PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Nikon Ai AF Nikkor 85mm f/1.8D

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

どういうわけか、各メーカーともに花形F1.4大口径より半段暗いF1.8クラスにいぶし銀のようなレンズが。ニコンのレンズも同じく、リリース当初から大変評判の高いレンズです。こちらは距離環の設けられた「D」タイプレンズ。最新の「G」タイプに全くひけをとらない描写です。85mmといえばポートレートというほどにイメージが固定化されていますが、実は風景撮影などでも多用する焦点域でもあります。スナップであれば10-20m程度の被写体を捉えると面白い。適度な圧縮感と大きなボケも手伝って、まるで被写体がとおってきた道すがら、そして積み重ねてきた時間を写し込めるような錯覚に陥ります。たとえば、畑を耕す老いた男性を28mmで写せば情景をそのまま持ち帰るようなフレームとなりますが、85mmなら畝が前ボケとなり、黙々と下を向き汗にまみれる男性を浮き上がらせる。背景は輪郭を残して溶け、男性の人生を取り囲むシーンを投影したスクリーンのように。バストアップのポートレートもよいですが、そんな"引き"のポートレートにもチャレンジしたくなる、そんな焦点距離が85mmなのです。

( Photography & Text : K )

丸くぼんやりとした光が軒先を照らし、夏の暑い盛りには虫たちが光に誘われ、子供達が怪訝な顔で払いつつ、幾度となくここをくぐる。そんな子供達もいつしか土産を持って帰ってくる、そんな気の使える大人に。85mmは時の堆積を写し込むことのできる焦点距離だと思いませんか? 前ボケの柔らかさ、瓦とランプの先鋭なる描写。何より実際に自分の目で見ているかのようなリアリティに「もっと撮りたい」と思わされてしまうのです。

距離にして10mほどでしょうか。このぐらいの距離で撮ると面白い焦点距離。街灯も無い山の中の田舎道、暗くならないうちに子供達は急いでまたこの道を戻るのでしょう。重厚に色が乗る印象のレンズで、スナップだとアンダー気味に撮るとよいレンズだと思います。定番ポートレートなら、思い切ってハイキーに。これだけ色が乗ってこそできることです。

「時の堆積を写し込む」には、この背景のボケ具合がちょうどよいのです。135mmぐらいになると、もう少し圧縮感が強まり、背景も溶けていきます。各焦点距離で撮れるものも変わってくるのですね。いったい誰がどのように各スタンダードとされる焦点距離を決めてきたのでしょうか。不思議なものです。

どちらかといえば前ボケが後ろより、より柔らかい印象です。後ろもそんなに硬い印象ではありませんが。むしろこれぐらいのほうが味を感じて好ましいと個人的には思います。

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F1.4に憧れる・・・でも、予算的にF1.8を。なんてことでひけめを感じないでください。グッチョイス!なのです。

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せっかくなので保護しておきましょう。

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