PHOTO YODOBASHI

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はい、ウラジオストクです。成田から2時間半。あっという間に着きます(そのわりには前置きが長かったですが)。オフシーズン、しかも年末年始のお休み直後のオーロラ航空・エアバスA319はガラッガラ。今回、現地を見て回れたのは実質1日だけだったので、かなり急ぎ足ではありましたが、その様子を写真とともにお届けしたいと思います。もはや510さんとはあんまり関係なくなっちゃってますが、「ぜんぜん役に立たないウラジオストク観光ガイド」、気楽に眺めていただければ幸いです。

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着いた日の気温は最高がマイナス10度、最低がマイナス20度。やっぱり寒いです。しかし、飛行機を降りてからいきなり屋外でしばらく待たされます。理由は入国審査の部屋が狭く、レーンの数も少ないので一便到着するたびにいっぱいになってしまい、入場を制限していたから、というのが後から分かります。やっと部屋に入って列に並びますが、これが一向に進まない。つまりかなり時間をかけて入国審査をしているのですが、さすがに遅すぎると思ったのか、空港の職員がレーンの先へ行って入国審査を担当している女性になにか一言。するとアラ、急に流れ始め、あっという間にパーンっ!とハンコが押されて入国審査完了。このへん、実にロシアっぽい(個人の感想です)。

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空港からバスに乗って市街へ向かいます。高速道路から見るウラジオストクの夕陽。周りを見ると、走っているのは日本の車ばかり。ここでも日本車は人気があり、日本からたくさんの中古車が輸入されているとのこと。見た感じ、9割が日本車。ロシアは右側通行ですが、むしろ左ハンドルの方が珍しいという状況。

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初日の夕食は適当に目についたレストランへ。まずはウォトカで乾杯の図。このレストランもそうでしたが、ウラジオストクは料理がとても美味しいところでした。

Photo by 510

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地理的に韓国からのお客様が多いようですが、日本からの旅行者も増えているようで、料理のメニューや街なかの看板に日本語がちらほら。でも、なんかちょっと様子がおかしい。

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ウラジオストクはシベリア鉄道の終着駅でもあります。これは最終キロポスト。モスクワから9,288km。

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「ちょっと写真撮ってもらえませんか?」と510さんにカメラを手渡したこのおじさまは、当然510さんが誰かなんて知りません。「シャッターボタン分かる? ああそれそれ。それ押すだけだから」とおじさま。「あ、これですね。分かりましたー」と510さん。

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実際にシベリア鉄道に乗ってみました。とは言っても「シベリア鉄道」と聞いて誰もが連想するあの寝台列車ではなく、普通の通勤列車みたいなやつで10駅だけ。

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シベリア鉄道の車窓から。朝9時ぐらいでまだこの暗さ。

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同じく車窓から。これ、見えているのは海です。凍ってます。その上を車がばんばん走ってます。大丈夫なのかなぁ。で、みんな釣りをしてます。何を釣ってるんでしょう? やり方はワカサギ釣りと同じみたいですが、調べたら海にも棲んでるようなので、本当にワカサギかもしれません。

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地理的に、昔から日本との繋がりが深いウラジオストク。かつては日本人街があり、日本人が経営するお店や会社、日本の銀行の支店などもあったようです。実は日本式のお寺もあって、その名も「浦潮本願寺」。今はもうありませんが、これはその跡地に建つ記念碑。ピーク時は6,000人ぐらいの日本人が居住していたらしいですが、現在は100人ぐらいとのこと。「それでも100人いるんだ?」という感じではあります。

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C56潜水艦博物館。普通の道路の脇に、いきなり本物の潜水艦がどーん!と鎮座しています。でかい! このC56潜水艦は第二次世界大戦中の1941年10月に就役して計8回の軍事航海に出撃。戦艦2隻と輸送艦2隻を沈め、1944年には赤旗勲章を授与されたという、とても優秀な潜水艦だったとのこと。戦後は潜水艦の海難事故の救出訓練に使われたらしく、あちこちに穴を開けられているのがわりと雑に塞がれていました。本当は内部に入れるらしいのですが、今回はパス。下の写真は第二次世界大戦で亡くなった、ウラジオストク出身の兵士の名前が一面に刻まれた壁。

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テロ対策のため、公共の建物に入る時には必ずボディチェックが行われます。しかもかなり厳重。例えば駅。列車に乗ろうと駅構内に入る時にチェック。列車を降りてまたチェック。「あ、ホームを間違えた」と、隣のホームに移るだけでもチェック。つまり「屋外から屋内へ」という場面では必ずチェックが行われます。携帯電話は、画面がちゃんと表示されるかどうか見せろと言われます。携帯電話型の爆弾を警戒しているのですね。正直、あまり緊張感があるとは言えない日本がいいのか悪いのか、それは分かりませんが、この点に関してはかなり厳重なのが現在のロシアです。この写真は博物館の入り口ですが、もちろんチェックゲートがあります。でもここでの注目は、ゲートの上から市民の安全を見守る猫ちゃんですけどね。

