PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

PENTAX K-50 / SHOOTING REPORT

APS-Cフォーマットセンサーを有する、一眼レフのエントリーモデルに位置づけられるK-50 。クラス初となる防塵防滴構造を採用し、マイナス10度までの耐寒性能も身につけています。有効画素数1628万画素となるCMOSセンサーを搭載し、画像処理エンジンは「PRIME M」。ISO感度は100~51200に対応。スペック的には上位機種であるK-30と同等のものが採用されているそうです。もちろん、好評のボディカラー20色とグリップ6色からの組み合わせが選べる、計120種のオーダーカラーにも対応しています。とはいうものの、最終的にどのような画作りで撮り手を魅了してくれるのかが気になるところ。まずはそのあたり作例を通じて確認しながら、使用感なども併せてレポートさせていただきます。

( Photography : A.Inden / Text : KIMURAX )

強い西日を遮る、濃密な夏の雲。その隙間からズバッと届いた日差しが反射光となっていいアクセントになっています。輝度差のあるシーンですが、破綻することなく隅々まで描き込んでいます。デジタルでの撮影では露出をアンダー側にコントロールしてハイライトの階調を残すというのがひとつの方策で、バリエーションも押さえましたが、本機の露出レベルはおおむね良好で、露出補正無しのカットを掲載。つまり階調表現がよくできているからなのでしょう。全体的に見ると中間トーンの出方がいいなと感じました。それに加え、陰影で浮かびあがる鋼板の微妙な歪みまでも的確に捉える描写力。エントリーモデルという位置づけながら、メーカーの意欲作であることがひしひしと伝わってきます。

周辺の窓から拡散された光を受ける籐製のテーブルセットですが、天然素材による質感と立体感が見事に再現されています。シャープネスも強くなりすぎずに、バランスよくまとめられたナチュラルな描写。レンズからもたらされる光の情報を、APS-Cセンサーが事細かにキャプチャしてくれるので解像感は非常に高く、リアリティたっぷりです。カメラボディには、手ぶれ補正機構SR(シェイクリダクション)が搭載されており、ちょっと暗いかなと感じるシーンにおいても手持ちでも十分狙っていけます。また、ボディ側手ブレ補正のお陰で、レンズの選択の幅が広がるのはありがたいことです。

ISO800で撮影。少し切り詰め気味の露出をチョイスすることで、暗がりの空間と、わずかな反射光のコントラストを再現してみました。壁からのわずかな反射光を透過するグラス。光でうっすらとあらわになったグラスに付着する水垢まで描き込んでいます。おぼつかない光の中での壁や棚の質感も丁寧に再現されているという印象です。高感度特性は良好で、ISO1600等も試してみましたが、一般的なニーズには十分対応できるという印象です(もちろん条件次第ではありますが)。画のリアリティを崩さないように、ノイズを巧くコントロールしている感があり、その仕上りに感心させられました。

AFはストレスを感じさせずにスムーズに合焦するという印象でした。こちらのカットではシナモンパウダーの所にピントを置きたかったので、光学ファインダーを利用しMFにて撮影。視野率100%、倍率0.92倍のペンタプリズムを搭載するファインダーとあって大変見やすく、ピントの山がつかみやすくなっています。そうなると液晶モニター(3.0インチ92.1万ドット)もいいのですが、むしろ光学ファインダーを積極的に使いたくなるというものです。ところでどうですか、この撮像。トッピングされたシナモンの香りが、すっと立ち上ってくるかのような立体感。きめの細かいパウダー状のリアルな描写にハッとさせられました。大胆にフレームしていますが、カップ表面に施されたゆるやかなカーブ、そして肌触りや全体の丸みまでが手に取るかのように伝わってきます。

 

左側の壁が白飛びするかしないかギリギリのところを狙って露出を補正。窓枠から延びるシャドーエリア。木の影でできた柔らかいグラデーションを伴ったシャドーエリア。いずれもその深さの違いが的確に再現されています。適正露出でのシャドーの粘りもさることながら、ハイライトエリアにもしっかりと階調が残っており、レンズの力によるところもありますがコントラスト表現も上々です。

光を吸収してしまうマットな質感の木やブリキ。解像感・立体感たっぷりの描写、いいですね。

よくよく見ると、ちょっとおどろおどろしい枝振りの木でした。単なる木のフォルムをトレースするだけではなく、細かくひび割れ隆起する、樹皮の様子までしっかりと描き込んでいるからこそ、その雰囲気がそこはかとなく漂ってくるのでしょう。

手厚い機能でもてなしてくれるエントリーモデル

手にしたときにまずボディの軽さに誰もが驚くことでしょう。実際に撮影してみるとグリップが深く、しっかりとホールディングできるので終始軽快に使うことができました。デジタル一眼レフでは珍しく単3形電池4本が使用でき、このグリップスペースに格納されています。充電式リチウムイオンをはじめニッケル水素、アルカリ電池などに対応。入手性のよさもさることながら、アクセサリーのグリップなどを装着する必要も無いので、デジタル一眼レフながら小さくまとめられたパッケージをしっかりと活かすことができます。しかも防塵防滴構造であることは、正直、精神衛生的にも効果的です(笑)。近頃頻発するゲリラ豪雨なんてものもありますしね。上位機種では当たり前のようなスペックをエントリーモデルにまで広げてくれたのは大いに歓迎すべきことです。使い勝手としては、1/6000秒の高速シャッタースピードが切れるというのもクラスを超えた性能として挙げられるでしょう。視認性に優れた光学ファインダーを用い、スポーツシーンまでも写し込めることで、表現の幅は格段に広がっているといえるでしょう。撮影モードは、オートからマニュアルまで計12モードより選択可能。「絞り優先」「シャッタースピード優先」といった一般的なモードはもとより、ペンタックス独自の「シャッター&絞り優先」(TAv)や「感度優先」(Sv)も備えています。任意の設定の組み合わせを2件登録できる「ユーザーモード」まで用意されています。絞りやシャッター速度は、ボディの前と後に備えられた電子ダイヤルにて個別に設定できるので、スピーディかつスムーズな操作が可能です。

小型軽量ボディながら秀逸な画を紡ぎ出してくれることは、すでに作例を通じて感じ取っていただけたかなと思いましたので、まとめのお話しでは、スペックの内容が多くなってしまいました。ただ、それらが価格相応のものならば、取上げる必要は毛頭ありませんが、作り手側がエントリーモデルと謳っていながら、上位機種でないと備えていないような機能が惜しげもなく盛り込まれているものですから、気になったものだけでも紹介させていただきました。とここまでくればもうお気づきのように、K-50 は大変コストパフォーマンスに優れたモデルとなっています。これから一眼レフを手にしてみようとお考えの方には要チェックの一台。もちろん、すでに上位機種をお使いの方でも、身軽なシステムで普段使いに活用できるものをとお探しであれば、候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

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扱いやすい7.5倍のズームレンズをマウントしたセット。レンズもボディ同様に簡易防滴構造を採用し、あらゆるフィールドで活躍します。

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こちらはコンパクトなズームレンズとのセット。まずは一眼レフを1台という方には、こちらからどうぞ。

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こちらは標準域と望遠域のズームレンズが2本セットになったモデル。後々買い足すぐらいならば、ずっとお得です。

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こちらはボディのみ。既にレンズをお持ちの方はこちらをどうぞ。

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