smc PENTAX-FA645 150-300mmF5.6ED[IF]

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

望遠レンズの画は切り取り感が強くなりますが、中判の縦横比はそれをさらに増長します。それ故に、見せたいものを潔く見せられるところがいいですよね。35フルサイズ換算で 118-236mm（645D）、93-186mm（フィルム645）相当の画角となる、645用ズームの中では最長の焦点域。三脚でしっかりと腰を据えて撮影に望む際にもズームレンズの存在はありがたいものです。重さは1kgを切り、全長は約200mm程度にまとめられているので、手ぶれさえケアしてあげれば、手持ちでも狙っていけるでしょう。フォーカス群はインナーフォーカス式で、加えてインナーズームのため全長の変化がないので安定感もあります。リアコンバーター（1.4倍、2倍）を使用すれば、マニュアルフォーカスの超望遠ズームにも化けますので撮影シーンがさらに広がります。

( Photography : K / Text : KIMURAX )

明け方からあいにくの天気でしたが、この寂れた佇まいを捉えるには絶好のコンディション。ボディは懐の深い645Dですから、さらに露出をガツンとアンダーに振って、テレ端にて撮影。本レンズの最短撮影距離は2m。細部に渡って精細に描き込まれていればこその質感表現はさすがです。

上の写真のすぐ近くで、今度はワイド側で撮影。ベタッと潰れることなく丁寧に再現されているシャドー部は、目を凝らせば微かに見てきそうな雰囲気すらあります。

日々の地道な点検作業によって、何も起こらないのが当たり前という日々がしっかりと支えられているのですよね。控えめな2倍ズームですから、中間域での撮像もご覧のとおり良好です。

とにかく緻密な描写です。PCで拡大していってもしっかりシャープ。ぞくぞくするような立体感です。

自然を愛でるっていいですよね。そんなワンシーンを覗いているかのように、前ボケをいれてみましたが、自然にふんわりと柔らかくぼけてくれました。

大方の虹は両端の足が消えて見えるケースが多いのですが、ちゃんと色が出ていたので露出を若干アンダーに振って写し込みました。手前の景色はもとより、もやのかかった山肌の木々までもよく捉えており、描写力の高さが窺えます。