PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

SONY α77 / SHOOTING REPORT

透過光ミラーを実装することで、一眼レフにもミラーレスにもない形を実現した「α55」。それから一年を経て、中級機という位置づけで発売されたのがこの「α77」です。コンパクトで軽快な印象のあるα55に比べると、ボディはしっかりとした大きさになって質感も良好。機能面での進化は明白です。α55で高い評価を得た高速レスポンスは一層その速度を高め、搭載するセンサーは2430万画素の高解像度。様々なポジションを可能にする背面液晶はもちろん、有機ELを採用したファインダーは見やすさを増し、写真を撮る道具として一段階も二段階もグレードアップしてきました。その姿は往年のカメラユーザが手にしても満足感を得られる「直球」。しかしその中身は現代の技術を惜しみなく盛りこみ、変化を恐れないソニーらしい意欲作です。本モデルからさらに一年を経てフルサイズフラッグシップ機「α99」が登場することになりますが、プロ・アマチュア問わず、写真を撮る道具として第一の形であり続けてきた一眼レフタイプのカメラを、積極的に再定義していこうとするαシリーズ。これからデジタル一眼に取り組む人にももちろんですが、長年カメラを使ってきた方にこそ、新鮮で面白いカメラかもしれません。

( Photography : A.INDEN & Y.Moriki / Text : M.Ishizuka )

EVFとトランスルーセントミラーによる、デジタル一眼の新しい形。

写真ではお伝えできないのですが、有機ELファインダーの見えの良さはこれまでのEVFとは次元の異なるものです。見ていて疲れも少なく、光学ファインダーにも迫る仕上がりになってきました。写真を撮る道具として一眼レフがここまで広く受け入れられた理由のひとつがファインダーにあると思いますが、そこに変化の先鞭を打つあたり、ソニーだからこそできる決断でしょう。もちろん見え方において光学ファインダーを超えた、と言える段階ではないかもしれません。しかしEVFだからこそ表示できる情報量や表示の変化・拡大といった可能性を考えれば、いつか光学ファインダーに勝る存在になることは想像に難くありません。透過ミラーの搭載もしかり。α55の発売は「面白い機種がでてきたな」という印象でしたが、このα77が姿を現したことで「α」の目指す世界が明らかにされたのです。

より精細になったセンサーで、解像感はもちろんトーンがぐっと良くなった印象です。日の沈んだ直後のドラマティックな時間、雲のグラデーションや空の色合い、海の反射とうねり。見事な描写です。

画の精細さにはご安心を。それだけレンズの性能が出てしまうセンサーでもあります。

元々ソニーの画作りは上手いという印象ですが、一段といい画になってきたなと感じます。新しい製品ほどこなれてくるのは、デジタル製品ならではというところでしょうか。甘栗食べたくなりますね。

レスポンス良い動作と高速AFで、小気味よい撮影。

キビキビとした動作はαシリーズの得意とするところ。トランスルーセントミラーによって実現する高速AF、ミラーアップのないシャッター動作など、その感触は従来の一眼レフとは異なる世界です。こういった技術の進化をベースにすれば、一発必中で狙うというよりも高速シャッターを切っておき、決定的瞬間を手に入れるという考え方もアリでしょう。まさにそんな使いかたができるカメラなのですから。

こんな瞬間を追いかけられるのは高速AFと高速シャッターがあればこそ。ズババババッと、切ってみてください。

昆虫というのもなかなか手ごわい被写体ですが、うまく止まってくれました。飛んでいる蝶々などはAF泣かせの存在ですよね。

追尾フォーカスは使ってみれば誰もが驚くギミックでしょう。運動会など動く被写体を追いかける際に、威力を発揮します。

バリアングル液晶というのもいわゆる一眼レフでは見かけない機能です。ローアングルポジションなど、自在な画角を可能にしてくれます。


一眼レフカメラという形は、長い年月をかけて作り手・使い手双方から磨かれてきた形です。細部に至るまでこの形になった必然性があり、技術的な進化があってはじめて変化が可能になります。α77は、まさにそんな変化を体現する新世代のデジタル一眼と言えるでしょう。例えば「見え方」はまだまだ敵わなくとも、光学ファインダーにはできない芸当をやってのける有機ELファインダーを採用すること。追尾するオートフォーカスを使って、ハイビジョン動画が撮れること。変化を新鮮に感じ面白がることのできる感度の高い方々に、自信を持っておすすめしたい1台です。デジタル一眼の未来とその幕開けを、感じられる製品だと思います。もしこれで物足りなくなるのなら、α99という選択肢も待っています。

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