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LEICA M10, Voigtlander COLOR-SKOPAR Vintage Line 21mm F3.5, Photo by K

Voigtlander COLOR-SKOPAR Vintage Line 21mm F3.5 Aspherical

LEICA Mマウント用としてフォクトレンダーには21mmのレンズが最初期の頃からラインアップされていました。まだフィルムの頃で、BESSAシリーズというマニアックなレンジファインダー式カメラが並んでいました。ライカユーザーにとって「21mm」という焦点距離は特別な響きがあるのではないかと思います。ライカ純正レンズとしては古くからElmarit 21mmなどがラインアップされていましたが、どちらかといえばシュナイダーのSuper Anglon 21mmの存在感に私はヤラレていました。ウンウンと頷く方も多いのではないかと思います。Super Angulonは高価ですもんね。フォクトレンダーはそんな話を放っておくようなメーカーではありません。そんなわけで、レンズ断面図を見ても「美味しそう」な、この大変コンパクトな21mmを古くからラインアップしていたというわけです。当時使った印象としては、大変素直な画作りで、しかし原色がそのままストレートに載る、そんなレンズでした。この「Voigtlander COLOR-SKOPAR Vintage Line 21mm F3.5 Aspherical」は、昨今フォクトレンダーがラインを整えつつある「Vintage Line」というクラシカルかつ高品位な意匠に身を包み、フランジバックの短いM型でも周辺部の色の暴れなどが起きないように対策されたレンズです。元々のルーツであるレンズを愛用してきたことからも、試写を楽しみにしていました。作例とともにご紹介したいと思います。

( Photography & Text : K )

LEICA M10, Voigtlander COLOR-SKOPAR Vintage Line 21mm F3.5, Photo by K

とりあえずの印象は「写るな〜!」といったもの。周辺の色転びなどは皆無、お約束で光量はズドン!と落ちますが流れは全くありません。順光なので条件的に青空の色は深く落ちやすいのですが、色乗りといい「らしい」再現です。実に深みのある色でライカボディの繰り出す渋い色味ともマッチングがよい気がします。個人的にはもう少し彩度が低めでもよいのですが。

LEICA M10, Voigtlander COLOR-SKOPAR Vintage Line 21mm F3.5, Photo by K

はじめてのレンズを手にしてまず試すのが「水もの」の描写。かなりコントラストの高い環境でしたが、濃密なトーンといい、実に艶っぽい。最初期の頃のレンズもシャープでしたが、そこから一段上の印象です。

LEICA M10, Voigtlander COLOR-SKOPAR Vintage Line 21mm F3.5, Photo by K

少し光のない景色を探して・・周辺は黒く落ちるあたりの露出を選んで、色温度を少し低めにセットして撮影しました。真っ黒に潰れるまでのシャドー側のトーン、そして飛ぶ寸前のハイライト側のトーンを見たいわけです。モノクロフィルムなどでもよいレンズだと思います。それもフジのアクロスやコダックのトライXなどよりも、イルフォードのPAN F PLUSあたりと組み合わせて静謐な雰囲気が出そうで面白そうです。しかし歪曲を感じさせない真っ直ぐな線が気持ちいい!

LEICA M10, Voigtlander COLOR-SKOPAR Vintage Line 21mm F3.5, Photo by K

近くが近く、遠くが遠くに感じられる描写。直線が直線として写り、立体物が立体として写る。素晴らしいと思います。


LEICA M10, Voigtlander COLOR-SKOPAR Vintage Line 21mm F3.5, Photo by K

少しおぼつかない光の画も。使い込まれた調度品、踏み込まれてきた床、マテリアルの質感再現もさることながら、何よりこのルーミーな店内の雰囲気がよく再現されています。なんだかお客さんたちが談笑する姿が見えてきそう。

LEICA M10, Voigtlander COLOR-SKOPAR Vintage Line 21mm F3.5, Photo by K

硬い光、それをガリッと硬く現像。それでもひとつひとつの素材の雰囲気を伝えるのが大したものです。

LEICA M10, Voigtlander COLOR-SKOPAR Vintage Line 21mm F3.5, Photo by K

輝度差がかなりあり、条件的に撮影が難しいシーンです。最短に近い距離でしたが、ボケ味の心地よさは超広角としては望外のものです。また、ありがちなシェイプの誇張も感じられず自然な描写です。

LEICA M10, Voigtlander COLOR-SKOPAR Vintage Line 21mm F3.5, Photo by K

超広角ですが自然な描写ですよね。50mmあたりを覗いてるような感覚です。引きの効かないシーンで、遠くから近くまでこれだけモノが詰まるフレーミングでこの描写の自然さは嬉しい。

LEICA M10, Voigtlander COLOR-SKOPAR Vintage Line 21mm F3.5, Photo by K


「これでいいんだ」と、にやけてしまうその写り。

さすがにセンサー周辺部への対策は施していますが、それでも何を作ろうとしているのかが大変明確で筋の通った思想を感じるレンズです。Super Angulonあたりに代表される、超広角にもかかわらず実に素直な描写。それを現代のデジタルカメラで使えるように濃密にアップデートされています。周辺が落ち開放F値が暗かったり・・現代のレンズであれば、それらを一掃するような話になるのかもしれませんが、その傍ら失われるものもあろうかと思います。もちろんよく写るんですよね、技術の粋を集めて今のこの時代に生まれるのが現代のレンズですから。ただ、レンズの選択は目的においてなされるものであり、この21mmのようなレンズが存在するのはありがたいものです。ライカのオールドレンズを御するのが難しいと感じたなら一度試してみてください。笑顔になれますよ。

( 2020.10.29 )

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コンパクトで実用的な性能に、Vintage Lineらしいエレガントな外装を纏ったCOLOR-SKOPARの21mmです。

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スタイリッシュな専用フードもお忘れなく。ライツ往年の「SOOBK」を彷彿とさせる角形形状に縮緬塗装とゴージャスな仕上がりです。

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フィルターにもスーパーEBCコーティングが施された富士フィルムのプロテクトフィルターはいかがでしょうか。Xシリーズ向けに作られているため、ライカ系レンズに多い39mmの小口径も用意されています。

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見えのよい光学ファインダー。これは見た目重視なだけのアイテムではありません。ヌケのいい光学ファインダーはEVFとは違った満足感を演出してくれます。こちらは21mmと25mmのフレームが表示されます。

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