昨年 "Artライン" の「35mm F1.4」がリリースされフォトヨドバシでもレポートをお届けしました。今回は "Contemporary ライン" 第一弾として本レンズがリリースされます。早速テストすることができましたので、その模様をお届けしたいと思います。旧モデルは、レンズ前玉数センチまで寄れる抜群の接写能力、テレ端が70mm(35mmフルサイズ換算約105mm付近)となにかと使い勝手に富み、大変コンパクトなモデルでした。写りの方は大変シャープな印象があります。さて、新モデルはどんな写りを見せてくれるのでしょうか。作例を参考にして頂ければ幸いです。

( 写真/文:K )

旧モデルも十分コンパクトなレンズでしたが、今回なんとさらに30%もコンパクトに。ワイド端F2.8-テレ端F4と十分な明るさであり、おまけに手ブレ補正機構まで搭載されています。それでいてこのコンパクトさは驚異的としか言いようがありません。テレ端が標準ズームとしては長めなのもありがたいところ。F2.8通しのレンズはF値が変わらないのはよいのですが、テレ端が35mmフルサイズ換算で約70mm近辺だともう少し欲しくなるシーンが多々出てきます。したがって105mm付近まで伸びると、これは本当にありがたいですよね。さらに驚異的に寄れるレンズでもあります。これも実に大きなメリット。ガリガリと撮る人にとってはこの上ない常用ズームとなるでしょう。描写の方は旧モデルでも十二分に写る印象でしたが、今回のモデルは、キレ・ヌケ・ボケ味と全方位アップした印象です。なんというか、曖昧さが消え去った印象で、画のクリア感が増した印象です。

フォトヨドバシのレポートはあまり絞らないことが特長ですが(笑)F8まで絞り込んで撮影。開放からかなりシャープで、1段も絞り込んだらもう十分。あとは深度が単に増していく、そんな印象です。目が痛くなるようなシャープさではなく、シャープなのですが柔らかさも感じられる、実に自然なエッジラインを描きます。思うに、EOS 60Dとの組み合わせだと、まだまだレンズ側に余裕を感じます。SD1 Merillあたりと組み合わせてみると、レンズの限界性能がわかるかな? という気がしますね。

なんだか面白い写りです。これ、レンズが不良品なのではありません(片ボケみたいに見えますよね)。強烈な反射光で、ファインダーを覗きつつ目を開けてられなかったほどです。ご注目いただきたいのが、ピンを置いた ”ビット” 部分。絞り開放で、これだけ鮮明に写し込んでくれるのですから大したものです。しかも実に緻密に像を結ぶ印象です。
※「ビット」・・・船からロープを結ぶための柱ですが、このロープを”ホーサー”と呼ぶそうですね。

シャープなレンズを手にすると、必ず試してみるのが「どオーバー」。レンズの階調特性とコントラスト特性を見るのにも試してみます。シャープかつ、階調・コントラストがよい塩梅でなければ、あまりよい結果が得られないのですね。凄く綺麗な写りだなあと思うのですが、いかがでしょうか。

本家等倍マクロほどではないにしろ、猛烈に寄れるので、お店でちょっとテーブルの上を・・・なんてときにありがたいレンズ。旧モデルはここまで鮮明に像を結ばなかったような印象があります。ボケ味も十分なだらかで好印象。ちなみにこのカットは最短より結構引いたカットです。もっと寄れます。街中を歩いていて小さな花を見つけ、さっとクローズアップなんてこともできてしまうのです。

 

35mm F1.4レンズの際に記しましたが、シグマ社はFoveonセンサーを搭載したMTF測定器を自社開発されたそうです。Foveonセンサーといえば、デモザイキングの必要の無い、1画素がそのまま1ピクセルに結実するセンサーであり、当然そんなセンサーを搭載した測定器なら、レンズの解像力そのものの定義が変わってくるのかもしれません。しかも3層構造で光を縦方向に捉えます。詳しく伺ったわけではないので、あくまで想像ですが、色収差等にも相当厳しい測定器ではないかと思われます。そんな自虐的な!?測定器を使ってレンズの開発をすすめると、必然的に"澄んだ画"になるのかなあと想像してしまうのですね。言ってみれば、これまでとはレンズ開発における視座が変わってくるのではないかと想像します。実際に写してみると、35mm F1.4にしても、本レンズにしても、非常にクリアな描写といった印象です。なんら混じり物が感じられない、そんな印象なのです。見たまま忠実に写る、そんなリアリティを感じさせられるレンズです。

谷中を歩いていると、なんだか懐かしいお店が。長年使い込まれたクリアケースの風合いがよく再現されています。

どうですか、このポットの質感。

わりとフラットな光の中で撮ると、レンズの根源的な能力が見える気がします。この季節ロケに出ると日没が早くて、夕方になると人相が変わってきます。淡く光が失せていくこの冬の雰囲気がよく再現されています。しかし開放だというのに、画面の隅々まで均一な写りで大したものです。

 

Art ラインが、特定の目的を持つ皆さんに向けたレンズだとすれば、より広範に対応する「Contemporaryライン」のほうが、ある種作るのは難しいレンズかもしれません。コンパクトで、描写もよく、デザインもよく、そしてこれまでのシグマ社らしいプライス。正直なところ採算取れるのかなあ?と不思議な気分です。35mm F1.4同様、レンズのデザインも凝りに凝っています。実に抑えの効いたデザインで、触っていると嬉しくなりますね。手にする道具なのですから、触って嬉しいというのは凄く大事な要素だと思うのです。お近くにヨドバシカメラの店舗があれば、ぜひお手にしてみてください。APS-Cサイズの一眼レフオーナーの皆様には嬉しい1本だと思います。

Loading..

Loading..

シグマSAマウント用です。

価格:Loading..(税込)

Loading..Loading..)

定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..

Loading..

Loading..

Loading..

キヤノンEFマウント用です。

価格:Loading..(税込)

Loading..Loading..)

定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..

Loading..

Loading..

Loading..

ニコンFマウント用です。

価格:Loading..(税込)

Loading..Loading..)

定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..

Loading..

Loading..

Loading..

ソニーAマウント用です。

価格:Loading..(税込)

Loading..Loading..)

定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..

Loading..

Loading..

Loading..

ペンタックスKマウント用です。

価格:Loading..(税込)

Loading..Loading..)

定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..

Loading..