われた」。もちろんそのカラスだって他の生物にとっては天敵。それぞれの「事情」を乗せて地球は回っています。

Nikon COOLPIX B700, 1/250, F7.1, ISO 250, Photo by TAK

水辺にも目を移してみましょう。全員集合で夕日を浴びているのはサギ類です。白い方々が通称「シラサギ」で、専門的には「ダイサギ」、「チュウサギ」、「コサギ」(分かり易すぎる呼び名)です。一番大きいのがダイサギで、他はチュウサギかコサギだと思われます。左のほうに「アオサギ」もいますね。冬時のじっと動かない後ろ姿は哀愁たっぷり。でも鳴き声は「グワァーッ!」(笑)。

Nikon COOLPIX B700, 1/250, F7.6, ISO 250, Photo by TAK

こちらは「タシギ」。泥の中をあさり、甲殻類やミミズ類を食べるのに特化したこの長いくちばし、いかがですか。進化ってすごいですよね。「サギ」「シギ」「ケラ」「カラ」、、、この辺の区別がつくようになると人生が楽しくなります。

Nikon COOLPIX B700, 1/500, F6.5, ISO 110, Photo by TAK

仲睦まじい「コガモ」夫妻です。アップでは分かりにくいですが、日本で見られる最小サイズのカモです。水鳥撮影の中ではカモ類は基本でしょうね。どのカモも美しいですし、じっくり観察するだけでも目の保養になります。

Nikon COOLPIX B700, 1/1000, F6.5, ISO 280, Photo by TAK

最後は「イソシギ」さん。こちらもよく見かけるシギですが、タシギほどくちばしは長くありません。この写真で初めて気がついたのですが、彼らも水中では目をつぶるんですね!初めてプールに入った時を思い出しました。こういう瞬間の表情からも学べるのも、写真の強みかもしれません。

PHOTO YODOBASHI

野鳥観察で広がる世界

今回ご紹介した13種類の多くは、公園や川など身の回りで比較的簡単に観ることができます(ツグミは冬鳥)。本格的に野鳥撮影を初めて半年にも満たない私でも今まで50種類ほどを撮影できていますが、日本で観られる野鳥は500〜600種にのぼると言われています。身近な鳥から珍鳥まで、それぞれに魅力があり実に奥の深い世界です。雨が降っていてもスズメが鳴き始めたら2、3時間後には晴れますし、例年にない寒気が襲う早春でもツバメはちゃんとやって来ます。彼らを観ていると季節の移り変わりを敏感に感じるようになります。撮影のポイントは色々ありますが、まずはとにかく速いシャッタースピードを使うこと。そのためにはISO感度も思い切って上げます。忍耐も大切ですが、これは鳥以外の撮影でも同じですね。専門的な知識もあったほうが望ましいですが、そこまで敷居の高いものではなく、観る、調べるを繰り返すうちに自然と身についていきますし、撮影中に出会う「同志」から話を聞いたり探鳥会に出かければ、段々と識別力も上がるでしょう。とにもかくにもまずはじっくりと観ることから。ポケットサイズの図鑑と双眼鏡を持って、身近な野鳥に会いに出かけてみませんか? ほどなく撮影機材が欲しくなったら、PYをじっくりとご覧ください。では、次回もお楽しみに。

※複数のフォーマットで撮影していますが、写真の比率は2:3に統一しています。

( 2018.05.08 )

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鳥本の手始めは、観察に携帯できるコンパクトな図鑑がオススメです。イラスト、写真とそれぞれの良さがありますが、こちらは写真による図鑑です。そのうちどちらも欲しくなりますが、私は数種類の図鑑を使い分けています。

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双眼鏡は8倍から10倍のものが良いでしょう。ぜひ店頭で覗いて見比べてみてください。私自身は、見え味とコストパフォーマンスでこちらのペンタックスに決めました。

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ポケットにも楽々入るコンパクトな単眼鏡も重宝しますよ。7倍のタイプもありますが、こちらは広角の5倍タイプ。広い分、パッと構えてもターゲットを視野に入れやすいのです。

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撮りたいけど本格的に足を踏み入れるのはまだちょっと、、、。分かりますその気持ち。まずは高倍率ズームはいかがでしょう。最大1440mm相当の超望遠です!大きなセンサーではありませんが十分な光量があれば画質も問題ナシ。撮れないより撮れたほうが良いに決まっていますから、まずは一台持っておくとよいでしょう。

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鳥を見つける最も有力な情報はズバリ、声です。声が分かれば鳥の種類が予想できます。この手の音源を一つ持っておいて、普段から聴いていれば識別力が格段に上がります。ただ最後まで通して聴いた試しがない。必ず途中で寝てしまうのです(笑)。そういえば南北首脳会談の中継で、クロツグミっぽい声がしていましたね。

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日本唯一の野鳥観察に関する月刊誌です。特集や付録など鳥好きにはたまらない内容が盛りだくさんで、年に一度の野鳥人気投票も名物です。私は「イソヒヨドリ」に投票しました(ISOじゃなくて磯です)。

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