robo_01 - Spherical Image - RICOH THETA
RICOH THETA m15 | SHOOTING REPORT
「空間を切り取る全天球カメラ」リコーのシータが新しくなりました。魚眼レンズを2つ搭載し、一度のシャッターで上下左右前後＝全天球を切り取れるカメラとして話題になったので記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。そして実際に360度グルリと回転できる写真をご覧になられたことでしょう。初代シータの発売から1年が過ぎ、アップデートされたのは要望の多かったというムービーへの対応。確かにこのカメラを使っていると、せっかくグルリと撮れるなら動画でも撮ってみたいと考えてしまいます。唯一無二のガジェットが果たした進化を早速確認してみましょう。
( 写真：T.Nakanishi, 4beats / 文：4beats )
Walk_01 - Spherical Image - RICOH THETA
まずはムービーを再生してみてください。そして画面をドラッグしてみましょう。動画なのに、360度グルリと視線を動かせるって凄いですよね！！これなら画角が足りないからパンしなきゃとか、撮影者が写らないとか、考えなくても良いのです。残しておきたいシーンで、ただムービーを撮るだけで全てが残る。なんて画期的なんでしょう。ユーザーからの要望が多かったのも頷けますよね。一度に3分までしか撮れないとか、動きの激しいシーンではCMOS特有の画像の乱れがあったりとか、そんなこと気にならないくらいにとにかく楽しめます。動画撮影モードにするとスマートフォンでライブビューができないので、持ち帰ってPCで観るまでのお楽しみができるのも一興かと。
fall3 - Spherical Image - RICOH THETA
こちらもムービーです。落ち葉の舞う境内にカメラを固定してみました。置くだけで周囲がグルリと写るわけですから、周りの動きを捉えるにはもってこいです。とは言え落ち葉のような小さなものを撮るにはカメラの目の前を通過してくれないと、遠近感が強すぎるので判りにくくなってしまいますね。ゆとりがあれば一度静止画モードにしてシャッターを切ってみると、アングルを確認できます。
Workshop_01 - Spherical Image - RICOH THETA
ここからは静止画でご覧下さい。子どもたちが少々手の込んだお菓子作りにチャレンジ。その手元、表情、目線はどこを向いているのか、そしてワークショップ全体の様子、全てがワンショットに収まっています。360度写せるからこそのカットですね。一眼レフなどでしっかり残すのも大切ですが、こういうアングルで捉えるのはなかなか難しいもの。小さな本体ですから威圧感もなく、お菓子作りの邪魔にならなかったからこそ抑えられたカットです。
Interior_02 - Spherical Image - RICOH THETA
直線と曲線の入り交じった空間を捉えると、とっても不思議なアートのできあがりです。
Railway_01 - Spherical Image - RICOH THETA
もちろん旅先での思い出にも。作例では身を隠しながらWi-Fiを使ってシャッターを切っていますが、景色と共に集合写真を撮っても良いですよね。
Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA
決して高感度に強いとは言い難いのですが、イルミネーションに華やぐ街の明るさ程度ならしっかり撮れます。どこを切り取ろうか迷うシチュエーションですが、あまり悩まなくて良いのです。カメラのポジションさえ決まれば、全部撮れるのですから。ちなみに静止画撮影時はスマートフォンのアプリから「ISO優先」「シャッター優先」「オート」の3つのモードから選択でき、ホワイトバランスの設定、露出の調整も可能です。
撮る度に楽しさがあふれ出すカメラ
先代の機種のレビューでもお伝えしましたが、このカメラは難しいことを考えずに撮りたいシーンに掲げてシャッターを押す、それだけで良いのです。シャッターを切った瞬間の全てが写る。そして見て楽しむ。こんなにシンプルに皆が楽しめるエンターテインメント性抜群のカメラはちょっと珍しいのではないでしょうか。撮り方一つ、アングルをちょっと工夫するだけでさらに楽しい写真が出来上がります。ここだけの話、諸事情により皆さんにお見せできないような愉快なカットがお蔵入りになっていたりするのです。もちろん受け狙いだけでなく、孫の代まで伝わるような感動的なシーンを捉えることもできるでしょう。
初代のリリース時にはAndroidアプリのリリース前だったり、ブログなどへの埋め込みが出来なかったりといった、周辺環境が追いついていない状況がありました。その後着実にアップデートを繰り返し、今回の2世代目への進化となったことを考えると、まだまだ将来性を期待できるガジェットと言えるでしょう。ルックスこそ初代のままですが、それはカメラ自らが映り込まないよう工夫された薄くてシンプルな、すでに完成形のデザインだからなのだと思います。カラーバリエーションが追加され、持つ悦びもアップデートされました。持ち歩いて日常を撮る。思いもよらぬシーンを狙う。使い続けることが楽しさを増幅させてくれるような、期待に応えてくれるガジェットです。
( 2014.12.18 )
