TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD [IF] MACRO Model A001

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

今となっては、さらにレンジの広い高倍率ズームも多数リリースされる中、望遠ズームの定番レンジとなる70-200mm。守備範囲は焦点距離にして3倍弱ではありますが、レンズ構成に無理がないためか、全域においてシャープで色乗りのよいなかなかの描写を見せてくれます。同焦点域の純正レンズと比べると、開放時では僅かに及ばないものの、その1/3程度の価格でここまで描けるのですから、すこぶるコストパフォーマンスに優れた1本であることは確かです。ボケ味は自然な柔らかさがあり、最短撮影距離は95cmと寄れるので、じっくりとマクロ的な撮影を楽しむのもよいでしょう。気軽に使える望遠ズームとして、とことん使い倒してみてください。

( Photography : T.Nakanishi / Text : KIMURAX )

高速シャッターで流れを写し止めましたが、目の覚めるようなシャープさです。飛沫の一粒一粒まできっりと描ききっています。

ちょっと変わった枝ぶり、いや茎ぶりですね。可愛くて面白いなぁと思いつつ、テレ端ですぱっと切り取ってみました。距離によってはボケの輪郭が強めに出ることもあるようですが、基本的には柔らか傾向。色と化した後ボケのグラデーションも可憐な被写体をうまく引き立てています。

テレ端の圧縮効果で、色とりどりの花の絨毯が敷き詰められた丘を写し込みました。開放で捉えたラベンダーのピントピークはシャープになりすぎず、そこから滑らかにボケが前後へと広がっていくようです。

開放の柔らかさを感じさせる撮像は、絵画のようなタッチです。路面の粗は描きこみ過ぎることなく、大きく刻まれた轍を丁寧に表現しています。