PHOTO YODOBASHI

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smc PENTAX-FA645 400mmF5.6ED[IF]

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

ペンタックス645用としては最長の焦点距離となる400mmレンズ。35フルサイズ換算で315mm相当(645D)、248.4mm相当(フィルム645)の画角になります。テスト撮影で使用したボディ645Dのセンサーサイズは、35フルサイズとの面積比で約1.7倍となる大型センサーですから凄まじい立体感を見せてくれるのですが、被写界深度の浅い望遠レンズを用いればその効果をより一層強く感じることができます。描写は、開放では柔らかさがあり、一段絞ればきりっとシャープ。自然に滑らかにぼけていく背景から、すっと浮かび上がってくるフォーカスエリア。感覚的な言い方をすれば、実に品のよい立ち上がり方なのです。短焦点らしいヌケのよさに、程よいキレ。そう、キレの中にも微かに柔らかさを感じ取れるところが、その所以かも知れませんね。

( Photography : K & M.Ito / Text : KIMURAX )

紫色がたなびく空を、豊かな階調表現でムードたっぷりに描き込んでいます。拡大するとよくわかるのですが、ひとつ一つのテトラポットの質感までしっかりと捉えており、細部に渡る精細な描写がなされているからこそ、仕上がった画に深みが感じられるのでしょう。

精細なのですがカリカリした描写にはならず、どことなくやわらかに被写体を捉えています。足元の砂の表現もリアル。フォーカスエリアからアウトフォーカスにかけて連なっていく柔らかなボケ味は美しいものです。

手前の人物周りが緻密に解像されているうえ、柔らかな後ボケとのマッチングにより、見ているだけで吸い込まれそうな気分になる立体感です。

1段絞るだけで十分なシャープさが得られ、ブルーのグラデーションの美しい空をバックに、観覧車のシルエットをシンボリックに写し込みました。データを大きくしてみると、赤、青、黄、緑のゴンドラの色からそれぞれの形状まで丁寧に捉えており、画全体としてみると、薄っぺらなシルエットではなく奥行が感じられるのは、それらのディテール表現が緻密になされているからでしょう。

しっかりと磨きこまれたスポーツカー。その艶やかなボディへの映り込みを狙ってみました。濃厚に品よく映り込んだ紺碧の空の色が、艶かしく再現されています。シャドーエリアははっきりとは見えないけど、何かが見えてきそうな気配のある厚みを感じさせる撮像です。

髪の毛1本1本から、ニットの質感まで大変繊細に描き込んでいます。ガラスへの映り込んだ表情も大変クリアに描かれており、すぐ目の前に立っているかのような臨場感があります。

どっしりと構えた橋、表情豊かな雲。まばゆいばかりの照り返しが、いい雰囲気を添えていますよね。

青にもいろいろあるもので、なめらかに連なる階調表現には圧巻です。空気中に広がる微細な粒子までもつぶさに捉えているかのように、霞のベールを見事なまでに描ききっています。

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ドーン!と立派な出で立ちですが、なかなかにリーズナブル。中判の望遠撮影を存分に楽しめる1本でしょう。

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