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なぜかプーチンさんのカード(裏がカレンダーになっている)を購入した510さん。本稿の最初に出てきた「歴代大統領/書記長マトリョーシカ」もそうですが、他にもマグカップとか、Tシャツとか、国のいちばん偉い人なのにわりとカジュアルに登場されます。プーチンさんは国民から絶大な人気がありますし、ご本人もこういうの嫌いじゃないのでしょう。

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ポクロフスキー聖堂。壁一面の聖人のイコン(肖像)。このイコンは駅などにもあったりして、皆その前で祈りを捧げています。たまたまこの時は聖水の頒布が行われる日で、次から次へと信者の方が来ていました。

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「日本からいちばん近いヨーロッパ」と言われるだけあって、ヨーロッパ風の古く、非常に美しい街並みのウラジオストクです。また坂の多い起伏に飛んだ地形でもあり、それがさらに「いいカンジ」を醸し出しています。観光客の誘致に力を入れているようですが、かと言って浮ついた雰囲気は皆無。とても静かで落ち着いた街です。行くなら今かもしれません。

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ウラジオストクを見下ろす鷲ノ巣展望台にて。この大きな橋ができる前は対岸へ船で渡っていたのですが、本当に寒い時期は氷が張って、歩いて渡れたとのこと。こうして見ると、やはり軍港であることがわかります。

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それにしてもお願いすれば何でもやってくれる(ウォトカでだいぶ出来上がっているとは言え)510さん、素晴らし過ぎます。それなのにピントは敢えてトラ(笑)。では、最後に510さんに今回のウラジオストク行を簡単に総括していただいて、終わりにしたいと思います。

まず最初に、次は南国にしましょう。日頃から薄着の寒冷地仕様なカラダではありますが、寒さはもう十分。ビーチサンダルとTシャツも大好きなんです。是非とも長めの日程で。

さて今回のミステリーツアーの最初の心配。大勢に囲まれて肝心な部分が黒塗りの紙を出されたのです。と聞くと実にアヤしいのですが、まぁそう悪い人達じゃないからとサイン。飲みながらそれとなく行き先に話題を振ってもだ〜れも口にしない見事な緘口令。次の心配は服装です。小出しに僅かづつ教えてくれる情報によれば、持っている防寒着ではとても無理。そこで最近人気上昇中の「働き男」のお店へ。噂どおりプロ用からお洒落なのまであれやこれや。しかも安い。上から二番目、オレンジ色を購入。シューズは北海道での仕事用に買ったもの。F4を開発中の時期でしたから30年以上前のものなんですけどね。歩くうちにばらばらになったら困ると思っていましたが幸い大丈夫。あと20年は使えるでしょう。

やはり一番の心配は「いったいどこへ?」。とても寒い国に2泊3日と言う話ですから、そう遠くはない中国北東部? アラスカ? 露西亜? まさか38度線の近く? などと妄想ばかり。荷物の準備と言う名目で聞き出した電源プラグの形式はC型。多少絞込めたもののやっぱり判らない。知らない国がイイなと願っていたのが・・・出張のチャンスがなかった露西亜ではありませんか! ピロシキ、ボルシチ、ウオッカ、ヤー・チャイカ! でもそれを知らされたのは搭乗2時間前の成田空港。ミステリーツアーもここまでやるか。

シベリア鉄道で「スプートニク」駅を通過しました。日本人より遥かに正しい日本語を操る美人ガイドさんから「衛星」と言う意味だと知らされ、小学校時代の大ニュースを思い出しました。アメリカに先駆けてソ連が飛ばした人工衛星の名前です。その後ガガーリン、アメリカは慌ててNASAを設立、月面着陸、スペースシャトル・・・その間のNASA用カメラの仕事・・・60年の歴史が見事につながりました。来て良かった。そう言えば「スプートニクス」の「霧のカレリア」を日劇で聴いたっけ。え? 誰も知らない?

Photo by 510

しかし聞きしに勝る寒い国でした。頭のてっぺんから足の先まで露西亜の冬を実感したのがこの写真の場所。目の前は「金角湾」と言う軍港だとか。何しろ展望台ですから吹きっさらし、地面は凍っていて寒いのなんのって。しかもツアーの直前に目の周りに炎症が起きて腫れていました。昔からそんな目だよ、とは家人の弁。でももういつものぱっちりおメメに戻りましたのでご安心下さい。

ところで買い揃えた防寒着、その後の暖冬日本では着るチャンスがないまま、もうすぐ春ですね。冬は冬らしく、きりっと冷えて欲しいものです。

繰り返しますが次は南国、3泊くらいがイイな・・・。

510