Nikon Ai AF Nikkor 180mm f/2.8D IF-ED

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

レンズ構成枚数の多いズームレンズに対して、枚数が少なくてすむ単焦点はヌケのいいキレのある1枚を残せるところが魅力です。仕上りを見るたびに、やはり望遠系のレンズでは単焦点の描写力が冴えているなぁと感じ入ってしまうのは私だけでしょうか。色収差を補正してくれるEDレンズの存在も功を奏しているのでしょう。引き気味のポートレートや局所クローズアップのポートレート、風景撮影に重宝する画角です。F2.8大口径・180㎜の望遠レンズとしては軽くてスリムですので、手持ちで感じるままに狙っていってください。

( Photography : M.Ishizuka & K / Text : KIMURAX & K )

頼れる母の絶対的な存在と、後を周りに興味津々・ちょこちょことついて歩く子供。その二人の関係を表現するためにクローズアップして、大胆な構図で切り取ってみました。色のりもよく、開放からシャープで、ボケも自然なので、親子がくっきりと浮かびあがってきています。

自然な前ボケと背景ボケで、柿の木の存在がますます際立ちます。バケツはご愛敬。順光の下では確かにヌケとキレのある描写で、樹皮の質感や実ひとつひとつをしっかりと捉えています。

一面に広がるススキは、なかなか壮観な眺めです。手前にあったススキが、風に押されてフレームインしたことで前ボケ状態に。偶然の賜物とはいえ、幻想的な雰囲気が添えられました。

父は子に何を語りかけているのだろうか。雄大な景色を目の前に、心を奪われているのだろうか。いろいろと考えを巡らせながら、この場所で同じ方向を見つめ、立ち尽くす親子がいたという証を残しました。