PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

smc PENTAX-FA645 45-85mmF4.5

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

645Dでの使用時は35mm判換算で35.5~67mmに相当(フィルム645では約28mm~約53mm相当)の画角。発売は1997年末と、随分と時を経ているズームレンズながら、短焦点レンズ並みによく写ります。ズーム倍率を欲張っていないためか、設計に無理がないのでしょう。カメラボディのセンサーサイズに負うところもあるでしょうが、それを差し引いて考えてもズーム全域に渡って安定した撮像をもたらすのには感心させられました。目を皿のように見てゆけば、開放ではやや甘さも見受けられる時もあるものの、半段絞るだけできりっとシャープになるので、実用性を考えればまったく問題は無いでしょう。最短撮影距離は50cmと短く、ワイド側で主要被写体にぐっと近づいて遠近感をガツンと強調してみると、結構面白い画が撮れそうですよね。

( Photography : K & T.Nakanishi & M.Ito / Text : KIMURAX )

低い雲は逃げ足が速く、光の具合も目まぐるしく変化するシーンでしたが、ワイド端でローキーにして撮影。手前の雲の陰が落ちた部分は、暗い中にもわずかに土のニュアンスが感じられるほどに描き込まれています。ここまできちんと情報が盛り込まれていると、単なる暗い画ではなくなります。

3:4の縦横比はちょっとなじみがなくて…という方も多いでしょうが、ご心配なく。被写体を画面中央に堂々と配すればいいのです。ポピュラーな35mm判よりも縦が長めですからピタッとはまります。この描写力があれば、何げないシーンも作品へと仕立ててくれることでしょう。テレ端で切り取ればこのとおりです。

開放して被写体にぐっと近づけば、柔らかいボケ味を添えることができます。カリカリはならないものの、質感は十二分に伝わってきます。

雑然とした納屋には窓からの光が差し込むのみ。絞り開放で、高感度にシフトしてシャドーエリアを引き上げてみましたが、ノイズもなく丁寧に描き込まれています。

すぐ目の前に立っているかのような立体感です。絞り開放ながら、手すりについた無数の傷、柱についた手垢の汚れ、窓ガラスの隅っこに積層した汚れまでもつぶさに捉えているのには驚きました。

展望台の分厚いガラス越しの撮影ですから1枚皮をかぶった感はあるものの、グズグズにならずによく解像しています。

ぞくぞくしてくるような細やかさです。雪化粧をした枝ぶり、そして渓流の岩の表情まで精細に描き込んでおり、美しいの一言です。

中間域での撮影です。ぐっと絞り込んでみましたが、シャープな像は乱れることなく研ぎ澄まされています。寒さの中で静まり返る湖畔の空気まで、写し込んでいるような緊張感が伝わってきます。

Loading..
Loading..

結局便利なのは標準ズームレンズ。長年ラインナップされているだけはあり、よく写るのです。まずは1本という方には、この選択肢が有力です。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..